ミセス・ノイズィのレビュー・感想・評価
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脚本がお見事。ローバジェットな傑作
ローバジェットながら、大変よくできた映画。これは脚本家案件ですね。「カメラを止めるな!」を彷彿とさせる見事な脚本です。そして、女優さん案件でもありますね。天野千尋監督、主演の篠原ゆき子、ノイズィな大高洋子ら、女性の力でぐいぐい映画を引っ張っています。興行でどれだけ成果をあげられるか、大変楽しみです。もしかしたら、日本アカデミー賞のダークホースになるかも知れません。
これは騒音おばさんではない……だけど面白かった!
本作を初めて知った映画公開時は「あの騒音おばさんの真実!」のような紹介をされていました。
なので私もそういう映画なのだなっと思っていました。
しかし実際に見て見るとあの騒音おばさんとは布団を叩くぐらいしか関係がありませんでした。
…だけど凄く面白かった。
「え?こういう映画だったの!?」となりました。思い出に残る一作です。
謝罪と禊
個人評価:3.7
映画としての仕上がりは並だが、本作が作られた意図とメッセージがとても興味深い。
本作を見て誰もが思い出すあのワイドショーの映像。その真相や後日談を知らない人がほとんどだと思う。本作はそこに目を向けるキッカケにもなり、さらにメディア側の謝罪と禊も込めた作風になっている。
大衆は見たい方の事実だけを見る。それをメディアが予想して提供する。メディアは大衆の奴隷であり、大衆側の時代の民度によって、報道も変化する。本作を通して色んなメッセージを感じた。
立場が変われば見え方も違う
騒音オバサンとそれに悩まされる小説家。
騒音オバサンからのストレスに対応すべく、二人のいざこざを小説にすると、それがヒット連載に。
あるあるなストーリーで、嫌な感じの結末かなと心構えるが…
ネタバレになるので、書けるのはここまで。
双方の角度からちゃんと見せてくれるのは、とても親切な構成。
すれ違い映画の最高傑作❗️
なんだこの映画🫢滅茶苦茶面白いぞ。ただの隣人トラブルを無名俳優、低予算でここまで引き付ける作品にできるとはあっぱれ。隣人の生活環境が交互に描写されていく度に、結局誰が悪くて何がここまでのトラブルに発展したのか分からなくなる。少しのすれ違いが次第に大きな塊となっていく様子は生きていれば誰にも起こりうることで、生々しい感覚を覚える作品。今後、「すれ違い」をテーマにした映画(ドラマも含めて)でこれを超えてくる作品に出会えるだろうかと思うほど心に残った。傑作でした。
72点
高評価を受け鑑賞
某有名なニュースを題材に制作した映画で失礼ながらあまり見たことない役者さんたちが逆にリアルに感じた。
とにかく脚本が良かった。起承転結がはっきりしていて盛り上がりと締めるところの緩急が秀逸でした。
隣人のおばさんのウザさとか正義感とか、ニュースにもあった通りキャラクターの濃さはもちろん他のキャラクターもわかりやすかった。
2021年公開の映画空白、2022年公開のミニシアター映画誰かの花のちょうど中間な感じ。
是非
大高洋子さんに釘付け
脚本がしっかりしているからなのか、飽きるところがなかった。
おまけに大高さんの演技に惹きつけられて、最後あたりは不覚にも涙まで・・・。
奈良の騒音おばさんの事件をモチーフにしていることはわかりました。
あの事件も、実は病気の家族がいるお母さんでしたよね。マスコミが騒ぎ立てて全国的に有名になりましたが。真実は他人にはわからないです。
最初から最後まで、丁寧に無駄がなく作られていてとても楽しめました。
無理解な夫の謎
育児もせず、パートナーに対して無理解に終始する夫に、観ていてフラストレーションが鬱積します。(そんなサイコな夫を体現した長尾卓磨さんの平面的な演技が秀逸!)
