「アクションシーンは満点」劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 歯車農場さんの映画レビュー(感想・評価)
アクションシーンは満点
細かく見れば、作画星5、声優星5、内容星2みたいな感じ。
良い部分も多いので全体的には星3評価です。
アニメの続きなので先にそっちをおさえておかなければいけません。
映画の構成は大きく分けて2部構成。主人公炭治郎と下級鬼である下弦との戦いが主になる「2軍戦」と、主人公の上司煉獄と上級鬼である上弦との戦いが主になる「1軍戦」。
内容としては、高校球児がチームワークと個性を活かして地方大会を制し歓喜に沸くも、憧れの先輩がプロの試合で通用しないことを目の当たりにし、自分達の目指している世界の壁の高さを知る...といったようなモノ。
それぞれの登場人物に見せ場が用意されているし、アクロバティックな剣劇はとても見応えがあります。
炭次郎編は複雑なギミックをクリアしながら遠くにいる敵にどんどん近づいていく戦いで、煉獄編は逆に急接近してくる敵に押されて間合いを詰められながらの鍔迫り合いの戦いになる。色々戦いのバリエーションがあってアクションアニメとしては良いです。
でも列車という、アクション映画として最高の舞台を全く活かせていないのはとてもマイナスです。
お話としては目の前の鬼とドンパチするだけで、たくさん台詞がある割には内容がないように思います。いわゆる「思ってることやちょっとした気持ちを全部言っちゃう系」。
ギャグは話が止まるのでいらなかったと思います。多分観客も煉獄さんの決め台詞しか頭に残らなかったのではないでしょうか。
1番気になるのは列車の乗客の扱いの雑さです。「200人の乗客を守った」という肩書きが大切なのに、乗客側が全くフォーカスされないのはちょっと...。
特に終盤、列車が派手に飛び跳ねながら横転するシーンで死者0は無理だろうと冷静なツッコミを入れずにはいられません。本当に肩書きを盛るためだけの存在にされていて可哀想です。
せめて炭次郎が最後敵に対して叫ぶような台詞は乗客達に言わせた方が良かったのではないかと思います。