「この結末は、神のみぞ知る…。深い闇の衝撃的な真実!」テッド・バンディ ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)
この結末は、神のみぞ知る…。深い闇の衝撃的な真実!
これはなかなか、闇の深い映画を探り当ててしまった…。
この映画に隠された衝撃の真実に、脳天打ち付けられたかのような気分…。
今回は、監督が来日してのトークイベントということで、いろいろ裏話も聞けました。
この映画のターゲットは、猟奇殺人者のテッドを知らない20代の若者たちとの事。
甘い言葉で人を誘い、鋭利な刃物で斬殺し、死体を玩ぶという異常者の存在に、警笛を鳴らす為に作ったとのこと。
監督は、ドキュメンタリー映画が専門のジョーバーリンジャー氏。
今回なぜ、フィクションを手掛けたかというと、元々この事件題材にしたドキュメンタリー映画を作ったからとのこと。
その作品がとても素晴らしかったので、これを一つのフィクションとして、映画化できないかという話が持ち上がり、僅か4週間後には映画化する話で決定したというからビックリ!
それだけ、この事件は人々の心に深く突き刺さる何かを秘めているってことなのかもしれない。
また、この映画の面白い所は、主人公がテッドバンディではなく、彼の恋人のエリザベスの視点で描かれている所。
監督曰く、彼女のGoが無かったら、実話を映画化することはしなかったとのこと。
彼女の気持ちを第一にして作品を作ろうとした、監督の人としての在り方が素晴らしい。
そして、エリザベス自身が、彼女を演じるリリィさんと馬があったようで、2人の意気投合もあって作品のスタートが切れたとのこと。
そういった様々な経緯が、あって完成した作品だからこそ、監督自身がこの作品にかける想いがとても強く伝わってきました!
一見すると、優しそうで爽やかで、誰にでも愛想の良い好青年。
エリザベスと仲良く家族写真に写るテッドの姿を想像すると、彼が犯人だって微塵も感じない…。
実はこの人、無実なんじゃないかと、話が進めば進むほど疑問が湧いてくるから不思議。
最後の最後まで、彼を信じ続ける女性たちの悲しい顔が今でも、頭にこびりついて離れない。
そして、彼の親の悲しい表情も…。
こういうサイコパスな人って一体どうして、生まれてしまうのでしょう。
普通に息を吸うように嘘をつき、簡単に人を裏切り騙す、その精神状態の異常さが怖い。
こういう人に注意してと言われたけれど、どうやって注意すれば良いのかもわからないくらい自然な人柄。
私自身も、エリザベスのように簡単に騙されてしまう自信があります。
だから余計に、彼がなぜエリザベスを殺さずに、最後まで信じ続けたのか分かりませんでした。
彼の本当の姿は異常者?
それとも正常者?
その答えは、本人だけが知っているのでしょうか?
残虐なシーンがないだけに、深層心理を深く追求した今回の実話は、私の心に深く突き刺さる、非常に心に残る作品となりました。
興味深い作品をありがとうございました(´∀`)