「やっぱりこの夫婦は、「最強」の「ベストカップル」」奥様は、取り扱い注意 タトバーさんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱりこの夫婦は、「最強」の「ベストカップル」
元のドラマは途中から視聴してたのですが、面白かったので映画も楽しみにしていました。
今回の映画は終盤にアクション詰め込んだなぁ、という感じです。元のドラマも比較的そんな感じだったとは思いますが。
(以下役名がややこしいので、綾瀬はるかはナミ役、西島秀俊はユウキ役として書きます。)
■記憶喪失!?
ナミが記憶喪失という前情報無しに観たので、プロローグで衝撃を受けました。ナミの料理が上手い…?この辺から少しおかしいとは思いましたけど、そういう展開だったか~と納得しました。
ヤクザからとばっちりを受け、記憶が回復した後でも、ドラグノフから電話を受けるまで、いつものように生活し、本当の意味で奥様になることを続けていた。「もう終わり。」再びナミとして夫の所に駆けつける覚悟を決める表情を見たときに「ようやく帰ってきたー!」っていう感じでした。
余談ですけど、診療中の積み木の色も、ヤクザに襲われた辺りから少し明るめに変化しているのに、(サーモカメラまで使って)心のかすかな変化を読み解けない精神科医()って…。「え~…あんた一番気付いてなきゃいけない人だったよ!?」と拍子抜けしました。デスク下のボタンを慌てて押しに行くのを見て、「この人ナミの変化を敢えて見逃して、ナミのやりたいことや考えを優先させてあげようとしているタイプの人なんじゃ?」と思っていたがそんなことはなかった事を理解しましたね。
■本当に撃退していたのは誰か
気になった点が、夜にヤクザを襲い返していたのは、本当にナミなのか?そこの描写は少し分かりにくかったかと。
コスプレナミがマスクを取り「気持ちいい~~♪」というシーンがあったにもかかわらず、別の夜でユウキが追いかけてとっ捕まえたのはコスプレ趣味のジュリの方。
解釈は色々考えました。
ヤクザをやっつけた後、ユウキから逃げる時に二人が入れ替わったか(コレは無いか)、
ジュリ君とナミで入れ替わりながら毎日ヤクザを相手していて、たまたまジュリ君の日に見つかったか(やはりコレもナミの正体をジュリ君に知られていない筈なので無い?)、
最初からジュリ君がヤクザの相手をしていて、ナミの上の台詞のシーンは映画内での可能性の話としての妄想か……(多分コレ?)。
本当にここは何だったんだろうと、少しモヤモヤしてます。
■元夫婦の「雨降って地固まる」関係
両手を封じられても監視役の隙を突いて蹴り技で一発KOした後、「蹴り技だけは得意だったんだ」という元夫と、それを聞いて笑顔になる元妻。「あ、(離婚してるけど)ここは良い夫婦なんだな」と観ていて思いました。エピローグでも、ドライブからデータを取り出すのを手伝って欲しいと持ちかけるなど、関係もまた良くなっていたり、伊佐山夫婦とは別の(元)夫婦の関係が、事件を通して丸く収まるのもこのドラマらしくて良いと思いました。
■クライマックス/エピローグ
上司の神岡さん役に鶴見辰吾のチョイスは良いと思いました。
やっぱりこのチョイス。この人は裏切り役でしたね。
また、クライマックスでナミから「愛しているなら」と銃で撃ち抜くことを求められたユウキが、躊躇いながらもある一点を狙って打つシーンも良かったです。
インナーにはナミが書いたカフェのロゴマーク。事前の「心臓をスレスレで避けた鉄パイプ」のテレビの伏線もここで回収。ユウキはここを打ち抜けばテレビと同じように、ナミを生き存えさせられると考えはしたが、やはり「別れ」は辛いモノだったでしょう。
結果的には、打つことでナミを愛していることを証明し、ナミもどこか他の国で傷を見る度に愛されていることをあらためて自覚する。相容れないはずの2人が、お互いに愛を確かめ合えたのは、切なくも良かったと思います。
■総評
とても良い映画でした。一部謎なままの描写はありますが、ドラマの最終回クライマックスからの展開の膨らませ方は悪くなかったと思います。
既にニュースに上がっていますが、綾瀬はるかさんはまた続編にも意欲的、とのこと。
観てみたいものですね(・ω・) ただ、今回の劇場版を超えられるかはちょっと期待が怪しいですが…。
私はどちらかというと西島さんのファンなので、あの愛妻家と公安の顔を出したり引っ込めたりする所に期待したいです。
でも、2人の関係は今回の映画で完結したも同然かな、とも思ったり。そうなると次はどんな関係で出会うのか、どんな別れを迎えるのか(若しくはそのままくっつくのか)、楽しみに待ってます。