ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密のレビュー・感想・評価
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親切設計で作られたミステリー
大きな屋敷で死んだ富豪と、怪しすぎる容疑者たちと、名探偵。
典型的なミステリーの安心のフォーマットは観ている人を裏切らない。
また、序盤で警察の聴取を持ってきて登場人物の説明をしていくのは大勢の容疑者を分かりやすく説明していく監督の親切設計があり、話に入りやすい。
安定した入りでありつつも突然の倒叙への変換は緊張感を持たせ、犯人へ感情移入させる。ここら辺の持っていきかたがウマい。
更に遺言書の公開によって、本来は動機がないはずの犯人を追い詰めていくまでは完璧。
例の大作で炎上した監督を見直した!
とはいえ、後半はアベンジャーズで著名なキャストが容疑者達の一人から明らかに目立ち始めると、さすがに絶対裏の真犯人だと分かりやすい展開になってしまったところでマイナス星0.5で。
ちなみにちょっとしたカーチェイスをやっちゃうと、どうしてもジェームスボンド的な感じになっちゃうんだよね。
(アガサ・クリスティの)ミステリーファンにはスッキリしない出来。その観点からネタバレしてますので未鑑賞の方は読まないでください。
スター・ウォーズ(というかスカイウォーカー・サガ)をメチャクチャにしてくれたライアン・ジョンソンが、皮肉にもアガサ・クリスティの大ファンだということでアガサへのオマージュで作った映画らしいが、ある意味似て非なるものになっている。①オマージュ又はパロディの部分は確かに散見される。しかしそれが映画の面白さに繋がっていない。②アガサの作品で起こるのは全て殺人であり、この映画のように自殺ものはない。先ず、そこがこの映画のスッキリしない要因で弱点である。③実はアガサの作品には(特に全盛期には)大富豪が謎の死を遂げる、一族が全て容疑者、アッとビックリな遺言書、という作品はそんなに多くない(代表作と言われるものの中にもない)。上の条件にぴったり合っているのは「ねじれた家」くらい。④マルタが嘘をつくと吐いてしまうという設定はユニークだが上手く活かされているとはいえない。⑤探偵がマルタをワトソン役にするのはアガサの某代表作のパロディだろうが、マルタの回想のシーンで真相の半分が既に解ってしまった後なので、映画的に探偵がマルタを疑って助手扱いするとは思えず、却ってマルタを容疑者から外してしまい、設定が生きて来ない。まだ、遺言書が読まれてからにした方が良かったように思う。⑥会話の切れ端や、登場人物のちょっとした一言に伏線や手掛かりが隠されているのはアガサが良く使う手ではあるが、自分のペースで読み込めたり前のページに戻ることが出来る小説と違って、ストーリーが目の前でどんどん流れていく映画には、その手法が決して合っているようには思えない。⑦ダニエル・クレイグの探偵はポワロ(外見があまりに違うが)他色んな名探偵のパロディだろうけれど、パロディの域を出ておらず、この探偵自信の個性が出ていない(観客が感情移入できない)。⑧家族の面々の人物造型が薄っぺらい(アガサの小説のキャラクターも紙人形、類型的とよく揶揄されるが、ここではもっと酷い)。⑨事件の様相は一見複雑だが、結局犯人は行き当たりばったりで犯行に及んだだけの事件なので(クリス・エヴァンスが演じることで更に頭悪く見える)、それを解くダニエル・クレイグの探偵もそれほど名探偵に見えない。⑩犯人が綿密に仕組んだ犯罪を探偵が明快に解き明かしてスッキリさせてくれるカタルシスがない。今の時代らしい?くだらない。⑪「欺しの天才」のアガサの良くできた作品を読んだときの『よくも騙したてくれたな、降参だ』という読後感に相当するものが感じ取れなかった。ということで余り高く評価できないけれども、アナ・デ・アルマスが可愛いのでその分点数を嵩あげしてあります。
遺産問題は大変だ。
どうしてもダニエルクレイグは007の印象が強いので、探偵…!?と驚いてしまった。超クールなイメージなのでイヤホンを耳に、救急車が近づいているのにもなかなか気付かないほど歌っているのはイメージを壊してくれてとても良かったです。
クリエヴァも、曲がったことが大嫌いな綺麗な顔した正義の人のイメージなので、口が悪いし、 一族の問題児→えっヒロイン救ってくれるヒーローじゃん→ 最 上 の ク ズ という急上昇急降下な好感度を味わえて面白かったです。最後のナイブズ・アウトなところとか。あそこは同じ回を観てた方々も結構笑ってたなぁ。
My house!!
My rule!!
My coffee!!
