「絶望か 希望か?」約束のネバーランド レモンブルーさんの映画レビュー(感想・評価)
絶望か 希望か?
原作未読
そもそもの設定が「わたしを離さないで」に似てる?気がして観るつもりはなかったが、ロケ地が地元であるという情報を知り、観たくなって娘の鑑賞に便乗した。
主人公が「エマ」で登場人物は皆 ヨーロッパ系?の名前…。日本人だから違和感ないといったら嘘になるけど、そういうものだと割り切って見れば、楽しめた!
物語については?な設定で荒唐無稽なのだが、それも そういう世界だと思い込む事で観ていられた(笑)
そう 有り得ない世界なんだけど、細やかな設定や演出に拠って、説得力が生まれて主人公達に感情移入できたのが良かった!
何より収穫だったのは「ノーマン」役の板垣李光人さん!を知れた事!仮面ライダー出身の俳優だとか。まだ18歳?
彼の演技は もう最初から 物語に引き込む魅力があった!原作を知る娘は 「凄くノーマンだった❗」と絶賛していた。
ノーマンの理知的で優しく、何事にも動じない精神力の強さと行動力と愛の大きさを板垣さんが 繊細な表情と素晴らしい演技で魅せていた!
そして…やはり堂々の浜辺美波さんの演技❗16歳設定に変わった?と言われていたが、本当にその年頃の娘に見えた。彼女も溢れんばかりの笑顔と微妙な精神状態の演技でエマを魅力ある主人公にしていた!賢く優しく強く 何があっても信念を貫くエマを体現していた!もう 立派な女優で役者だと思う!
そして、観る目的だった森の風景。
多分 春から夏頃に撮影されたであろう緑の木々と木漏れ日がまるでヨーロッパ?かな?と思わせる圧倒的な美しさ!本当にこれ地元にあるの?と誇らしかった(笑)
こんなに美しい風景を映画に残してくださって感謝です!😂この風景を観るだけでも価値ある映画です(笑)
【この後ネタバレ含みます】
人間の為に同じ人間が犠牲になるという設定が、とにかく嫌い!それも幼い子供、無垢で疑う事を知らない幸せ一杯の未来を夢見る少女が、突然 命を奪われる!それも
鬼から逃れる為の「人間の企み」によって!
ママと呼ばれるイザベラは 本当に愛情を注いで子供たちを育てていると見える。彼女の愛情はある意味 真実。最初 そんな彼女が何の戸惑う事もなく子供たちを鬼に差し出す行為に ただただ恐ろしかった。
でも 彼女は元 「農園」の住人で、エマ同様に抜け出そうとした。が、逃避は絶対に不可能だと絶望し、自分に出来る事は子供たちを愛情たっぷりに育て上げ、幸せだけを持ったまま最期を迎えさせる事だという信念の元に子供たちを育てていた。その理屈は解るけど、子供たちを送り出す心情は やはり辛すぎないか?でも…それ程に この世界は絶望的で救いようが無い空間だったのだと思うと、彼女のした事や態度は解る気がする。
そして…ラストにエマがイザベラに
逃げる力を育ててくれたのはママだよ(正確なセリフは分からないけどそんな意味)
と言いロープを渡るシーンにはグッと来るものがあった。
この子供たちの行動は 無意識のうちにイザベラが本当に望んでいた結果だったのかもしれない。
だから イザベラは達成感と希望を感じながら、最期を迎えられた。美しい表情だった。
映画はまだ未知な向こうの世界に辿り着く前で、希望を感じさせて終わる。
娘に「ノーマンは 死んでないでしょ?」と訊くと「え?知りたい?」との答え(笑)なるほど!
「わたしを離さないで」が苦手なのは主人公が運命を受け入れてしまう事。でも、この映画の子供たちは 運命を変えようと戦う!希望を持って生き抜こうとする姿が 良かった!
続編が有るなら、観てみたい。
コメントありがとうございます。
自分もまさか地元で撮影されている事を知って驚きと共に、ちょっと得した気分になりました。
長野県にはあんなに美しい農園あるんですね。こちら福島猪苗代だって負けてません。
…あ、勿論、“出荷”されるなんて恐ろしい事もありません。
原作やアニメはまだ続き、脱走した子供たちのその後が描かれているみたいですね。
Wikipediaでちょいと調べてみたら、脱走劇から冒険物、そして外の世界の秘密…。
確かに続編作って欲しいほど気になりますが…、これほどのスケール、日本映画の力量で出来るのかと。『進撃の巨人』みたいになったら…(>_<)
kossyさん あの話題の人がサプライズ登場してましたが、原作ではあのシーンには登場しないそうです。もっと後に出てくるキャラみたいなので、それが、続編を匂わしているのでは?というのが娘の考察?です(笑)
レモンブルーさん、コメントありがとうございます。
たしかに「わたしを離さないで」は希望が持てなかったですよね。
むしろ社会派SFだったのかと思います。
続編はあるのかどうなのか・・・ミネルバさんも殺されたのかもしれないし・・・