「触るな危険」ランボー ラスト・ブラッド U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
触るな危険
開始早々、終幕に至るまでの起伏が予想はつく。
なので、ドラマが面白いという事はないのだが…裏社会はなかなかにエゲツなかった。事の真偽は分からんが、空想とも言い切れないとは思う。
そういう危険を社会は孕んでるし、驚く程近くにも転がってる。今回の舞台は戦地という特殊な状況ではなかった。
ランボーを演じるスタローンには凄みがあり、あの低い声も舌っ足らずな発音も功を奏していて年輪を感じる。どころか今回は慈愛をも表に出す。
結末が分かるので、その効果をも勘繰ってはしまうのだが、老いというものをしっかり表現するのだなぁと、完結に至る流れに郷愁すら感じる。
アクションは結構なゴア表現もありで、賛否はあるんだろうけれど、原因と結果を誤魔化さない感じもして、昨今のオブラートに包んだような風潮を考えると、随分と良心的だなとも思う。
隠したところでそれらはソコにあるのだ。
見えないっと事と無いって事は同義ではない。
そんな事を公然と語り咎められない作品が一つ無くなっていくのは寂しくも思うのだけど、致し方ない。
ラストアクションは、ゴア表現はあるものの、案外サッパリもしたテイストで、拳を握り込む程の緊張感も時間も感じはしなかったなぁ。
ラスボスの心臓を抉り出すのさえ、なんか達成感は感じなかった。
方法を提示し、その結果を披露するに終始したからなのかもしれない。
それと、ランボーを神格化しすぎた結果かもな。
戦争のエキスパート。
望まないそのスキルを体現できる素質をもった戦士。生き残る為に発揮するしかなかった環境。
街のマフィアとは年季が違うのだろうけど、あんまカタルシスは感じなかった。
弓のカットはカッコ良かったなぁ。