「生きる意味の意味の意味」ソウルフル・ワールド 猿田猿太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
生きる意味の意味の意味
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CGアニメ作品にして、実は大人でも(私だけ?)難しい深いテーマでした。大して説明も読まず、字間の都合だけで映画館に飛び込んだら、その話の展開に驚いた。のっけからディズニー定番の「星に願いを」の素人演奏で始まるあたり、ああ、音楽がテーマだと思い込んでしまったから。
正直、自分じゃ初見では理解できたと言いがたいのですが、あの映画に似ていると思った。自分の大好きな映画、「ベルリン天使の歌」。
生まれ変わろうとする耳年増なソウル(魂)を通して生きる意味は何かと考えさせられる。私たちの視点はそのソウル(魂)ではなく、すでに人生を実体験した音楽先生なんだけど、その先生もまた既成概念を取り払って、様々なことを感じる喜びを知り得た、ということなのでしょうか。終盤、ソウル(魂)との和解を経て先生はまた、もとの人生に還るのだけど、やはりそのままステージに立ち続けるのか。個人的には、音楽教師としての道に、改めて意欲を燃やしても良いような気がする。
でも、あそこまでのピアニストなら、すでにそれなりの感性を持ち合わせてはいなかったのかな? どんなに成長しても、改めて気付きと閃きを繰り返すものなのでしょうか、人生というのは。
映像的にも凄かった。いつものCGアニメだと思ったら、物凄いクオリティー。町並み、人混みのリアリズムは、もう実写で撮った方が早いのにって思ってしまった。これじゃもう、トイストーリーはゲーム機レベルになっちゃった。
あの同時上映のミニシアター、「夢追いウサギ」が最高。なんという優しい世界。
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