「「ヤクザと家族」もあわせて観るとよりいいかも!」すばらしき世界 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
「ヤクザと家族」もあわせて観るとよりいいかも!
殺人の刑期を終えて一般社会に戻ってきた元ヤクザの三上と、三上をテレビのドキュメンタリーで取材しようとする津乃田。2人の交流を中心に元受刑者の社会復帰の難しさを描く。
最近観た「ヤクザと家族」でもそうだったが、暴対法によってヤクザがいかに生き残りづらくなったのかがわかる内容だった。三上にしたら別世界に連れてこられた気分だろう。
罪を犯してもその罪を反省することがない人間なんていくらでもいる。三上も罪を反省しているわけではなく、刑務所に戻りたくないからカタギになるという意識だった。だからこそキレやすく、暴力で解決しようとしていた。でも、それらとは関係のないところでその人の人間性というものがあるのだとも感じた(全くの無関係とは言わないが)。応援する人が増えていくのも納得。
本作はさらにヤクザになったり、犯罪を犯したり、キレやすい人間の根底には親からの愛情不足があったんじゃないかというところまで踏み込んでいるところが興味深い。
それにしても西川監督はさりげないシーンの演出がうまい。夜景の東京タワーが映るシーンとか、子どもがお母さんを探して泣いてるシーンとか、最後の洗濯物取り込むシーンとか。細かい説明がなくても伝わるものがある。今年はヤクザ絡みの名作が続くな。
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