「俺の怒りを味わえ…最後の血戦!」ランボー ラスト・ブラッド しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
俺の怒りを味わえ…最後の血戦!
ランボー・シリーズ第5作。
Amazon Prime Videoで鑑賞(吹替)。
前作は未見(※現在は視聴済み)だが、サブタイトルに「最後」とあったため、最終作なのかと思いきや本作がつくられ驚いた(サブタイトルは日本で勝手につけただけと知った)。
人身売買カルテルに、娘のように大切にしていたガブリエラの命を奪われたランボーは復讐のため、元グリーンベレーのスキルを活かして自宅を要塞化し、単身壮絶な戦いを挑む。
ガブリエラとランボーの交流を丁寧に描いていたから、怒りを爆発させた後の彼の行動のひとつひとつに説得力がある。まさか彼女が死ぬとは思っていなかったので意表を突かれた。
ジャングルは無いし戦場ですらない。ランボーらしくないと思いながら観ていたが、許されざる犯罪へ抱いた義憤は誠に彼らしく、一気にランボーの物語になったので安心した。
鬼畜以外の何者でもないカルテルには残虐な制裁を加えてやるまで。とは言え、かなりハードなゴア描写に「ランボーってこんなにエグい映画だったっけ?」と面食らった。
ランボーのことを「おじいちゃん」とナメて掛かっていたカルテルの面々。ものを知らぬとはなんと不幸なのだろう。
彼がひとり軍隊と知っていたら皆殺しにされなかったかもしれないし、ガブリエラも死ななくて済んだかもしれない。
ランボー名物の弓矢もきちんと登場し、ボスにトドメを刺すために使用されたことは最高のカタルシスであった。
だが、満身創痍となったランボー。安楽椅子に座り、奪われた幸せを想いながら揺れに身を任せる姿でジ・エンド。
そのまま彼は、もしかして…?
エンドロールに流れた名場面の数々に、思わずうるっとなった。ランボーの人生はベトナム戦争で狂わされ、その苦しみを生涯抱えながらそれからを生きることになってしまった。
やっと掴んだ幸せさえも平穏に過ごすことが出来ないだなんて、なんと過酷な運命を背負わされた男なのだろう。やるせない気持ちになってしまった。せめてあの世では安らかに…
[以降の鑑賞記録]
2025/08/31:カンテレ CINEMA PARADISO(録画)
※修正(2025/08/31)
前作「最後の戦場」も是非ご覧下さい。
前作からエグいです。
ランボーはダークヒーローと化しました。
いかなる理由があっても、殺すことは残酷な行為なんだとスタローンは訴えています。