「ランボー、これが最後の闘い…?」ランボー ラスト・ブラッド 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ランボー、これが最後の闘い…?
第1作の原題は『FIRST BLOOD』。
それと対になるようなタイトルからも意気込みが伝わってくる。
ランボー、最後の闘い。
ベトナム、アフガニスタン、タイ~ミャンマー…世界各地を渡り歩いてきたランボー。
そんな彼が最後に辿り着いた地は、米アリゾナ。そこは故郷で、亡き父の牧場。『~最後の戦場』のラストシーンが思い出される。
多くの激しい闘いを繰り広げてきたランボーだが、闘いからは長らく遠退き。
時折災害救出のボランティアに参加しながら、古い友人のマリアとその孫娘ガブリエラと穏やかに暮らしていた。
最初マリアは姉か妹なのか関係性が分からなかったが、血縁関係はナシ。ただの古い友人。
しかし“家族”のような関係で、特にガブリエラを“娘”のように愛し、見守り、育ててきた。
あの幾多の戦場を駆け抜けてきた歴戦の戦士にこんな顔があったとは…!
冒頭、牧場をガブリエラと共に馬に乗るシーンは何と穏やかな事。
ガブリエラは母を亡くし、父に捨てられた身。その父が今メキシコに居る事が、知人を通じて分かった。
ランボーとマリアの反対を押し切り会いに行くが…、冷たくあしらわれる。
傷付いた彼女を、知人が裏切り、極悪非道な人身売買の魔の手が…。
父親に会いに行ったきり行方知れずのガブリエラを捜す為、ランボーはメキシコへ。
米田舎警察、ベトナム軍、ソ連軍、ミャンマー軍を相手にしてきたランボー。
ならば、言葉は悪いかもしれないが、人身売買カルテルなら少々スケールが小さい…?
…いや、少女たちを“人”とは思わず“物”としか思わないクズゲスっぷり。
さらに、ランボーも歳には勝てない。一度捕まり、容赦なくフルボッコ。
でも最もランボーの心を痛め付けたのは、まさかの愛する“娘”が…。
奴らを絶対に許さない。
これが俺の最後の闘いになるだろう。
決戦の地は、自分の牧場。
普段からランボーが過ごしていた地下壕に誘い込み、さながら危険な“ホーム・アローン”。
かつてのような戦闘スキル、様々なトラップを仕掛け、奴らを翻弄。
『~最後の戦場』から続き、グロ描写もなかなか。だって、アレを引きちぎる…!
お馴染みの弓矢も。
このクライマックス戦で一気にアクションは激しくなる。
かつてのような超人的な強さではなく、ランボーも傷付きながら闘う。
しかし、そこに今のランボーの姿を見た気がした。
…でも!
これって何でかんで絶対『ランボー』である必要あったの??
『ランボー』でなくともよくね?
何か途中から、スタローンが老体に鞭打ったB級アクション見てる気がしてきた。
調べてみたら、監督がメル・ギブソンのB級アクション『キック・オーバー』の人。ああ~…。
原作者が声を上げたのも分かる気がする。
最後でこれ…?
一応最後の闘い終えたランボーだけど、
いずれ元上官の息子もしくは孫を鍛えるあちらのシリーズようなスピンオフ『トラウトマン』が始動したり…?
トラウトマン、大変ウケました〜。
グロさ&残虐描写も負けていないですしね(苦笑)
ランボーの残虐描写は人の心に義侠心の灯をともす為のもの、と思っていたので本作は非常に残念です。落ち込みかけた気分がトラウトマンで一気に浮上しました(笑)秀逸なジョークをありがとうございます♪