「美しい自然の中で輝く14歳の少女。清々しい気持ちになれる映画。」もち ぽろんさんの映画レビュー(感想・評価)
美しい自然の中で輝く14歳の少女。清々しい気持ちになれる映画。
気がつくと、映画の中に自分がいるような気がした。
まるで空気になってしまったような感覚。
カメラワークがとても自然で
フィクションとノンフィクションの間が
曖昧になり、見事に引きずり込まれた。
白い世界。餅、雪、おじいちゃんの白髪。
おじいちゃんとユナが餅つきをしている
シーンが美しい。
夏の緑、秋の紅葉、
季節の移ろいの中でストーリーは進んでいき、
私は自分の10代の頃とユナを重ね合わせていた。
「忘れたくない
思い出せない」
どんなことだっけ?
閉校してしまう母校
親友の引っ越し
初恋の歯痒さ
担任の先生の涙、
ユナが直面する現実に
共感したり、やるせない気持ちを
行ったり来たりした。
キャストは全て演技経験がない土地の人。
ときおり、台詞を話しているのかな、という場面もあったが
ほとんどが、無理なく自然なので驚いた。
これも映画に引きずり込まれた理由のひとつだと思う。
映画を観終わった後は、清々しい気持ちになった。
自分がユナと同じくらいの頃、
どんなことを感じていたのか思い出そうとしていた。
全国には、本寺地区みたいな
伝統などの存続危機を抱えているところは
結構多いと思う。
本寺地区は、幸運にも小松監督と出会い
映画にして残すことができた。
この映画が支えとなって
文化や伝統が継承されていくことを願います。
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