「ズバズバ女子から農業女子へ」種まく旅人 華蓮(ハス)のかがやき kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ズバズバ女子から農業女子へ
中学時代、通学路にはレンコン畑がいっぱいあった。今思うと、金沢でも田舎だったのだと痛感するのですが、これが今では15種類の加賀野菜のひとつとしてブランド化されているのです。さつまいも、加賀れんこん、たけのこ、加賀太きゅうり、金時草、加賀つるまめ、ヘタ紫なす、源助だいこん、金沢セリ、打木赤皮甘栗かぼちゃ、金沢一本太ねぎ、二塚からしな、赤ずいき、くわい、金沢春菊・・・生産地まで覚えれば金沢検定で高得点を取れるはずです。
そんな金沢のレンコン農家を描いた“種まく旅人”シリーズ第4弾。監督も塩谷俊、篠原哲雄、佐々部清、そしてこの4作目では井上昌典と移り変わっています。なぜか配給会社もすべて違います。基本的には農林水産省の役人が地方の農家を視察し、農業の良さを知らしめるといったもの。今作では2作目に続いて神野恵子(栗山千明)が中心となっています。
最近ではアキタフーズ収賄事件や種苗法改正により農林水産省もイメージが悪くなっていますが、本来は食料自給率の低い日本の現状を立て直す命題が与えられているはず。小学校時代、たしか60%くらいだったと思ったけど、平成28年度には38%まで落ちている現実。やっぱ農業を盛り上げなきゃ!レンコンに謝れ!です。
ところで皆さんはレンコンの穴の数は知っていますか?ハスの語源は知っていますか?と、興味深い豆知識はPR動画に答えがあるものの、劇中では河北潟干拓地にある高津農園のオリジナルTシャツのロゴに穴8つ!ブーッ、不正解です(笑)。そんなレンコンに関するウンチクや居酒屋のレンコン料理などが描かれ、とにかくレンコン好きになること間違いなし!いいレンコンを採った瞬間の笑顔、『ロード・オブ・ザ・リング』を思い出してしまう指輪のシーン、そして絶妙なドローン撮影(実際の農家でも使われているらしい)、特に夜中のハスの花が咲くシーンは幻想的でうっとりしてしまいそう。
ストーリーの中にも農家や零細企業のシビアな現実や、農家に嫁ぐという意味と職業選択の自由など、様々な問題提起もなされています。ちょっとうるうるしてしまう後半の流れもいい。ただ、金沢弁がいっさい使われていないことに地元民としては憤慨・・・富山映画に負けてるよ~尚、評価点は地元民としてのバイアスがかかってます。
・栗山千明・・・『キル・ビル』での圧倒的な存在感は、踏みつけられたくなるような女王様のような存在でした。彼女が登場する度にキルビルってます。
・平岡祐太・・・デビュー作である『スウィングガールズ』のボケ役としての印象がずっと残っている。今回も役者としてあまり成長してないなぁと感ずるところあり。
・永島敏行・・・“種まく旅人”シリーズで唯一すべてに出演。死ぬ役や、濡れ場が多い俳優というイメージが強い(あくまでも私的見解)。思えば『透光の樹』も金沢が舞台だったなぁ・・・
・綿引勝彦・・・今作が遺作となってしまいました。発作を起こすシーンは涙なしでは見られない。いい俳優さんでした。
石川県先行上映にて♪
kamesuke6さん、コメントありがとうございます。
先輩がモデルでしたか〜それは感慨深いものがありますね。
地元映画は本当に楽しいです。今度は『いのちの停車場』が公開されますけど、知ってる町並みを探すのにワクワクしそうです♫
職場の先輩が友達がモデルになった作品だから観てくれと言われて自分も先行上映にて観ました。モデルになった方の背景とやや違うところはあるみたいですけど、概ね作品に込められたものに感動しました。(河北潟から自宅まで5分や学生時代実習で通った金沢西病院等思い出補正もあった為かもしれませんが)
今晩は
矢張り、鑑賞されていましたね。
金沢は、先行上映だったのですね。
金沢・京都ツアー(近江町市場・錦市場、夜の酒場巡り・・)に行きたいなあ・・。あと、2年後位かなあ・・。