「私たちの冒険譚」ラーヤと龍の王国 ONAKAMAさんの映画レビュー(感想・評価)
私たちの冒険譚
ディズニー配給作品(ピクサーを除く)を劇場で観るのは初めてでした。DVDでならベイマックスなどを観たことがありました。なんとなく敬遠していました。
そんな心意気の中見た本作、面白すぎました。まずアニメーションのクオリティがとんでもないものでした。前々から映像は綺麗だなと思っていましたが、今作の色彩の使い方といいキャラクターの動きといいさすが3Dアニメーションの本場だと思いました。この映像美だけでも腹7分目です。
物語もワクワクする王道の冒険物で、人々の争いによってバラバラに割れてしまった龍の石を集めにいくというドラゴンボールに通ずる何かを感じるものでした。ひとつのものを集めに行くという過程が好きなので、今作も自分にドンピシャにハマりました。
最初に出会う龍のシスーがとても愛らしいキャラクターで、とてもお茶目で分からないことだらけの世界に復活したばかりで、赤ちゃんみたいなスーシが動き回るシーンがもう最高です。
途中途中訪れる場所で仲間を増やしていくのも良かったです。最初の船乗り場で出会うブーンは案内役のようなポジションで出てきますが、ブーンを物語の最後まで連れて行くのが従来の王道作品と違い良いなと思いました。幼きコック兼船長でお調子者でありかつしっかりものという確立したポジションも見ていて楽しかったです。
次に出会うノイと三猿も可愛らしいのに、だいぶワルの面を見せてくれるのでギャップがとても良かったです。物語上でも置物にならず、小ささと抜群の機動力を武器に戦場を駆けていくのも最高です。
トングは仲間になる過程まではかなり短かったですが、それでも彼の人の良さは常に醸し出していて、ノイが懐いているのも頷けます。このパーティの中ではお父さんみたいなポジションで頼りがいのある人物でした。
今作には明確な敵がおらず、ディズニー作品でたまに議論に交わされる勧善懲悪な場面がなくて良かったです。強いて言えばナマーリが終盤まではラーヤの対立ポジションでしたが、互いを信頼し分かり合うことによって向かうフィナーレが分かっていてもうるっときてしまいました。最初に登場した人物や道中で出会った仲間やその家族がひとつの国になって全員再会する流れがもう素晴らしく、色彩満載で物語が締めくくられました。
ディズニーすげぇと思わされました。こんな純粋で眩しい作品を作れるとは…変な偏見を持ってしまい申し訳ありませんでした。(MCUや20世紀FOXの件にて)
とても良い作品でした。ぜひ劇場へ。
鑑賞日 3/7
鑑賞時間 13:50〜16:00
座席 D-15
※同時上映あり