ナイル殺人事件のレビュー・感想・評価
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愛憎ドラマにしたのが良かった
ミステリーって映画に向かないと思う。
読書なら読者が謎に対して想像する時間を持てるが、時間芸術の映画ではそうはいかない。下手すれば観客を置き去りにした説明映像になりかねない。
ケネス・ブラナーは賢明だ。謎解きはほどほど楽しめるように残し、人間の愛憎のドラマとして構成し演出した。女優もゴージャスで見ていて心地いい。
ポアロの人間性にスポットを当てたのも良かった。探偵をだたの解説役としてではなく、葛藤を持った人物として描くことで共感できた。かつて市川崑の金田一シリーズがそうであったように、映画においてのミステリーものは愛憎とともにないと楽しめない。
ブラナーの新作が間近だが、楽しみ。
期待を超えることは難しい
前作のオリエント急行を題材にした作品が、今回の映画のハードルを高める事になった。
話がさくさく進みすぎて、不可解な点やなぜそこに結びつくのかなど、映画として収めることの難しさを感じてしまった。
愛の歪みを題材にした映画ではあり、序盤で視聴者の大半が犯人像に気付いてしまう。
謎を解決していくスリル感が視聴者が1番見たい場面であり、前作同様に曇天返しを期待してしまう。
なので、今作は逆の発想で、犯人がなぜその罪を犯していくのかは紐解いていく構成の方が良かった。
居心地の悪い俺様映画
原作の雰囲気を、映像美溢れるフィルムに落とし込んでいる点は見事。
登場人物を原作小説から削ったり変更したり、中でも作家がミュージシャンになったりとかいろいろ。
レイス大佐もいないし。
そうやってスリムにした割には、最後の推理が駆け足のやっつけになってしまっていたのが残念。
ポアロが何故髭を伸ばして、生涯独身だったかの独自の設定を入れ、その描写を入れたために本編を圧迫してしまったような。
この改変というか新解釈については、賛否両論となりそうな予感。
私は、ブラナー映画としては肯定するけど、クリスティ映画としてはちょっと嫌だった。
その新解釈がブラナー俺様カッコいい自己陶酔映画にしていて、ポアロの私物化も甚だしいという印象すらありまして。
某作品の、「トム・クルーズの俺様映画であって『スパイ大作戦』じゃないよな」ってのに近く。
そこら辺の感覚が、どこか居心地悪くなりました。
2022年で2番目に良かった。 殺人事件物だが、人間の欲、愚かさ、悲しさ、ダサさ、みっともなさ。
同シリーズのオリエント急行殺人事件が良かったので、観た。
やはり良かった。
ポアロの迫力。
名探偵コナンが子供向けなら これは 大人が観ても 見ごたえ充分。
殺人事件の謎解きでは有るが、
人間は金銭欲 名誉欲などなど、まどわされる。
人生を全うするのは、言うほど簡単じゃない。
人間の愚かさ、悲しさ。
それでも、気を取り直して、人間は地道に生きていかなけれなならない。
2時間の豪華な旅
待ちに待った公開
予告編を観て楽しみにしていました
ナイルの景色の美しさと豪華な衣装とセット
そして音楽が作品を盛り上げる
しかし肝心のミステリーが分かりやすすぎ
ひとつ目の銃弾騒ぎで、すでにあれはフェイクだなぁと見抜けてしまうお粗末さ
残念
次回作はあるのかどうか?
気軽に旅の出来ない今、こういう映像はありがたい
名シェフの絶品料理に舌鼓。
午前に鑑賞。
ケネス・ブラナーはオリエントに続いての名監督&好演技。
ガル・ガドットはいつも超魅惑的の一語に尽きる。そして何よりも映像が美しく、面白かった。
「ナイルに死す」は極上のミステリー(料理)だ。シェフブラナーは隠し味や食材の持ち味をフルに活かし、美味佳肴を用意していた。
不可抗力でずいぶん待たされたけどね。
ご馳走さま。
丁寧なリメイクだが改変には賛否がありそう
字幕版を鑑賞。2017 年公開の「オリエント急行殺人事件」に続くケネス・プラナーによるリメイク作品で、2020 年公開の予定だったがコロナのせいでここまで延期になったものである。私は 1978 年版の前作も見ている。原作にも前作にもない改変が加えられており、それが犯人解明に至るプロセスに関わる部分であるため、賛否両論があると思われる。
映画は第一次大戦のシーンで始まり、若き日のポアロの姿と口髭を蓄えるに至った理由が語られている。ポアロの人生の大きな転換点となった話であり、今作の大きなテーマの「愛」に関わるエピソードとして話の奥行きを与える趣向で、愛が目的で殺人を犯す者もいれば、忘れられぬ愛のせいで自分の一生の送り方を決めた者もいるということである。このエピソードに限らず、この映画は尺の使い方がかなり贅沢な感じを受け、先を急がずそれぞれのシーンを大事にする姿勢が感じられる。127 分という普通の長さの作品でこの姿勢を貫くのは大変だと思うのだが、ストレスは感じられなかった。
