「人生の意味や生き甲斐とは。そんな哲学的命題を一人の音楽教師の生き方を通して考えさせる作品です。悩むばかりで一度も生まれた経験の無い22番との絡ませ方が絶妙。」ソウルフル・ワールド もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
人生の意味や生き甲斐とは。そんな哲学的命題を一人の音楽教師の生き方を通して考えさせる作品です。悩むばかりで一度も生まれた経験の無い22番との絡ませ方が絶妙。
ピクサーのアニメーション作品で、人生の意味や
意義を問いかける作品らしい。ふむ。気になる…
気になったからには鑑賞しなければ。
というわけで鑑賞です。
※ピクサーの劇場未公開作品を3本公開中だったという
事実に、この作品(3本目)で気がつきました。
※更に、劇場公開は今年ですが2020年にディズニー
サイトで配信された作品みたいです。・_・未加入~
◇
物語の主人公の一人は、音楽教師のジョー。
ジャズミュージシャンになりたいと願いながら
生活のため音楽の非常勤講師をしています。
父親がジャズミュージシャンだったが、既に故人。
母親が服の仕立で生計を立て、息子を育ててきました。
息子には安定した生活を望んでいる様子が。
学校の正式教員に採用される、と伝えられたその日、
ジョーに昔の教え子から連絡が入ります。
” 僕のいるジャズチームで演奏して欲しい ”
それはジョーも憧れる、ニューヨークでも有名な
ジャズクラブへの出演のお誘いだった。 ♡∀♡
即 OKし、舞い上がりながら帰宅するジョー。
だがそこに、人生の落とし穴。(…文字通り ・_・;)
フタが開いたマンホールに落ちてしまうジョー。 あれ~
ふと気がつく。
ジョーはとても長い階段の上に立っていた。
自分以外にも人が乗っていて、自動的に先へと進んでいく。
このエスカレーター、行き着く先は「死後の世界」らしい。
” 冗談じゃない! ”
ジャズミュージシャンとして晴れの舞台が待っている。
夢が叶うそんな日を目前に、死ねるものか!
なんとかして生き返りたい。元の世界に戻りたい。
そう願ったジョーがたどりついたのは、「生まれる前の魂」
が「生まれるための準備」をする場所だった。
そこで22番と呼ばれるソウルと出会うジョー。
彼女(…たぶん女性)は、「生まれることは無意味」と
生まれる前から人生をこじらせているソウルだった。
ジョーは、地上に戻るための「通行証」を手にしようと
22番と一緒に行動するのだが…
◇
この作品で描かれるのは
一度きりの人生なら本当にやりたい事をやらなきゃ
そう思いながら、生きるために働いているジョー。
そして、生まれる前の段階で「生きる意味」が見いだせずに
数百年単位(千年?)で誕生を拒んできた22番。 ・_・;
その二つの魂が「生まれる前の世界」で出会い
「ジョーの世界」で人生の意味にそれぞれが気付く
それを描いたお話です。
#22番は、何故か入ってしまったジョーの体を通して。
#ジョーは、何故か入ってしまったネコの体を通して。
降り注ぐ木漏れ日の美しさを知り
ブロペラのように舞い降りる種に目を見張り
初めて食べるピザの美味しさに目を輝かせる22番。
正式な手順を踏まずにジョーの世界に来てしまった2人に
やがて、生まれる前の世界から追手が。 きゃー
連れ戻されてみると、22番の胸になんと「通行証」が。
22番にのソウルに、生まれる条件が整ったようだ。
それを知って焦ったジョーが思わず放ってしまった言葉…
" 全部、俺の体で体験したことじゃないか ”
” それはオレの体験だ。君のじゃない ”
” 君が感じた「きらめき」なんて、普通の生活の一部だ ”
その言葉に傷つき絶望し、生まれる事を拒絶する22番。
ジョーは自分の体に戻り、ジャズの演奏に向かう…
そして…。
◇
このお話、ジョーと22番の組み合わせが良い感じ。
最後は、離ればなれになってしまうのですが、正直
「この後が気になってしかたない」です。 ・_・ウー
特に22番のその後が気になって気になって…
その「後が気になる」のも含めて
観て良かった とは思います。
良作です。
◇あれこれ
■海に辿り着いた者
演奏会で、最高のピアノ演奏をしたジョー。
解散する段に、チームの代表に問いかけます。
「俺は明日からどうすればいいんだ?」
「明日もここに来て演奏するのさ」
” 何か、思っていたのと違う”
そう口からこぼれたジョーにリーダーが語る。
” 海を目指していた若者がいた ”
” ようやく辿り着いた若者が尋ねる。海はどこだ? と ”
” 君はもう海の中さ ご覧よ君の周りを ”
” これが海? これは水だろう? ”
海が水だと知り、その若者はどうするのでしょう。
沖に出てみるのか、他の海を目指すのか。
すごく含蓄の有るたとえ話のような気がしました。
■プロペラみたいに回り落ちる種
くるくると周りながら、ゆっくりと落ちてくる種。
学校の校庭や公園で、昔見た記憶があるような気が。
調べてみたらカエデやモミジの種。のようです。
「PERFECT DAYS」でも「ささやかな変化・幸福」を
感じさせる場面として描かれた「木漏れ日」の場面が
浮かんで来ました。
■元カノ?
に関するエピソードがもう少し描かれるのかと期待した
のですが、結局ジョーの記憶に残っていただけのようでした。
残念。
22番が入り込んだのが元カノの体だったりしたら面白いかなぁ
なんてことを無責任に想像してました。 ・∇・
■素朴な疑問
ソウルの世界から落ちてきたジョーと22番。
22番はジョーの体に入ってしまう。
そして、ジョーはネコの体に。
ジョーの体はソウルがいない空き家状態だったから
22番が入ってしまえたということでしょうけど
ネコにもソウルがある(と思っているのですが)のなら、
ジョーがネコの体に入ってしまった事で、ネコのソウルは
一体どこにいってしまったのでしょう?
なんか気になってます。?_?
◇最後に(ジョーと22番に捧ぐ)
演奏会の後、一人家に戻ったジョー。
自宅のピアノの上にあったのは、22番が楽しそうに手元に
取っていたたくさんの 「普通の生活で手にしたもの」。
” 普通の生活で手にしたものだったかもしれないけど ”
” 22番にとってはきらめく宝物だったハズだ ”
それを見ながら、今日の演奏と22番を想いピアノを弾くと
いつしかゾーンに入り、ソウルの世界へと翔んでいくジョー。
いつの日か。ソウルの世界で。
ジョーと22番のソウルがめぐり合う事があるのかも。
そんな事をあれこれと想像しています。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
あさいさん、コメントありがとうございます。
(※レビュー書かれていらっしゃらないようでしたので
自分のレビューに返信つけてしまいます・_・; )
>ネコはあの世行きの動く歩道に乗って
え そんな場面があったのですか。
気が付きませんでした…。なんか哀しい。(涙)
…あ、でも最終的に
ジョーは自分の体に戻って
22番も新たに生まれていった訳ですから
あのネコも元の体に戻れましたよね。
そうだと信じます。・-・
(情報ありがとうございました)
共感ありがとうございます
いつもながらの素敵なレビューに動かされ
ディズニープラスで鑑賞した私は劇場でもう一度2人の感動の再会に刺されてみたくなりました
なんでこれから観て来ます😁
感謝です⭐️