「But I will fight. 最後まで戦い続けるランボー」ランボー ラスト・ブラッド アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
But I will fight. 最後まで戦い続けるランボー
ロッキーと双璧をなすスタローンの代表作第5弾。アメリカでは2019年9月に公開されたのですが(そして、本国アメリカのみでは製作費が回収できないぐらいにコケてたのですが)、日本では2020年6月にやっと公開です。やー、長かった。
過去作を全て見直してから観に行った本作。ランボーさんは前作でタイからアメリカに帰国して、どうやらここ10年はそこそこ幸せに暮らしていた模様です。牧場で孫的な娘の成長を見る事を楽しみにして暮らすって、確かにこれまでのランボーさんの生活からは想像も付きません。災害ボランティアとかしてるし。ランボーにしては平穏な生活を送れていたのでしょう。
なんて思ってたら、そこに孫娘が麻薬カルテルに捕まって殺されてしまうという人生最大級の悲劇が!これって「2」でコー・バオが殺された時より悲劇ですよね。ほぼ「4」の後の10年間、手塩をかけて育てた孫娘で、ずっと孤独に生きてきた戦士が人生の終盤でやっと出来た家族だったのに、あんな風に殺されてしまうなんて・・・そして、そこからの復讐劇が本作の見所になります。
まぁ殺戮スイッチの入ったランボーは強い強い。メキシコに攻め入った時もそうですけど、家に仕掛けたトラップの数々がエグい。よく考えるとランボーって基本的に巻き込まれ体質なので自分から攻めるって珍しいんですよね。「1」の時は地元警察の横暴がなければ起きなかった話ですし、「2」はコーが殺されましたが、そもそもは米軍からのミッション。「3」、「4」に至っては人助けに行ったついでにいっぱい殺していただけですし。攻めるランボーは半端なく強いです。
スタローンにとっては同じ有名なキャラクターでもロッキーとランボーの扱いはかなり違います。アメリカン・ドリームを成し遂げ、アドニスという後継者も出来たロッキーに比べ、ランボーは人生最大の悲劇が最後に待っていたという。「4」で終わっていれば、その後の幸せも感じられた終わり方だったのですが、最後に悲劇を持ってきたのは何だかんだで大勢の人を殺してきたランボーに対するスタローンなりの落とし前の付け方なのでしょうか?
と、言っても最後の最後ロッキングチェアで終わるかと思えば、そこから馬にまたがって何処かへ去っていくランボーの描写が入っていました。もしかするともう一度ランボーの勇姿が観れるかもしれませんね!