「原作は知りませんが、こういう話でしょうか?」映像研には手を出すな! スキピオさんの映画レビュー(感想・評価)
原作は知りませんが、こういう話でしょうか?
原作の漫画も読んでないし、アニメも観ていないので、本作が初めて。。。という前提で聞いてください。イマイチな作品でしたが「いやいや、そういう話だよ」ということなら、ごめんなさい。
私の解釈では、映画の粗筋は、、、
やたらと部活の数が多い高校が舞台。部活数の削減を目論む生徒会は、部活動の統廃合を企んでいた。それに抵抗するのが、映像研究会なる3人の部活。統廃合の基準(?)をクリアする為にロボット研究会や音響研究会と提携する。
生徒会は映像研の活動を妨害するも、生徒会も一枚岩でなかった。統廃合を強行する会長と、映像研他の弱小な部活に寛容な一派とがあり、最後は寛容派の助けもあり、文化祭でのアニメ上映を成功させる。そして映像研の戦いは続くのであった。(おれたたエンド)
という「生徒会と愉快な部活」というお話でした。って、絶対に違うとおもうけど、そういう話にしか観えんかった。話が詰まると、大声で奇声をあげるか、変な広島弁で喚くか、で展開していく。アニメの設定が売りっぽいけど、肝心のアニメが全く面白くない。
で、見どころは、というと。。。
斎藤飛鳥は可愛かった。ショートカットで無口だと平手友梨奈とソックリですね。変な色のカラコンは何の設定だったのか、分からんけど。
生徒会長役は私の推しの小西桜子。私のなかでは本作のヒロインだったので眼福、眼福。あと、存在感抜群だったのが、さかき・ソワデ役のグレイス・エマ。原作でもソマリア人だか、の設定ですよね。バッチリだと思います。
私のなかでは今年のゴールデンラズベリーの最有力なんですが、どうすれば良かったのか?
①本作を活かすなら
もう「映像研」は映像とか抜きにしましょう。名作「行け!稲中卓球部」「工業哀歌バレーボーイズ」が卓球やバレーボールとは無縁であるように、本作だって、もう映像はどうでもよく、生徒会vs愉快な部活、で充分面白い作品になったはず。なんか「うる星やつら ビューティフルドリーマー」みたいな話で。最後は「なーんて設定のアニメが作りたかった」って夢落ちにしてしまえばよい。
②アニメシーンを魅せるなら
中途半端な線描で誤魔化していましたが、やるなら、スパッとアニメシーンは、アニメーションでやってしまえばよい。ちゃんとセルアニメでワンシーンを再現する。中途半端な特撮風にせず、コックピットもエヴァっぽくスタイリッシュな設定にして、キャラも原作キャラを出せばよい。そうすると、アニメを作っているんだ、ってリアリティが保てると思う。
③アイドル映画にするなら
せっかく、ファンが呼べる乃木坂を使っているんなら、もっとキャッキャウフフな展開にすれば良い。恋愛禁止の宗派なら、百合っぽくやればいいじゃん。小西桜子→梅澤→飛鳥&山下美月、ってカップリングなんて、エモくて良いんじゃない。いっそのことロボ研とか下水道研も、女の子多めにして、なんかガルパンの実写版っぽく。
最後ついでに「なんだかなぁ〜」という部分を書き出して、成仏させましょう。
・いくら東宝作品とは言え、意味もなく池辺美波を出すかぁ〜?気象部と台風のぴーちゃんの意味がわからなかった。
・パロディをやりたいなら、雑に大袈裟なシーンでやるか、細かく精密にやるか、中途半端はやめて〜。パロディシーンはダダ滑りでした。
・乃木坂だからダメって作品では無かったように思います。なんか無理して映画を作った感がする。はなからダメだったんだろうな。この監督作品はあまり相性がよくないや。