「感じることが、生きること」ソウルフル・ワールド hhelibeさんの映画レビュー(感想・評価)
感じることが、生きること
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本当に素晴らしかった。人生ベスト級と言ってもいいかもしれない。
数年前に配信された時、PCの小さい画面で観たくなくて、いつか映画館で上映されるまで待つぞ…と我慢した甲斐があった。
22番が生まれていく時にアフリカ大陸あたりが映ってて「あぁ彼女は生まれた瞬間から難民になったり戦果の中って可能性もあるんだなぁ…」と思ったし、死に向かうエスカレーターに猫がいて「あれ?これは人間の命だけの話じゃないんだ?ということはあのソウルたちのほとんどは微生物とか虫になるのでは?」って思ったりもしたけど(世界=ニューヨーク、それ以外はナッシング!みたいな感じは正直ちょっと鼻につくなー)。
ともあれ、
『あん』の作者のドリアン助川が「人生は何を成すかとかじゃなく、何を感じるかなんだ」みたいなことを言ってたけど、この映画は生まれる前から死んだあとまでのすべてで、そういう考えを描いてたと思う。
何ができるか、何を成したか、どんな才能があるのか…そんなことより今、何を感じているのか、その積み重ねこそが生きるってことなんだと。
きれいとか、美味しいとか、切ないとか、モヤモヤするとか、嬉しいとか、そういう気持ちは次の何かへのヒントなんかじゃなくて、それ自体が生きる意味なんだと。
資本主義にまみれたゴミだらけの街でも、よく見るとあちこちに美しさは溢れているんだと。
そういう考えって大切だなーと思っても、日常の中ですぐにどっかに行ってしまうので、こうやって素晴らしい作品としてしっかり思い出させてもらえたのは本当にありがたかった。
22番、どんな人間になってるのかな?(人間かな)会ってみたいな。
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