「コロナ禍で頑張って観に行った結果」劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 tomo sanoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0コロナ禍で頑張って観に行った結果

2020年11月27日
iPhoneアプリから投稿

アニメ全部観て大好きだったので、

日本の歴代興行収入の記録も塗り替えようとしているので、

善逸が好きなので、

伊之助が好きなので、

柱たちの活躍が観たかったので、

アニメの終わりからの続きが観たかったので、

などなどと、

いろいろ『ので』の期待が高すぎたのか、

そしてあんまりにも人気あり過ぎて、便乗商法され過ぎてて、歴代興行収入越えそうでもあって、正直に言いづらい空気感だけど、

言っておく。(少しだけネタバレあり)

正直全体的に不完全燃焼で、合理的に観ても面白味や丁寧な事情や理由の背景エピソード、各キャラクターの名場面、名ゼリフ、カッコいいシーン、鬼の悲しい過去のエピソードなどなどに欠けていて、アニメシリーズよりも感情移入しづらく、物足りない要素が多かった。

伊之助や煉獄さんや禰󠄀豆子ちゃんとかの活躍は凄くて楽しかったけど、それでも物足りないところもあった。

TVアニメシリーズ観てたので、なんとなく面白かったけど、正直TVアニメで観てたらもっと感動出来たと思う。

TVアニメ観てない人はたぶん置いてきぼりになるよくわからないシーンも多かったので、よくわからずになんだか良さげな盛り上がりの映画でまわりのひとたちの空気におされて、
『うっうんよかったね』ってなりそうな映画。

たぶんコミック全部読んでるひとは、もろもろ甘めに観れてて感情移入しやすく面白かったと素直に言えるのかもしれない。

TVアニメシリーズ観てて、続きを観たかった自分にとっては少々ものたりなかった。

まず、ひとつめ

善逸好きな自分にとって、善逸今回活躍しなさ過ぎ。。

ほぼ寝てたやん。。

善逸が覚醒するまでのシーンもう少し追加エピソード入れてでも丁寧に描いて欲しかった。

ふたつめ

炭治郎が後半活躍しなさ過ぎ

炭治郎弱過ぎ

ろっ骨折れててボロボロの身体でもワンシーズンの鬼退治するほどなのにアイスピックでお腹刺されただけで映画なのに弱り過ぎ。

炭治郎泣き過ぎ

煉獄さんと初対面なのに、

煉獄さんと深い交友をまだ深めてるわけでもないのに、

煉獄さんのことまだなにも知らないのに、

泣き過ぎるので、

煉獄さんのことまだ何も知らず、煉獄さんに感情移入出来てないひとは、今回の炭治郎にも感情移入しづらくて泣きづらい。。

3っつめ

たぶんコミック全部読んでるひとは全部知ってて心づもりがありこの衝撃は少なかったと思うんだけど、

柱、出なさ過ぎ。。

煉獄さん以外の柱はちょびっとしかでないので、冨岡義勇さんとか胡蝶しのぶさんとか善逸の爺ちゃんとか甘露寺さんとかカナヲさんとかのファン方はぜんぜん出て来ないので期待しない方が良い。
ましてや他の柱もたくさん出て来て、アニメシリーズ最後に出て来た南無阿弥陀の柱はどんな技出すの?とか音柱や恋柱の技ってどんなんやろ?みたいな期待はしない方がよい。
ちょびっとしか出ないから。。

4っつめ

煉獄さんに感情移入しづらい

TVアニメシリーズとかコミックシリーズの流れでゆっくり観てたらだんだん煉獄さんに感情移入も出来たかもしれないけれど、映画のたった2時間で、煉獄さんのエピソード詰め込んで、煉獄さんの人生に感情移入させようとするには少々無理があって、炭治郎のエピソードを少しカットしてでも煉獄さんのエピソードをもう少し丁寧に描いて欲しかった。

たぶん煉獄さんがなぜあんなに豪傑のガァーっと明るく情熱的になったのか?

その性格的なエピソードが少なかったので感情移入しづらかったんだと思う。

そのあたりが欠けてて物足りなかった。

5つめ

鬼たちの過去エピソードなさ過ぎ

鬼滅の刃のTVアニメシリーズでは、

鬼の死に際に、その鬼が改心して過去を思い出して炭治郎が同情して共感し、慈悲深く情けをかける号泣シーンが多かったんだけど、

それがない。。

鬼が強くなると改心なんてせずに死んでくシーンが多くなるのか、なんだかそのあたりがこれから期待出来なさそう。。

このあたりのガッカリ感がハンパなく物足りない。

だから泣けない。

6つめ

声優さんたち推し過ぎ

声優さんたちがあまりにも前に出過ぎててカラ騒ぎし過ぎ。

ちょっと注目され過ぎで、アニメの声優好きな人たちには良いけれど、純粋にアニメを楽しみたい人にとっては、声優が誰かってことは、

はっきり言ってどうでも良いこと。

アニメのキャラクターに生命や魂を吹き込んだのなら、アニメのキャラクターは自分とは別人なのだから、自分はひっそり影を潜めて裏方にまわってそのアニメのキャラクターの成長を見守る。

といったことが出来ないのだろうか?

アニメのキャラクターとしての声が好きなひとにとっては、その声優を知ることで、現実に引き戻されてガッカリすることも多い。

声優さんたち、ちょっと前に出過ぎ。

7つめ

パンフレットが声優さん前に出過ぎててドン引いた

パンフレット買ったけど、声優さんたちモデル風に出てて、なんだかもうまず読む気にもなりにくく、なんじゃこのパンフ?!

って感じ。

アニメの詳しい設定とかいろんな柱との相関図的なものとか、制作現場の未公開カットいろいろみたいなあれこれを期待して買ったけど、監督とかとの対談とか各声優さんたちの熱い思いやそれぞれの声優さんたちが個々に想い想いに話すエピソード的なインタビューがあるのと、絵コンテ的なものがあるぐらいで、パンフレットもなんだか正直ガッカリ。。

他にもいろいろあるんだけれど以上の7つは、期待せずに観た方が良い。

コロナ禍でわざわざ感染対策でマスク2枚重ね、ソーシャルディスタンス空けれるガラガラの時間帯を狙って観に行ったけど、正直以上の理由でもの足りないところが多く、まぁまぁ面白かったけど、正直ちょっと微妙だった。

この映画が歴代1位になるのは、君の名はを超えるには良いけど、千と千尋を越えるには、

まだちょっと不本意な気がする。

越えるなら映画の次回作や最終作とかで、以上の点を昇華して、文句なしに越えて欲しい。

映画よりもTVアニメで観たかったような内容。

tomo sano