「明確な政治意図を感じる作品」ランボー ラスト・ブラッド Junさんの映画レビュー(感想・評価)
明確な政治意図を感じる作品
とりあえず今作の「ランボー ラスト・ブラッド」は色々な意味で15禁くらいな気がする。あとで調べてみたら案の定差別表現やらで訴えられてんでやんの。というかわかってて作ってるんじゃなければ制作側の精神異常を疑うわ。
アクションというか一方的な復讐シーンは派手で面白いですね。今回は全体的に低予算なのかわからんけど、犠牲者の数がぜんぶあわせても数十名ってところだし、爆発もわりと小規模ですが、逆に戦場でもなければ軍隊でもない一個人の復讐っぽくてそこに違和感はなかった。
まあ、映画の出来としては娘さんの浅慮から悲劇につながるあたりまでは丁寧だし、二組の親子の対比もわかりやすい。優しい善良な大人に育てられたせいで他人の悪意に対して想像がつかない若さというか青さというかもどかしさは責められるべきではない、と思う。むしろそこは付いていってやればいいのでは?と思ったくらいにはランボーの対応が惜しい。そのせいか後悔も深いんだが。あと終盤でテロップ前に席を立ったひとは最後のシーン見逃してる。多分あのラストみてないとランボー死んだなって思ってるだろうなあ。まあ続編ないだろうけど。
感想はここまで。以下は深いネタバレ。
清々しいほどに意図が見えすいた国策映画でした。普通にアクション映画として見るには重い展開と爽快感はあるんですが、「麻薬、拉致、監禁、売春、人身売買、国境、癒着、米国進入、拷問、ネグレクト」を全部詰め込んでメキシコってこういうところって印象操作してる作品。
制作された時期がいつかはわかりませんが、トランプ大統領のメキシコ国境政策を後押しする内容なのは間違いない。というか、メキシコがほんとにそういう場所ならメキシコの国内問題、そうでなければ米国の印象操作というありとあらゆる意味で制作意図が見えすいてる。
あと前作の「最後の戦場」の時も思ったがやたらと傷口を描写したグロというかゴア表現するのは監督の好みか?首は飛ぶは足は飛ぶは最後は心臓抜き取るとか、キルアかモータルコンバットの影響受けたとしか思えん。