「ワインド・スピード ICE BREAK。 インドの整形技術は世界一ィィィ! できんことはないィィィーーーーーーッ!!」WAR ウォー!! たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
ワインド・スピード ICE BREAK。 インドの整形技術は世界一ィィィ! できんことはないィィィーーーーーーッ!!
インド諜報機関「RAW」に所属するエージェントたちの活躍を描くスパイ・アクション映画「YRFスパイ・ユニバース」の第3作。
RAWの凄腕スパイ、カビール少佐が組織の上級分析官を射殺し、そのまま姿を晦ました。強い愛国心と責任感を持つRAWのエージェント、ハリード大尉はカビールの捜索及び抹殺作戦に志願する。師と仰ぐカビールが、何故組織を裏切ったのか知るために…。
『タイガー 伝説のスパイ』(2012)、『タイガー 甦る伝説のスパイ』(2017)に続くYRFスパイ・ユニバースの3作目では登場人物を一新。カビール少佐とハリード大尉という新たな主人公が物語を盛り上げる。
ちなみに、一応シリーズの第3作という事になるのだが前2作との繋がりは全くない。マジで1ミリもない。女エージェントのアディティを演じたアヌプリヤー・ゴーエンカーさんなんて、『甦る伝説のスパイ』では全然違う役どころを演じているし。
今でこそユニバースに組み込まれているけど、当初はそんな予定なんてさらさらなかったのかも知れない。
本作の見どころはなんと言っても主役の2人、リティク・ローシャンとタイガー・シュロフである。狼のようにワイルドなローシャンと、白鳥のように優美なシュロフ。この2人がとにかく美しいのです…。
ギリシャ彫刻かと勘違いしてしまうほどの端正なマスクと、なに食ったらそんな身体になるんだと思わずにはいられないアンビリーバブルな肉体美。インドにはこんな完璧超人がいるのかと本気で驚いた。特に彼らの肉体の仕上がりは怖いくらいのクオリティ。6パックどころか12パックくらいあるぞその腹筋!?
同じアジア人でも、やっぱ日本人とインド人は全然違う人種なんですね。日本人がいくら頑張ってもこんな身体にはならな〜い🌀
反目し合う2人は過酷な任務を共に潜り抜ける事により無二の友となる。しかし使命が彼らの友情を2つに引き裂いてしまう…。うーん、なんてベタなストーリーなんだろう。こういうのを全力でやってのけるパワーこそがインド映画の魅力である。
まぁとにかく凄い身体の2人が、その筋肉を見せつけてあうようにして友情を育む。胸元をガバッとはだけさせ、時には半裸でじっと見つめ合う2人の間にもう言葉は要らない…。あーダメダメ、エッチ過ぎます!!
この2人の醸し出す耽美なブロマンスに、あなたの眼は釘付けになる事だろう。うぅ、興奮し過ぎて鼻血が…。
ムキムキな筋肉に加え、ダルシムも顔負けな手足の長さ。ローシャン&シュロフの繰り出す超絶アクションこそが本作のウリ。特にタイガー・シュロフの身体のキレと柔軟性は素晴らしい!無駄にパルクールしたり三角跳びしたり開脚したりと、とにかくその身体能力を十二分に見せつけてくれる。
特に、冒頭のワンカット風長回しアクションの殺陣は凄い!椅子や柱などの環境を利用したカンフーアクションはまるでジャッキー・チェンの再来である。これほど身体が動くのに、なんで国際的アクションスターになっていないのかが不思議。ハリウッドよ、凄い逸材がインドにいるぞ!!
彼らは当然ダンスも得意。中盤、2人の友情がついに結ばれた時に挿入されるダンスシーンは実に華やか。
それまで凄いシリアスな顔をしていたのに、いざダンスが始まると往年のジャニーズアイドルのようなポップな衣装に身を包み、インド映画でよく見る色粉を振り撒きながら爽やかな笑顔を送る。ここ冷静に考えるとめちゃくちゃなシーンなのだが、楽しければなんでも有り!となってしまうのがインド映画の恐ろしさ。これはハリード大尉の喜びを表す心象風景なんだから、おかしなところは一つも無い!!…のか?
脚本としてはありきたりなスパイ映画。反目しあってるけど、どうせ最終的には仲直りして一緒に巨悪に立ち向かうんでしょ。知ってる知ってる。
…なんて思っていたら、終盤で驚きのどんでん返し!王道を征くシンプルな娯楽作品かと思っていたので、この悪役の正体には普通に驚いてしまった。この展開を見抜く事が出来た人、あなたは凄い!👏
整形外科医なんでも出来過ぎだろっ!骨格から変わってんじゃねーかっ!!とか、アディティさん優秀過ぎるだろっ!もう彼女1人でいいだろっ!!とか、ツッコミたくなるところはそりゃたくさん有ります。なんでトロール船にスポーツカーが載ってんだよっ!!とかね。
まあでもそういう細かいことはもういいじゃあないですか。なぜトロール船にスポーツカーかあったのか?そんなもん『ワイルド・スピード ICE BREAK』(2017)をプロデューサーと監督が観たからでしょ。氷の上でのカーチェイスを自分たちもやってみたくなったんでしょ。
本作は完全にインド版『ワイスピ』なんだから、脚本に文句を言うだけ野暮。シリーズが進めばそのうちハリード大尉も甦るかもよ?
正直なところ、前作『 甦る伝説のスパイ』が文句なしの傑作だった事を考えると、本作のガバガバさには多少の文句も言いたくなる。しかし、カビール少佐とハリード大尉の肉体美という眼福を得る事が出来たんだからそんな不満点はチャラ。いやー、良いもん観た😊
近年のインド映画の勢いってやっぱり凄い。このまま進化を続けていくと、そのうちハリウッド映画を駆逐しちゃうんじゃない?
そんなんですね、ユニバースの中の一つだったんだ、知らなかった!
> 整形外科医、すごすぎ
たしかに。すんなり納得しちゃった俺ですが、言われてみればその通り。
小中学校時代(つまり昭和40年代)のマンガを読んでるようなノリで、俺はこの映画を観てるんだなあと、はたと思い当たりました。気づかせてくれてありがとうございました!!