劇場公開日 2020年6月5日

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「佳品。「ヨーロッパ企画」の今後が楽しみ」ドロステのはてで僕ら 春生カンナさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0佳品。「ヨーロッパ企画」の今後が楽しみ

2020年6月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ヨーロッパ企画に最近興味を持つようになり、いろいろ見ています。この映画も、知ったのは1か月前位。映画自体には最初興味がなかったのですが(Previewは見ていてそれほど惹かれませんでした)、新型コロナで映画館での上映ができるかどうかもわからない中、ツイッターやオンラインなどで情報発信し、またオンラインでの初日上映を決めたのを知り、応援の意味も込めて拝見しました。悪い話ばかりが聞こえてくるような情勢で、明るく新しい試みを次々していくヨーロッパ企画の頼もしさと将来性をとても感じて好感を持ちました。
 上田さんの脚本は時間モノが多いですが、とはいえ、それをバカバカしく日常に引き下ろして笑えるところが何とも好きです。例えば「サマータイムマシーン・ブルース」。「ドロステ」は、基本同じ路線だと思います。その路線と基本コンセプト自体は面白いのですが、ただ2分のずれ、もっといろいろ広げられそうなのになあ、とそこが残念。やはり予算の問題が大きいのでしょう。
 お芝居は、土佐さんてこんないい男だったのか、と感心。朝倉さんもとても素敵でした。他の方も書いてましたが中川さんも良かったな。

 実際に映画や動画を撮っている人の方が「ドロステ」はどうやってこれを撮ったのか、といった興味がわくし、またまだヨーロッパ企画をあまり知らない人の方が楽しめるかもしれません。

 ともあれ先が楽しみです。番組「暗い旅」を見てると、映像での遊びをいろいろやっていてそれがとても面白いので、もっと大きな予算でまた実験的で面白い映画が撮ってくれるといいな、と思いました。

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春生カンナ