「連ドラの映画化は良いと思う。ただ、本作で、改めて連ドラの映画化のバランスは難しいと感じる。」奥様は、取り扱い注意 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)
連ドラの映画化は良いと思う。ただ、本作で、改めて連ドラの映画化のバランスは難しいと感じる。
本作は日本テレビ系列の連ドラがベースとなっている作品の映画化ですが、私は連ドラの方を見ていません。なので、映画だけの評価となります。
まず、本作は、ドラマ版から原案が金城一紀ということで、フジテレビ系列の連ドラから映画が大ヒットした「SP」を連想し期待していました。
実際に、設定が「SP」と似て、「元特殊工作員」と「公安エリート」の夫婦というのは面白そうです。
ただ、ドラマ版では金城一紀が脚本も手掛けていたようですが、映画では変わっていました。
それもあってか、映画はかなりユル目な作品でした。例えば、本作では、新エネルギー源「メタンハイドレード」の発掘がベースになっています。
この新エネルギー源開発の裏でロシアと結託した国家レベルの陰謀が潜んでいる、という設定ですが、ロシアへの20億円程度のお金(マネーロンダリング)で、小さな地方都市で殺人事件等が頻繁に起こるのは無理を感じました。【例えば、普通に福島県で洋上風力発電施設を3基作り運営するのに600億円、不採算で撤去費だけでも50億円以上というのが現実の金額の規模感です。この規模の金額が普通に無駄使いされています】
そのため、本作を見る際にはリアリティーは忘れて、ドラマファンを中心に綾瀬はるかと西島秀俊の夫婦生活などを眺めるのが正しい見方だと思いました。
本作はドラマ版を見たことがない人でも分かるように作られている点は良かったです。
ただ、少し分かりやす過ぎて、拍子抜けする面もあるかと思います。
このように、改めて連ドラの映画化のバランスの難しさを感じました。
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