「悪くはないが少し物足りない、もしくは少し多すぎる」ラーヤと龍の王国 コムラさんの映画レビュー(感想・評価)
悪くはないが少し物足りない、もしくは少し多すぎる
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映像◎キャラ◎テーマの響き△
世界を救う為に主人公ラーヤが5つの国を冒険していく本作。
流石はディズニー、5つの国がよく作り込まれているのでロードムービーとして楽しい。
行き先々で仲間になるキャラクター達も良い味を出している。
家族を失った者同士が寄り添い合い、疑似家族のようになる様はなんだかほっこりする。
信じるというテーマも一貫しており、ストーリーにそこまで大きい粗もない。
子供向けアニメとしては十分な出来だとは思うが少し物足りない。
というのも本作の信じるというテーマ。
ラーヤとナマーリの二人の友情の物語として見れば一貫しているのだが、それで5つの国がまとまり龍まで戻ってくるのはご都合主義に感じる。
長の娘同士が和解できたハートとファングの和解はともかく、他の三国はナマーリの母が言っていたようにファングを許さないのではないだろうか。
その為に他の国の長を死なせていたのかもしれないが、ブーン達がそうだったように民衆もファングを恨んでいたし、タロンで盗みや騙しがあったように「わるいおさがいなくなれば人はしんじあえる」というわけでもない。
全てが円満に終わるより、これから良くなる希望が見えるくらいの終わり方のほうが作中で積み上げたものに沿っている気がする。
あともう一点、全体的に言葉で説明し過ぎな気がする。
せっかく映像のクオリティは高いのだから、観客への訴えには言葉だけではなく、もっと映像の力を頼ってもいいのではないかと思った。
この辺は子供向けだから仕方がないのかもしれないが、他のクオリティが高いだけに大変惜しく感じる。
と言っても全体的には楽しめたので、劇場で見ても損はしないレベルの作品だと思う。
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