「構造の中の悲劇とスクリーン」すばらしき世界 ようこさんの映画レビュー(感想・評価)
構造の中の悲劇とスクリーン
藤井道人監督の『ヤクザと家族』といい、淘汰されてゆくものの中に例外的な善性をロマンティックに見出し現代の「生きづらさ」を表象する、というのは賞レース的にも扱いやすい題材だし、それ抜きにしても素晴らしい作品であればいいけどなんで揃いも揃ってそこに「破滅の美学」的な「死」の終わり方しか発想が無いんだろうか。「感動」や「納得」、から誘導させる「考えさせられた」的なラストは刹那的な快感を得られる一方で、社会問題を大義名分化させた賞レース目当ての大喜利を見させられている気分になる。
もっと、「唖然」とさせられるような評価が真っ二つに割れ、批評が批評を呼び込み生み出すような作品以外は全部社会問題を大義名分とした感動ポルノにしか見えません。そんな作品だけが世界に溢れすぎてる。
コメントする