わたしの叔父さんのレビュー・感想・評価
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反復と変化。そこに浮かび上がるユーモアと人間描写が素晴らしい
また北欧から秀作が届いた。長年二人ぼっちで支え合ってきた叔父と姪。冒頭からしばらく台詞は無く、まるでサイレント映画を見ているかのように、わずかな表情と単調な身のこなしだけで、もう何年も変わりばえのない農場の暮らしが描かれていく。かくも丁寧に刻まれる反復。だが映画における反復とは、やがて生じるズレの予兆でもあることを私たちは知っている。果たして、父娘のような二人に訪れる転機とはーーー。互いの幸せを願うほど身動きが取れなくなっていく、この踏み出したいのに踏み出せない、もどかしい関係性の描写が実に素晴らしい。時に身を切るように切なく胸に迫るものの、かと思えば笑っちゃうくらい辛辣であり、それでいて優しく、愛おしい。この匙加減がなんとも絶妙だ。何より魅力的なのは、深刻なテーマを扱いながらも、仄かなユーモアが作品内に絶えず光を宿し続けるところ。彼らに幸せが訪れますようにと願わずにいられない作品である。
Warming!
とても静かな作品ですが、本当に心温まる作品です。
クリスと叔父さんはたぶんいろんな困難を乗り越えてきたんだろうけど、具体的なことは何も示されません。
でも2人のふるまいを見てるだけでそれが痛いほど分かるところがこの作品の素晴らしいところです!
人物描写ががものすごく繊細で、ところどころクスっとするユーモアも盛り込まれていて。こういう表現のできる作品て北欧独特のものなんですかね。
前半は淡々と2人の生活が描かれてますが、北欧独特の風景や酪農業の描写も美しくてぼくは飽きませんでした。
でもマイクの病院での一言はないだろー
最後、唐突にエンディングを迎えるので、えー?ってなりますが、その後に2人がどんな選択をしたのか、視聴者の想像を描きたてたのもぼくは好きです
見終わった後、自分の家族がものすごーく愛おしくなりました☺️
ふたりの ほどよい バランス
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今年 映画館で 最初に観た映画。
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音楽は 一切なし。
ノスタルジーな演出もなく、
デンマークの 小さな村に住む
人々の営みを
まるで ドキュメンタリーかのように
リアルに 映し出した作品。
あたりまえの毎日を
急に奪われる 恐怖を知っているから
守りたい 今がある。
何よりも 大切なもの。
心の拠り所
それが無意識であろうとも
何気ない日常は
かけがえのないもの
その人にあった居場所
賑やかさも 色彩も
限りなく抑えられた、
映画。
興味深く観ました
小津安二郎を敬愛している監督だという予備知識を得ていたので、その観点からも興味深く観ることができました。カメラは常に固定されていました。ことさら劇的に描くことはせず、シンプルに淡々と進行しました。さすがにローポジションをとる必要はありませんでしたね。
それは置いておいて、デンマークと言えば酪農王国と地理の授業で習いましたが(何年前のことだ)、小規模農家の後継問題があるのだということが分かりました。主人公の場合は叔父以外に身寄りがなく、さらにその叔父は障害を持っている。非常に厳しい条件のもとにあり、獣医になる夢や恋愛への希望が遠ざけられてしまう。日々思いを抑制することによる心の摩滅が察せられて、観る者を辛くする。
最後に恋愛相手?にお尻を向けたのは何の意思表示だったのか。こんな私でも愛することができますかという問いなのか。私は農業と叔父を選択するので諦めてくださいという意思表示なのか。
【101】そして二人の人生は続く…
2021年 スクリーン71発目
今年公開作品 33本目(先行、試写含め36本目)
2月の映画の日は 末に一時休館する 恵比寿ガーデンシネマで と決めていた
本作は ゆっくりと時間が流れる
台詞も少なく BGMも生活音が中心
しかし 少女と叔父の心情が じわりじわりとしみてくる
伯父ではなく叔父
父か母の弟
長男や兄として 姪を養わなければという使命感が強いのではなく
どことなく ゆるい関係の居心地良さを感じているような気がした
弟気質だなと
それが少女との上下関係、損得を超えた関係を強固なものにしているようだ
信頼関係ってこういうものだなと
二人の人生はまだまだ続く
余韻を残した終わり方
最後まで無音のエンドロール(フラッシュか?)
