「アトラクション」映像研には手を出すな! ヨッシーさんの映画レビュー(感想・評価)
アトラクション
ドラマ版はすでに鑑賞済み。
その上で見た。
まず冒頭に羅生門のパロディを交えてこれまでの映像研を紹介していく展開。ドラマを見ていない人向けの親切なのだろうがどれだけ羅生門のパロディで誤魔化してもダイジェストである事に変わりはなく、ドラマ版を見てないものを置いてきぼりにしてでも思い切って物語を別の所で広げて欲しかった。
あと、他の大多数の方も指摘しているが気象研究部のあの少女が浜辺美波ちゃんである必要性があったのか。果たして疑問だが、友情出演的な事なのだろう。
これこそthe・無駄使い。
後、途中で浅草氏が観客からの批判に怯えてスランプに陥ってしまう展開があったが、それまでノリにノッてた筆が止まる動機があまり見つからなかった。
そう言った心情は得てして突発的に来るものではあるが、もっと何か明確な批判に晒される描写があっても良かったのではないか。
でなければ描く意味が無いと思う。
さて、今まで恨み言を先に言わせてもらったが、全体的に見ればとても楽しめた映画だった。
まず演者が素晴らしい。高嶋さん以外は新進気鋭の若手が大多数だったが、皆が皆それぞれのキャラクターをよく理解して演じていた。
例えば桜田ひより氏。
百目鬼氏が音響盤に耳をくっつけて自分が作った音に恍惚とした表情を浮かべるところなんかとても素晴らしかった。
さらに板垣氏はロボットにかける他人からは理解し難い熱い情熱。そこらへんを表現するのがとてもうまかった。
生徒会の面々はドラマ版から引き継いで安定の面白さ。
福本莉子さんはつい最近見た思い思われふりふられとガラッと声も態度も変わっていてかなり将来性を感じた。
主要乃木坂三人娘は浅草氏の声に作られたような違和感をちと感じたが、それ以外の金森氏、水崎氏なんかはイメージにぴったり。
途中のはじめてのおつかいパロディは声を出して笑ってしまった。
ぐらんぶるの時も思ったがこの監督のギャグセンスと僕の笑うツボがどうやらぴったり合ってるらしい。
その上で最後に語りたいのが浅草氏が想像したことが実写と重なるCG演出。
とても迫力があって素晴らしかった。
これは鎌倉ものがたりの時にも感じた事なのだが、ユニバなんかのアトラクションで浅草氏が想像した世界に自分も入ってみたいと思うほど素晴らしく迫力があったCGだった。
全体としてはとても楽しめた。
アイドル映画と揶揄するレビューも散見されるが自分はそうは思わなかった。