原作と前作で作家という設定だったサロメは黒人歌手に変えられ、娘設定で前作ではオリビア・ハッセーが演じていたロザリーも、それに応じて変更されていたほか、重要人物と熱愛設定になっていたのは、BLM に対する配慮だったのだろうか?音楽の要素が加わったのは良いが、英国人がアメリカの黒人音楽を好んでいるというのはやや雰囲気を乱していたような気がした。
登場人物一人一人に詰問調で迫るポアロの態度はちょっと異様であり、あの詰問がなければ、証人が犠牲になることはなかったのではないかという気がして仕方がなかった。考えてみれば、ポアロさえいなければ、死者は最初の一人だけで済んだのではないかという思いがぬぐえなかった。もっとも、それでは犯人の計画がまんまとうまく行ってしまうことになるが、ポアロがいたために死者が激増したのは疑いようがない。ポアロがそのことに全く反省していないのには釈然としないものを感じた。
音楽は前作がニーノ・ロータだったのに比較するとやや小ぶりな感じを受けたが、「オリエント急行殺人事件」の音楽の人と同じ人で、非常によく映画の雰囲気を高めていた。エジプト風の雰囲気を出すためにドリア旋法を駆使しているところなどは感服させられた。前作と違ってエンドタイトルで何の関係もない歌謡曲が流れなかったのも好感が持てた。この調子でリメイクが続くのであれば非常に楽しみである。
(映像5+脚本4+役者4+音楽5+演出4)×4= 88 点。
延期につぐ延期からの歓喜!
ケネスブラナーさん最高です!
アガサクリスティーの原作では一人一人丁寧に掘り下げており、上品な語り部で進められる長編だが、本作を映画の尺に収める手腕、そしてこの完成度には感動しました!
待ちに待ったポワロシリーズに歓喜!!
ミステリーの古典中の古典をケネス・ブラナーが再び映画化!!
ディズニーさんに試写に招待されて、いち早く観てきたが、かなり公開延期が繰り返されていただけに、やっとという思いだ。
ゴールデングローブ賞にもノミネートされ、アカデミー賞の有力候補でもある『ベルファスト』や『マイティ・ソー』などの監督としても活躍するケネス・ブラナーが2017年の『オリエント急行殺人事件』に続き、アガサ・クリスティ原作作品を映画化し、自身もポワロ役を再び務めた。
今作では、ポワロのトレードマークである口ひげの意味が、過去のフラッシュバックを交えながら描かれる。今作のテーマは「愛」ということもあって、ポワロ自身が愛した女性の過去を描いている。ブツ切りのようにフラッシュバックされたり、セリフの中で語られるだけに留まっていることから、まだシリーズを続けるための伏線のような感じもする。
サロメ(ソフィー・オコネドー)が作家から歌手に変換されているといった、細かいキャラクター設定の変更や『オリエント急行殺人事件』にも登場したブーク(トム・ベイトマン)が再登場するなど、映画ならではの新要素もあるが、本筋はそのまま描かれているため、原作や1978年のジョン・ギラーミン版、『名探偵ポワロ』などで、あらすじや結末を知っている人にとっては、謎解きの部分での新たな驚きやミステリー要素というのは、薄れてしまう。
その代わりに俳優たちの演技や演出、ポワロの過去、エジプトの建造物シーンなどを盛り込むなどして、視覚的に楽しめるように工夫されている。
全く原作も映像化作品も観たことがない場合は、変に予習しないで、できるだけ初見で観た方が楽しめるだろう。
原作は古典中の古典。ストレートに描かれていることもあって、何か難解なトリックが隠されているのではないかとか、怪しい人物は逆に犯人ではない、逆にこの人は殺されない……とか、様々な変化球のミステリーやサスペンスとうものを、散々観てきてしまっている現代人だからこそ、あえて見過ごしてしまう、シンプルな着目点というものをメタ的に扱った作品であり、観客体感型ともいえるだろう。
事件が起こるまでに、映画の半分が消費されるだけに、何気ない会話のシーンは、かなり眠気を誘われるが、そのシーンを耐え抜くと、後半は事件が畳み掛けるように巻き起こっていく。
『モンスター』『ワンダーウーマン 1984』の監督パティ・ジェンキンスが、ガル・ガドット主演で『クレオパトラ』の再映画化を企画していることを知っていてのネタなのかは不明だが、ガルが劇中でクレオパトラのコスプレをするシーンがある。
もともとジャレッド・レトに似ていると言われていた、ラッセル・ブランドが今回は別人のように変身していることもあって、『ハウス・オブ・グッチ』などで変幻自在なカメレオン俳優としての印象を強くしていることから、逆にジャレッド感が増してしまっており、ジャレッドの変装と間違えてしまうかもしれない。そこも視覚的に狙ったのか??
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