優しい気持ちになれた
毒素を全て出せたようだ
良い2月のスタートが切れそうだ
これも一つの愛の形・・・なのかな?
デンマーク映画、興味津々で鑑賞。
いやぁー、オープニングからしばらくの間驚きが止まりませんでした。
全くセリフがない。放送事故じゃないか?というくらいに淡々と日常が映し出されるだけ。
でも丁寧に丁寧に、雄弁に語る映像。もう、主人公とおじさんの日常が手にとるようにわかります。
この調子が反復されていくのです。毎日毎日。ほぼ寸分違わず。
その演出があるからこそ、些細なほんの些細な「ありがち」な出来事が大いなる事件になっちゃったりするわけです。その演出があるからこそ、絶妙な笑いを生んだりします。
非常に単調なはずなのに、淡々とした日々を描いているだけなのに全く飽きさせない展開。
この監督の手腕はさすが!と言わざるをえないのではないでしょうか?
些細ではありますが確実に生まれる「ギャップ」をうまく使って、人の心の微妙な部分もうまく描いているのではないでしょうか?緩急が絶妙です。
ストーリーは普遍的な日常を生きるクリスの心のザワザワを描いた良作です。
ザワザワはが前述のように、セリフ少なくも雄弁に映像で語ってくれます。穏やかに心に染み入る物語になっています。年頃のクリスのザワつく日常に、昔からお世話になっている叔父さんがいい具合に絡んでくるんですね。これが本当にユーモラスなんです。
けど、じんわりと伝わってくる叔父さんの親心とクリスの感謝の気持ち。
よくありがちな「選択の葛藤」はないんです。この辺りが面白いです。
色々ありますが、クリスの優先順位は決まっているんだよなぁ。
知り合った男性に「さっさとすませて!」と差し出す姿は
明確にクリスの優先順位を表してるよなー。そんな大事なことより大切なんだもん叔父さんが。
うーむ、けどなぁ恋愛じゃないよなぁ、恩義なのか?自分がいないと駄目なんだと言う勝手な思い違いでもない。使命感?・・・?うーん。
で結局僕はラストのカットでこれか!って思いました。
叔父さんの知らなかった一面を垣間見たクリスの表情。
その絶妙な表情は、「叔父さんと一緒にいると楽しい発見ばかり!あー楽しい!」って言ってるようでした。こんな愛の形があってもいいんじゃないかな?
人間同士の関わり方ってそんなもんだな。
台詞も少ないし、起伏もなく、淡々と映し出される叔父と姪の生活。
かかりつけの獣医や、新しく出会った若者が、 そんな生活を心配し変化をもたらそうと、
いくら試みようとも、さざ波程度で大きな波は起こらず。
みんな良い人たちなんだけどね。
なるほど、なるほど。
そうだよな…周りが何を言おうと、二人の軸はもうぶれないんだろうな…。
どちらかが発信でないと。
そんなもんだな。
現に、自分の周りでも、こうすりゃいいのにって思うことあるし、
意見してみるけど、結局、変わらないし、時に気分を害させてしまう…。
他者が長い暮らしの中で築いてきた価値観だからな。
そっか…解ったよ。
人間同士の関わり方ってそんなもんだな。
画が小津安二郎っぽいな…って思ったら、
監督がリスペクトしているそうで、そういうの嬉しい。
silent pictures
農場を営む足の不自由な叔父さんと、叔父さんを介助しながら農業に勤しむ27歳のクリスの物語。
起伏の無いシーンが続くが不思議と見ていられるのは、実際に本当の叔父と姪の関係である2人の自然なやりとりの成せる業か?
毎日同じの繰り返し。
27歳、決めつけるような年齢ではないと同時に、自由に夢を見るほど若くもない。
クリスの本当の気持ちはどうなのか?
それでも叔父さんと農場を守りたいのか?
或いは、自由に夢とか恋に夢中になる人生を送りたいのか?
