「♪ミステリー ナーアーイル♪」ナイル殺人事件 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
♪ミステリー ナーアーイル♪
2017年の『オリエント急行殺人事件』に続き、2020年には上映が予定していた本作が、コロナの影響で、2年も延期され、待ちに待ってようやく公開。名探偵エルキュール・ポワロが難事件を解決する、アガサ・クリスティーの名作『ナイルに死す』が原作というのはご存知の通り。
本作では、モノトーンで映し出される第一次世界大戦の戦況の中から物語は始まる。そこで、ポワロのトレードマークとも言える、立派な口髭の由来が明らかにされる。髭に隠された秘密とポワロの悲恋の結末は、自分も知らなかった新たな発見。そして、舞台はエジプトへ。豪華客船によるナイル川でのクルージングへと移っていく。
大富豪のリネットと結婚にこぎつけた貧乏なサイモンだったが、そのハネムーンのクルージング船に現れたのが、サイモンの元婚約者のジャクリーン。不敵な笑みを浮かべて、この結婚とサイモンとリネットへの復讐を誓う。しかし、その船には、リネットに関りがあって、彼女を恨む者達が他にも何人も乗り込んでいた。そして、最初に殺人事件が起きたのをきっかけに、次々と忌まわしい事件が繰り広げられていく。
観る者をミスリードするように展開され、前作同様に一番のキーポイントは拳銃であるが、その他にも、スカーフ、マニュキュア、絵具、等のアイテムが布石となって、前半から散りばめられており、見逃しがないようにして欲しい。
『オリエント急行殺人事件』から引き続き、ポワロを演じたケネス・ブラナーは、主演だけでなく、脚本・監督を務め、自分が若き頃に観た『ナイル殺人事件』やアガサ・クリスティーへの畏敬の念をもったオマージュ作品として製作したと聞いている。
横柄で、傲慢な探偵というポワロのメージは相変わらず。しかし、この事件は見方を変えれば、彼の傲慢な尋問によって、逆に犯人を追い詰めた結果の連続殺人とも言えなくもないような気がする…。
大富豪役のガル・ギャドットは、スクリーンにその美貌と肢体が映し出されるだけで、優雅さと存在感のあるオーラを感じたが、逆に、原作で描かれている大富豪特有の傲慢で高飛車な態度は、影を潜め、気品ある女性に描かれてしまっていた。
1978年版を自分もリアルタイムで観ているだけに、結末と犯人も知っていたが、原作に忠実なところと新たに脚色したところが見えて、それなりに飽きずに鑑賞できた。1978版では、サロメは作家で白人だったのが歌手で黒人で、人種を超えた恋愛劇も描き、また、LGBTの要素も取り入れ、現代的な世相も交えて製作されているところは流石である。
こんにちは😃イイねありがとうございました😭。そもそも当時「看護師」という言葉すらなく当時「看護婦」でしたし、白人男性ブークに対し黒人女性が恋人。使用人メイドが白人。後継人はLBGTの「L」。なんか配慮しまくりで「道徳・倫理」感じた分、違和感感じました。良いことだと思います。ただ娯楽作としては戦前の時代に即しても何ら問題ないかとも思いました。「シラノ」の恋のライバルもそうですが・・昔のNHK教育テレビ臭でした。長文すみません。🙇♂️失礼します。