不実な女と官能詩人のレビュー・感想・評価
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世紀末のパリの退廃的な雰囲気でも味わうかと思って視聴。安っぽい電子...
世紀末のパリの退廃的な雰囲気でも味わうかと思って視聴。安っぽい電子音楽みたいのが流れるのがイマイチで、ドビュッシーの音楽とかもっと使えばいいのに、と思ったが、それは無い物ねだりか。ヒロインもイマイチ好みではなかった。しかし何だかんだ言っても、しっとりした落ち着いた映像と微妙な倒錯心理を交えた独特の雰囲気の映画になっている。
フランス語
仏語がすべて素敵な呪文として綺麗に映してくれる。 写真や映像って深く記憶に残るよね。 いやいや、参りました。 見る度に違う感想、違う発見がありそう。 絵画みたいに見る角度、光の当たり方、まわりの音、匂い、自分の感情で見える色は違うよね。 映画っていいね💕
まともな恋愛映画
女って怖いなーって、そういう感想。
主人公が大柄で繊細な感じがしないのですが、美人なので許しましょう。詩人がもっとろくでなしならよかったのに。友人がどうなったかも編集が下手で今一つよく分からないけど三姉妹がみな可愛いので許します。
邦題に変更する理由
昔に比べて原題をそのままタイトルにする作品が増えているが、やはりまだまだ英語圏以外の国だと直ぐに思い浮かばない意味の単語も多い。本作の“curiosa”の意味なんて、ググると『奇妙か異常な主題(特にエロ本)についての本』なんて出るから、これじゃ作品も台無しになる。フランス映画なのにこの題名はスペイン語らしいので、そういう複雑な意味合いもあって、多分単純に日本語訳には出来ない意味深な語彙なのだと思われる。
奇譚というカテゴリに入るのだろうが、実際の人物は存在していたようで、稀代のプレイポーイだった詩人と親友の妻との放蕩な関係が文学性へ昇華していく史実なのだろう。崇高なテーマもあれば下世話なテーマもある。“愛”の定義や解釈は人それぞれあるだろうが、それを日本のように情念たっぷりではなく、ドライに見つめ直すという冷静さも又フランスらしいかもしれない。しかもウィットに富んでいるのは、決して女が都合良く慰み者になるのではなく、お家の事情を鑑みてのファム・ファタール振りを発揮させる後半はスペクタクルさえ感じる。ストーリー展開が巧みに構築されていて、そもそも惹かれ合っていた詩人と次女、しかし親友に取られた詩人と次に邂逅するのはエキゾチックなアルジェ女を伴っての展開。撮影を通じて互いの情愛を交わす扇情的なシーンから、嫉妬が渦巻くサスペンスフルな状況へとスピード感をしっかりもって進行していく。目まぐるしい展開なのだがストレスを感じさせない優しさも兼ね備えている運びに緻密さも兼ね備えている。詩人の男のしてのプライド、それを学び、模倣しながら徐々に手中に収める女。家族を利用しながらも、しかし家族を没落させない機転の巧さ。そして自分も作家の仲間入りを果たす手腕。愛する男を唯眺めているのではなく、したたかに観察しながらエッセンスを体得している、これは正に格闘家の師弟関係そのものと類似し過ぎる関係性だ。勿論、史実を元に制作側の膨らませ方なのだろうが、転んでも只では起きない強かさに胸がすく思いと、同時にゾッとする女の怖さを垣間見る絶妙のラストの女優の顔である。劇伴もクラシカルではなく、EDMやポップスを織込んだりして19世紀の時代なのにフレッシュさが全く損なわれていない視覚演出が施されている。なによりも俳優達の衣装のデザイン性の秀逸さは、そのファッショナブルな装いに目を奪われるばかりである。大変秀逸なドラマであり、何故、今作品の上映館数が極小なのか不思議な程である。多分、日本ではあまり馴染みのないジャンルである“詩”という文学が壁となって取っつきにくさを滲ませているのかも知れない。なにせ、文学性というフィルターがないと、今作品は単なる原題のまま、矮小化された印象付けをされてしまうからであろう。しかし、しっかりと練られた物語として、充分愉しめる作品である事には変りはない。エロティシズムというヴェールを纏った、女の見事な成り上がりストーリーとしての秀逸さを感じた作品である。
恋愛と詩作と
ピエール・ルイスという詩人を私は知らなかったのですが、そういえば「ビリティスの歌」は映画にもなって有名ですね。 Niels Schneider 演じるピエールが写真に凝って。ちょうどコダックのカメラが登場した19世紀末の時代です。やや暗めの画面が美しい。 女性の衣装や髪型も素敵でした。 詩の引用もあり文学的な作品でもあります。 (ヒロインのMarie de Régnier も詩人で小説家。) 邦題のイメージほど官能的ではなかったです。 (当てが外れて?)寝てしまった男性客も。 けっして扇情的な映画ではありません。 エロスがテーマなのではなくて、この時代のひとりの女性の生きかたを描いた作品だと思いました。
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