固い決意があるようにも、揺れているようにも見えるクリスの想いを考察しながら観るのがとても楽しかった。
他の登場人物も皆良いですね。
クリスの可能性を信じるヨハネスや、不器用ながらクリスを想うマイク。
そして背中を押す叔父さんの健気さも◎
それでいて笑えるポイントが散りばめられているのもグッド。水門シチューってw
しかし、水門シチューの後のシーンにはグッと来たなぁ。きっとあれが本当の気持ちですね。
クリスの例は極端かもだけど、我々の暮らしも、毎日同じのルーティンの上にしか成り立たないことが多いですからね。
それが嫌になったり、逆に楽だったりもするのですが。。
ちょっと驚いたのは、換気の為なのか、劇中に扉が空いたので一瞬気をとられて、画面に向き直ったらなんと、エンディングテロップが流れてて。。
また、上映前には監督のメッセージも。
こちらこそありがとう!
クリスやマイクを応援したくなると同時に、自身も明日からの日々を頑張らんとと思えた作品だった。
幸せの価値観はその人次第。
デンマークの農村地。牛を育て田を耕し生きる27才のクリスとその叔父。父と娘ではない。どこか気を遣い合っているかのような絶妙な距離感と、共に長く生活していることが伺えるあうんの呼吸。もどかしくも愛しい関係性。
毎朝ブラウン管から流れる遠い国の不穏なニュースも朝食をとる2人にはBGMに過ぎない。映画はすでに始まっているというのに会話もなく淡々と日々のルーティーンを見せつけられる。それなのに1秒たりとも目が離せないただならぬ空気がスクリーンを包み込んでいた。
予告を見て田舎で家業と介護が必要な叔父さんの世話を押し付けられた女性が運命の男性と出会って夢を取り戻し旅立ってゆく話だと思った単純な自分を恥じたい。
リアルに時にはコミカルにクリスという一人の女性の生き方と幸せの価値観を描き出した本当に素敵な作品でした。
仕事終わりに2人が大きな布を引っ張り合いながら折り畳むシーンがめちゃくちゃ秀逸。あとから思えばこの2人の間にマイクが入る余地はなかったかな。
家に帰って叔父さんがいなくなったあとのクリスを想像してみた。案外すぐに土地を引き払って誰にも告げずに都会に出るかもしれないな。それでおしゃれなカフェなんかで働いてスーパーでふとヌテラを手に取り過ぎ去った叔父さんとの生活をぼんやり思い出している。そんな姿が目に浮かんだ。
もちろんそれは望郷の美しい思い出として。
愛しい気持ち
日々の暮らしの中で相手の些細な気持ちの変化って気付かないものです。
クリスと叔父さんが暮らす日常には、そんな些細な気持ちの変化がたくさんありました。
クリスの気持ちの抑揚を巧みな演出とカット割りで表現し、二時間があっという間でした。
見終わった後もクリスと叔父さんが心の中にずっといます。
最後テレビが点かなくなった2人に、これからまたどんなドラマが待っているのか。
コロナでマスクして表情が見えず、ますます気持ちの変化に気付けないけど、大事なのは相手想う愛しさなんだと再確認出来ました。
見終わった後、小津さんの映画みたくとても心穏やかになれる映画です。
監督の次回作がとても楽しみです。
年月の重み
正直言って、110分もある映画なのに、「これだけ?これで終わり?」だった。
記憶違いかもしれないが、「12年間で寝坊は初めて」という叔父の台詞があったと思う。
その長きにわたって、叔父と暮らしてきた、そして、酪農家として生きてきたという、“年月の重み”が、クリスの選択を決定したということなのだろう。