で最初と最後を飾るのとても好きです。
こんなにあと味の良い映画だったなんて
ただでさえ自分の誕生日パーティーで昂揚している。
しかも〝色々な〟……それこそナイフを突き刺し合うようなやり取りで興奮度の高い状態。
そんないつもより少しヤンチャで我儘な気分の高齢の患者さんをなだめすかして、キチンと投薬(注射)。
午前10時過ぎのクリーニング店での出来事。
目の前の急患の人を放っておけない。そのことで自分が窮地に陥るのが分かっているのに。
このクリーニング店での彼女の振る舞いについて、いくら看護師といえども、あの状況であの行動は取らないでしょ、普通は。ラストに向けての辻褄あわせではないのか。
と考える人がいてもおかしくないけれど、彼女の〝あの体質〟について序盤からインパクトを与えられている我々は、いつの間にか彼女ならそうすることもありだな、と自然に受け止めている。ギャグに見せかけておいて、実は鑑賞する人間の心理状態もうまく操っていて、まさに監督のトリックに引っかかっていたことに後で気がつく。
看護師という仕事における使命感と責任感。
嘘のつけない体質。
この2つの要素に担保(裏打ち)されたマルタの無垢な良心。その善良さをいささかも疑わないドーナツ(の比喩)が好きな名探偵。
推理を朗々と語る名(迷?)探偵。
自尊心を刺激されてついついゲロってしまう犯人。
この「刑事コロンボ」パターンも久々な感じでとても楽しめた。
私にとってはすべてが新鮮でとても心地の良い映画でした。
もう一度見たい
密室殺人ミステリーですが、ややコメディっぽいところもあります。
トリックはやや早い段階で明らかになりますが、よく見ると真犯人にいたる前振りが所々に有ったように思います。
気づかなかった所もありそうなので、もう一度見て確認してみたいですね。
最後のシーンはこうなるな~という前振りが有って、予想通りの結果になりましたが、それでも笑えました。
古典的な推理モノ+風刺を効かせた快作‼️
アガサクリスティに捧げた今作。
遺体となった豪邸の主人、事件を捜査する個性的な名探偵、一癖も二癖もある容疑者家族達。テンポ良く明らかになる事件の真相、そして予想を裏切るどんでん返し。
どこか観たことがあるような設定で古典的。それが良い👍
そして今作は更に、アメリカの移民問題も描いている。
マルタは南米移民でハーラン亡き後も家族同然と言ってもらい、支援してもらうことを約束された。しかし、遺産をマルタが相続するとなると態度が一変。なんとしても遺産を放棄するように迫る。
結局、家族同然なんかではなく、ハーランの家族はマルタに与える側であると言う優越感、下に見てることがわかる。そして、役に立てば受け入れ、都合が悪くなると追い出そうとする。現在のアメリカを痛烈に風刺しているように感じた。
それ故に謎解きだけでなく、マルタと家族の上下関係がはっきりと入れ替わったことを象徴する、マルタが屋敷のバルコニーから家族を見下ろすシーン、めちゃくちゃスカッとした😄
曲者揃いの家族の中でも特に印象的だったのは、クリス・エヴァンス演じるダメ息子。「Eat shit! Asshole!」口悪すぎ…アベンジャーズでは正義感の塊だったのに…
と作品毎に全く違うキャラを演じる俳優達を見るのも映画の楽しみだなぁと思った😊
寓意物語
有名作家にして出版社の経営等も手掛ける85歳の男が、誕生日パーティーの翌朝に頸動脈を切り亡くなっているのが見つかり巻き起こっていく話。
事件から1週間後、警察と匿名の何者かから依頼を受けた探偵がパーティーに参加していた子供や孫達、及び、家政婦や看護師に聞き込みをし事件を洗っていく。
個別に聞き込みをしてみると、家族の皆が皆嘘をついており、何が真実か自殺なのか他殺なのかという流れに。
ご都合主義満載じゃないとなり立たないものの、多分こういうことだろうというところには結構早い段階で考えが及んだけど、じゃあ誰が?というところがなかなか見えず。
終わってみれば、人物描写にしても動機にしてもやり口にしても、ブレずにちゃんと筋が通っていて、しかも結構単純明快ストレートというつくりでなかなか面白かった。
【飛び交う言葉の刃 試される人間の善性。ミステリー王道要素をしっかり織り込みながらもコミカル要素も絡ませた新たなる推理映画の誕生。】
冒頭のあるモノにフォーカスしていくシーンとそのモノに書かれている文字。(そして、その文字の意味が字幕で流れる・・。)
豪華絢爛な役者達の演技を堪能するも良し。
(それにしても、皆、一癖ありそうな役を嬉しそうに演じている。とりわけ、マイケル・シャノン、トニ・コレットは安定した”胡散臭さ”である。ダニエル・クレイグの探偵ぶりも良く、007役からの脱却もしくは両立も期待したい出来である。)
本格的な推理劇に集中するも良し。
(今やこの分野の映画は、絶滅危惧種なので、嬉しい。)
"生ける嘘発見器"という斬新なアイディアも実に効果的に使われており、良い。
ー 冒頭のシーンとラストショットの見事な繋がり。ー
マルタ(アナ・デ・アルマス)が冒頭のあるモノを手にしながら、故ハーラン・スロンビー(クリストファー・ブラナー:良いなあ、良い。)に纏わりついていた人々を見下ろすシーンと彼女を見上げる人々の姿。
見事なラストシーンである。
やれば出来る男ではないか、ライアン・ジョンソン監督。(オリジナル脚本だそうである。)
<今作の面白さを堪能した後に思った事:アナ・デ・アルマスの更なる活躍と、”ブラン探偵”のシリーズ化を心から期待したい。>
キャップ!!!
