「澤村さん推し」さよならテレビ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
澤村さん推し
予告編での中学生が「権力を監視」とか言ってたのに驚き、絶対に観なければならないと思っていた。しかし、そのシーンはほんの僅か。期待していたものが飛んでしまった気がした。また、小学生たちにも報道の使命とは「事件・事故・政治・災難を知らせる」「困っている人(弱者)を助ける」「権力を監視する」とレクチャーしていたので、かなり広まっていたのかもしれませんね。
このドキュメンタリー作品はおおまかに分けて、看板アナウンサーの福島智之氏、契約社員である渡辺正之記者、ベテラン記者の澤村慎太郎氏の3パート構成。福島パートでは過去に起こった「セシウムさん」放送事故やモザイクかけ忘れ事故の自己反省が描かれ、渡辺パートは新人らしく契約打ち切りの不安、澤村パートでは共謀罪について描かれる。
共謀罪については、マンション建設を一人で抗議していた男性が逮捕されたことに憤りを感じる澤村さん。「テロ等準備罪」という正式名称ではあるが、これらの法案をまとめて「共謀罪」と呼ぶ。しかし、メディアによってはこの「共謀罪」という言葉を使っていない。使うのはむしろ少数派という現状。そして、この法案が通った際の東海テレビでの報道にまさしく「テロ等準備罪」というテロップが入り、澤村さんは愕然とするのだ。悲嘆にくれる彼の表情が忘れられない。
モザイク事故などかなり深刻な出来事も包み隠さず猛省し、、ある意味自虐的になっている姿勢には共感できた。特に冤罪事件のドキュメンタリーで素晴らしい作品を世に送り出している東海テレビさんだけに、今後もいいドキュメンタリー作品を作ってくれることを期待しています。
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