獣医もマイクも、いや、叔父ですら、クリスの姿に対して否定的に見えるのだが・・・。
単純だが、深いテーマであった。
その他、「酪農王国デンマーク」の実態が、少し垣間見えたのは興味深かった。
また、G20での抗議デモから北朝鮮のミサイルまで、時勢とは無縁な田舎の酪農家が、テレビで世界のニュースを見ているシーンは、なぜか“ほのぼの”していて面白かった。
とても好きな空間、そしてありがとう恵比寿ガーデンシネマ
主人公のクリスは農場を営む叔父と田舎で生活している。叔父は足が不自由であり半ばクリスは介護も担っている状況である。
なぜ叔父と暮らす事になったのかというとクリスが14歳の時に兄弟を失いそれを追う様に父親が自殺をし独り身になったところ叔父が引き取ってくれたそうだ。
その背景もおそらく作品が始まって30分くらい経ったくらいで叔父の知人の獣医がそのまた知人との会話で知る事となる。
この作品はクリスと叔父が必要以上に会話をしない為中々彼女らの情報が入ってこない。
ただしその描写がこの作品の最大の魅力でもある。
両者とも口数が少ないため、会話が一方通行であったり、時には問いかけに対して返事がない事も多々ある。
ただ次のシーンではその問いかけ通りの行動描写に移っており必要以上の言葉を発しなくても互いに理解し合いそして尊重しあっているのな伝わる。
またクリスの生活は毎日が決められた時間に、同じような行動を淡々と繰り返す日々である。
表情が変わらない為それらも序盤には不満があるようにも勝手に思ってしまったが、ストーリーが進むにつれて彼女自身がその生活を望み、そしてちょっとした変化に不満を覚えたりストレスを感じたりする姿が見受けられる。
もちろん今の生活を送る事で彼女自身他にもやりたい事を犠牲にしているのも見受けられたが、それをひっくるめて彼女は今の生活を望み、そして叔父を愛しているのが伝わる。
叔父も叔父でクリスに事細かくあれこれ言われ行動を制限され、時にはストレスに感じている所もあったがそんな口うるさいクリスの姿もひっくるめてクリスを愛し信頼しているのが伝わる。
この2人は言葉数は非常に少ないが互いに愛し信頼しあってるのがストーリーが進むに連れて感じ取れるのがこの作品の美しさでありとても魅了された。
この"静"なる空間を個人的にもとても好きな空間であり、その空間を大切に美しく描いてくれるこの作品は自然と好きな作品となってしまった。
この"静"なる空間は僕だけではなく日本人が好む空間ではないか。であれば自然と日本人ウケの良い作品になるのではないかと感じた。
クリスがここまで叔父を愛し、自らが犠牲になっても叔母に尽くすのは父親を失った時に、そして引き取られた時に余程親切にしてもらい嬉しい気持ちがあったからなのかな想像しながら観賞しそして作品が終わる。
エンドロールも音がなく静かに終わりとても温かい気持ちで劇場を後にすることができた。
改めて振り返ってもこの2人の関係性は素敵であり、とても憧れる関係である。ただこの関係性は余程の信頼関係がないと成り立たない関係でもある。だからこそ美しくそして魅力ある描写であった事が改めて感じる。
この作品を持って僕がよく利用する恵比寿ガーデンシネマの新作公開は最後となり、2月末にて一旦休館となる。再館の時期は現時点では未定であり、好きな劇場の一つのため寂しく思うが最後にこの様な素敵な作品を観ることができとても感謝の気持ちでいっぱいだ。
派手さはないが...