途中主人公と共に行動するシーンで、正義の眼差し・冷静に淡々と話す姿に、「我らのキャプテンアメリカが帰ってきた!!!」と興奮したが蓋を開けてみれば最低のドクズ笑
ここまで完膚なきまでにクソ野郎な役のエヴァンスも新鮮でした笑そしてやっぱりかっこいい、、、
ストーリーは随所に展開があり、最初から最後まで飽きずに見れました。
俳優陣を楽しむ作品としては良かった
ユーロライブにて試写会観賞。
キャプテンアメリカが大好きであり、同時にやはりクリス・エバンスの大ファンである。
その為MCU卒業後の彼の初作品はとてもワクワクしていた。
率直や感想としてはサスペンスというより、コメディを楽しみつつクリエバ、その他の豪華俳優陣達の共演を楽しむにはとても良かった作品といったところか。
今回はアルマス演じるマルタが薬の投与間違いからハーランを自殺に追いやってしまったという誤解から始まるストーリー。もちろんリアルタイムで見ているときに誤解とすぐ分かるわけではないが、マルタが真犯人ではないというのはすぐに感じてしまう。
では真犯人は誰なのかというのをドキドキ楽しむものかと思えば、早い段階からランサムが犯人だとすぐに分かってしまう展開。
アリバイ作りの際に逃げるときに認知症扱いされているおばあちゃんの「ランサム?」というセリフや、事情聴取の際に夜中に犬が鳴いていた。(ランサムが登場した際に犬が吠えるように鳴く)、マルタが犯行をランサムだけに打ち明けるなどなどすぐにランサムが怪しいと分かってしまうわけだ。
そうなるとすごいトリックが待ち受けてるのかと思えば、本当は薬の投与は間違えておらずハーランの自殺が無駄死にだったり、
意外と最後はランサムが暴走して家政婦を殺して白状して捕まるといった特にトリックや複雑なミステリーさもなく終わってしまった。
マルタの嘘がつけない際のゲロ吐きが最後の最後でも生かされたり、タイトルの通りナイフが最後はあのような形でマルタを守ったり笑える要素は沢山あり楽しかった事には違いないが、トリックやミステリアスを期待していると肩透かしを食らう可能性はある。
クリエバやダニエルが出てなければもしかしたら評価が変わるかも知れないが、彼らをはじめアルマス、これからハリウッドを代表しそうなラングフォードなどとにかく俳優陣が豪華で彼らで十分楽しませてもらったので満足はした。
良かった!
シリアスな感じの物語かと思っていたらそんなに重くなく、コミカルなシーンも多々あるのでとても見やすかった!
謎解きも割としっかりしていて良い作品だと思う!
クリス・エヴァンスはキャプテンアメリカのイメージがかなり強くて、どうしても黒幕エヴァンスは見慣れなかったw
Untether yourself - Dad. キャッチーな言葉。
MY HOUSE
MY RULES
MY COFFEE‼
2019年度の優れた映画のトップテンと勘違いし鑑賞。本当は、映画音楽だったのだけれども良い間違い方をしたと見終わって思っている。
前半は、家長であるハーラン・スロンビーが誕生日の次の日、死体で発見され、当事者の尋問を警察とダニエル・クレイグ演じる謎の人物に雇われた私立探偵のブノワ・ブランが協力して死の真相を暴いていく、フーダニット・サスペンス映画と言える。
その中で、役者ぞろいの設定に加え、この事件の中心的存在の若き移民の働き者のナースのマルタ・カブレラ役を「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」にも出演しているアナ・デ・アルマスが演じていて彼女自身もキューバからの移民であるのは有名。この映画の中で唯一嘘がつけない設定となっている。
Unless you decide.
You're not gonna give up the money.
You've come this far!
Just one step further.
ダニエル・クレイグが出ているし、この映画の印象が最初もっと堅苦しいイメージがあったのだけれども実際は、推理小説オタクの刑事やブノワ・ブランという私立探偵も紋切り型の道理だけを推し進めていく人柄でないのでとても見やすくすっきりした映画と言う印象が強く残っている。
後半は、ブノワ・ブランの鮮やかな推理で真相を解明する一人芝居的な場面に展開していく。
You won not by playing the game Harlan's way,
but yours................
I have a feeling you'll follow your heart.
何故? 古風な書斎にオブジェがあるのか? ナースのマルタは何故嘘をつけないのか、もしついたらどうなるのか? ちょっと凝りすぎな演出が気になるところだけども...まッいいかな。
最後に映画音楽に関しては、ストーンズの ”Sweet Virginia” がエンドロール・クレジットで流れます。
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