「1作目と対をなす最終作」ランボー ラスト・ブラッド LSさんの映画レビュー(感想・評価)
1作目と対をなす最終作
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1カ月で全5作を完走したことに充実感。
「ラスト・ブラッド」のタイトルは当然ながら「ファースト・ブラッド」(第1作原題)と対になっており、内容も2~4作が異国での救出劇だったのに対し、「ホーム」を奪われて内に押しとどめていた暴力を爆発させる点が1作目と共通している。
単体の映画としてみれば、フィルムノワールとしてよくまとまっていると思う。戦いのプロがクライマックスで殺しまくるカタルシスは半端ない。前作ではリアル系で胸糞悪くなる殺戮シーンだったが、今回はスプラッタのような滑稽ささえある。
シリーズとしては、第4作のラストで決心して帰郷してから、「家族」を得たことで初めて戦う仲間以外の世界に触れるが(「最後の戦場」のレビューも参照)、そこでの心の変化が、メキシコパートの尺や粘着度合いに比べてやや駆け足だった気はする。スタローンが心情演技を好まなかったのか、むしろメキシコでの麻薬犯罪の悲惨さこそを描きたかったのかもしれない。
ラストシーンで復讐を果たし切って生を全うしたのかと思ったら、エンドロールの最後のカット!
老兵は死なず、愛馬とともに再び旅立つと思うと胸アツなのだが、あれは現実だったのか、ランボーの最期の夢なのか。
あいまいエンドも悪くないが、個人的には、全てを失って終わりでは悲しい。馬との逃避行でもなんでも、何か生きる意味を見出してほしいと思う。
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