ラスト、ただただ身勝手な夫に妻が「あたし自分の事しか考えてなかった」と声を大にして謝罪する道理についていけませんでした。
・・・とここまで書いてふと思うのです。これも作り手の狙いでは⁉︎ と。だって夫サイドのストーリーも、ミセス・ノイズィ若田さんのように“こちら側”からは表層的な部分しか見えませんものね。
そこの内情を敢えて描かなかったのは正解なのかどうなのか。
僕個人としては、ただひとり最後まで成長しないまま(ように見える)の夫に、恐怖すら覚えた一編。そういう見方で楽しめたイヤミスムービーです。
全員悪者ぽく見える作品➕生活音。
内容は2005年奈良騒音おばさん事件をモチーフにした作品。現実のモチーフが深過ぎて映画に落とし込む時に立体感がなくなってしまった様に感じた。実際に自分もヒステリックな人物を知っているだけに簡単には迎合出来ない描き方だった。映画の撮り方も同じ場面で主観と客観がテーマの重要な一つだと思うが同じ場面での台詞まわしも時間感覚も些細な事かもしれないが表現が違う所が残念でならない。
隠れた悪は断罪されず…
物事の一部切り取りや片方からの見方・意見だけがネットやテレビを駆け巡る現代を皮肉に描く作品。
両者の視点を分けて描く事で、ひとつの事象に対して見え方が大きく異なる事がよく分かる演出でした。
ただ、夫の無関心さや動画を発信・拡散した親戚の男の子?が何のお咎めもなく終わっている点が残念。
特に、夫は自分の仕事優先で子供の世話をしない上に妻の味方にもならない。むしろ妻を批判する有り様があまりに酷く、ステレオタイプの夫像を描いているのかもしれませんが、露悪的に映りました。
この事件に潜んでいるもうひとつの悪には何も触れられていないまま終劇を迎えた事で、なんとも後味の悪い感触です。
この映画の場合はどっちもどっち
若田さん、確かに朝の6時からお布団パンパンはご近所迷惑。でも真紀もおはようございますの挨拶もなく、いきなり喧嘩腰の物言いはどうだろうか?子供を家にあげてお昼寝してしまった若田さん、一言預かってるよと言わないのは確かに悪いが、非常識呼ばわりする真紀もどうかと思う。忙しいとはいえ、ほったらかしにしていたのは事実なんだから。だって若田さんは落書きだって消してくれているのに。
娘の誕生日にケーキの蝋燭をつけるのを待っているのに、いつまでも若田さんの悪口を言い続ける真紀には観ていてイライラした。子供にそんなことを聞かせるのはダメだよ〜。
だんだん明かされていく若田さん夫婦の日常や行動を観ると決して悪い人たちではなく、確かに口は悪いが、お互いの理解と思いやりと歩み寄りがたりなかったことと、弟が面白半分にSNSにあげたり、ココぞとばかりに叩いてくるマスコミによって、大騒ぎになってしまった。
まあ、真紀たちは引っ越したようだし、たまには若田さん家に遊びに行ってあげて欲しいな。
そういえば布団叩きおばさん、何年か前にいましたねえ。
主人公のママが自己中すぎて…
お互いの視点によって齟齬が起こるのは仕事でも日常茶飯事だけど、主人公のママは自己中すぎてお互い様に観えず、終始イラついてしまった。(でもこれって監督の思い通りなのかもしれない。)
核は事情を知らずにSNS、メディアの煽りを間に受け、好き勝手に薪をくべる匿名の不特定多数の人間の無意識下の悪意。
火のないところに煙は立たないが、無関係なら薪をくべるのだけはやめよう!
胸が熱くなる1本
上映中に見逃し、Netflixで鑑賞。
久しぶりに胸が熱くなる邦画でした!
奇をてらった演出は一切なし。純粋にストーリーが面白く、それぞれの俳優さんも役にはまっていて良かったです。
途中シリアスな展開もありますが、重くなりすぎず、それでいてきちんと考えさせられる構成。
絶妙なバランス感でした。
ネット上でこれまでチヤホヤしてきた人たちが、次の日には突然掌を返す…。日常でもよくあることかと思いますが、巻き込まれた当事者にとっては、時には命に関わるほどの大問題。嵐が過ぎ去るのを待つのは耐えられないことも。
誰でも簡単に意思表明ができる時代だからこそ、それがどういう結果を招くのか、これまで以上に想像力を働かせる必要があるな、と改めて思いました。
また2者の視点をスイッチすると、こんなにも景色が変わるのだ、と気付きがあるのも面白かったです。
メディアでの騒動を逆手に取ったラストにも満足。
監督の次回作も楽しみです。
おそらく奈良の騒音おばさんがモデルだろうが、おばさんを一方的に悪者...
おそらく奈良の騒音おばさんがモデルだろうが、おばさんを一方的に悪者扱いせず、騒音おばさんサイドからの物語もあるのがいい。
そういう事情があったのか、それなら頭がおかしいと断ずるわけにもいかない、作家の女性もどっちもどっちだな、と感じる。
最後にきっちりと和解し、後味の良い作品となっている。
ドラマの裏に、もう一つのドラマがある。
wowowで放送されていたのを、録画して鑑賞。
どんな映画なのかまったく知らない状況で、見てみました。
最初は、少しコミカルな感じ。ある家族の生活が
だらだらと続いていくのかな、と思っていたら、一転。
重い雰囲気のドラマへと展開していきました。
一つの物語は、視点を変えると、待ったく違うドラマになる。
現代のSNSやマスコミ報道に疑問符を投げかけるような映画ですね。
重いテーマだけど、ちゃんと救いもあって、
そのバランスがいい感じだなあ。良作だと思いました。
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