最小限に抑えたセリフと音楽。
同じことが繰り返される日々の中、時折変化する生活と主人公の気持ち。地味な主人公がハッとするほど美しくなる瞬間はキャスティングの素晴らしさか。
派手さは全くない映画だが、美しい風景とともにじんわり心に沁みてくる。
あるがままの世界を美しく描いた映画
美しい映画だ。華麗で華やかであるところは一つもない。しかし、美しい。年老いた叔父とクリスティーヌと50頭の牛と共に生きるデンマークの農場生活。音と映像はあるがままの世界をただ淡々と描ていく。屋内も風景も、終始寡黙。朝、ベッドをおり、身体の不自由な叔父に洋服を着せると、シリアルに牛乳を掛け、本を読むクリスティーヌ。叔父はたえず、ただ黙々と食べ、壁掛けのTVのトランプ・アメリカと北朝鮮のミサイルのニュースを観る。二人の言葉少ないが、その目は絶えず相手を気遣い、暖かいリスペクトに溢れている。
【行間/沈黙】
二人の会話の行間のような沈黙の場面には、多くの言葉が詰まっている。
恵比寿ガーデンシネマが、恵比寿三越の閉店に伴うガーデンプレイスの改装で、2月末に一時閉館となる。
その前のロードショーの最後の一本だ。
ピーターゼン監督が寄せた挨拶の映像が映されるのだけれど、「閉館は残念なことだが…」と、いやいや、一時休館なんだから、そんなこと言わないでと😁。
映画に戻ります。
背景にある、クリスの兄弟の死と、後を追う父親の自殺という大きな事件や、クリスが獣医を目指していた事、叔父さんの病気の事なども、ほんの少し会話の中で語られるだけで、過去は遠くに封じ込められている。
二人の沈黙は、会話のない会話だ。
そう考えると、これは、やはり、小津安二郎へのオマージュのような気もしてくる。
そして、この沈黙は、実は饒舌なのではないか。
二人が見せる葛藤や、強い意志、決意…、思いやり、優しさ。
最後の場面、クリスと叔父さんの行く末は、観る側に委ねられているのだ。
自分の人生と照らし合わせて、一人ひとり違う未来が見えているのに違いないのだ。
映像は綺麗だけど、う〜ん退屈した
映像は綺麗だけど、う〜ん退屈した
眠気と戦いながら。
全編を通して音楽もなくセリフも少なく、淡々と日常が描かれている。特に冒頭は眠くて眠くて、、。
叔父さんとクリスとの生活に些細なユーモアやふふっと笑ってしまうような出来事が非常に愛らしく感じる。
他者から見たら縛られていて不自由に思える生活も、クリスにとっては自ら選んだ道であった。叔父さんが何よりも大切で共に暮らすことがクリスにとっての幸せなのだろう。
眠気と戦いながらも、観てよかった。
静かで確かな愛情
舞台はデンマークの片田舎、茫洋とした景色が広がる静かで薄暗い町。展開するストーリーも実に静かだけれど、心が温かく締め付けられ、しばらく席を立てなかった。
序盤はクリスと叔父のつつましく単調な日々毎日がサイレント映画のように繰り返され、言葉の少なさから最初はクリスが生活に不満を持っているのかと思ったが、徐々にその生活と、何より叔父を愛していることがひしひしと伝わってくる。
そして、叔父さんもクリスを心から愛していることが静かな画面から溢れるように伝わり、その様子だけでぐっときてしまった。
中古の聴診器やヘアカットのくだりでは、温かく姪の背中を押す叔父さんと複雑ながらはしゃぐ気持ちを隠せないクリスの様子が特に愛おしい。
デートに付いて(連れて)行っちゃうところなんかは、全体的に重め雰囲気な分クスッと笑えてとても良かった。
愛しているからこそ単調な生活から送り出したい叔父(親)と、愛しているからこそ留まりたい姪(子ども)の関係は普遍的なテーマかもしれないが、その心の機微を鮮やかに描き出してくれていたと思う。
誰かの目線というのがあまりなく、常に引き気味のカメラワークも、ドキュメンタリーのようで作品の魅力を見事に閉じ込めていたように感じた。
他のキャラクターを含め、登場人物が皆温かいことがより顛末を切なくさせる。
ちなみに祖父母っ子の私は叔父が愛おしすぎて見るのがつらいまでありました。
ふらりと見た作品だったけど本当に良かった。何度でもじっくり味わいたいです。
淡々としてるが素敵な作品。
人生に正解はないと言うか固定概念では決められないのが人生ということか?デンマークの風景のように心に沁みる深さがある作品でした。
何が残るのか?
12年という年月で培った、親子以上の愛情という点は非常に共感できるものの。
病的な依存までいってしまっているような、主人公の行動に「?」。
おそらく叔父さんは生きてあと数年。
娘が自分のやりたいことを放り出して、叔父に対し献身的に生きたとして、その先の人生に何が残るのかが疑問だった。
介護だけで生きてきて、気づけば30代後半とかになってたら、そこからどうするのか?
という考え方をしてしまうのは、私が何も持たない日本人だからか?
想像するに、国土面積の63%、260万haが農地である、「農業王国」「農業先進国」とも呼ばれるデンマークという国の、農業に対する誇りが詰まっているのかもしれないとも思った。
残っている「農場」こそが生き甲斐といえなくもない。
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