「つまらなくはない感じ〜」劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 さしみさんの映画レビュー(感想・評価)
つまらなくはない感じ〜
話題だから観に行った。つまらなくはないんだけど、5回10回観に行く作品か?とも思う。1回で十分かな。原作既習で展開は知ってたから、アニメみたいにどうキャラが動くのかメインで観てた。
まずは列車の方。流石ufortable、作画はトップクラス。下弦の首切るとこの炭治郎と伊之助のシーンはかっこよかった。また、煉獄さんが5両まとめて守ってたっていうのも原作じゃイマイチ凄さが伝わらなかったけど、映画でどれだけ凄いか分かった。
次に上限の方。負けるって分かってたけど手に汗握ったね。負けた後、煉獄さんが落ち着いた声で炭治郎に思いを伝えるシーンも声優さんの生きた声で聞けてよかった。
一方、列車のCGの触手がどうしても違和感があった。予算の問題なのか、手間の問題なのかそれとも両方なのかわからないけど、手書きの絵とCGの絵が混じると作品の中で統一感がないような気がしちゃう。
また、原作に忠実すぎじゃない?って思った。勿論全然悪いことじゃないし、むしろ推奨されるべきことなんだとも思う。けど、例えば、コナンの映画だと、赤井秀一=おきやすばるっていうのが初めて映画でわかって衝撃的だったし、少し前にufortableが手掛けたfateの時はアーチャーのローアイアスのシーンが映画オリジナルだけど、中々いい改変で映画の見所の一つになって、迫力、絶望感もよりリアルになった。今回鬼滅の刃がufortableで同じ制作会社だからそれをすこし期待してた。特に上弦vs煉獄さんのシーン。二人が戦ってる時に炭治郎とか伊之助の静止画のカットが入るたびにスピード感が損なわれてる気がした。態々映画でやるくらいなら映画ならではの要素を入れてもいいんじゃないかなぁと思う。(主題歌とか顕著な例。凄くいいし、映画観に行ってよかった思える要素の一つ。)
最後に、映画でやる必要があったのか。確かに作画はいいし、主題歌も素晴らしい。しかし、内容はあくまで原作に忠実で映画らしい改変もなかった。また、作画も1期の鬼滅やufortableの他作品をみても週1放送レベルののクオリティではないか。最近上映されたufortable手掛ける fateと比べると“明らかに”作画も音楽も劣っている。加えて、2期を無限列車編と位置付けてOP、もしくはEDを『炎』にすれば、主題歌が聞けないという批判も通用しない。
このように考えると必ずしも映画でやるという必要性は薄いと言える。