「ラモーナの深い愛に涙が止まらない」ハスラーズ shironさんの映画レビュー(感想・評価)
ラモーナの深い愛に涙が止まらない
『オーシャンズ8』のストリッパー版かと思っていたら、良い意味で裏切られました〜!
ウォール街への復讐で一獲千金を狙うクライムサスペンスと言うよりは、女同士にしかわからない友情が胸を打つ、シスターフッドムービーでした。
ジェニファー・ロペスがカッコ良すぎ!
50オーバーにしてこの美貌!
ゴージャスなプロポーションを惜しげもなく見せつける、キレッキレのポールダンスに釘付けでした。
ディスティニーでなくとも、見とれてしまいます。
監督が女性だからか、ストリップのシーンもエロよりもカッコ良さが前面に出ていて、
文字通り裸一貫、自分の持っている全てを賭けて、男たちにチップをバラ撒かせるハングリーなガッツには、爽快感すら感じました。
でも、何よりラモーナがカッコイイのは、そんな見た目だけではなく、面倒見が良い姉御肌なところ!
その気風の良さにマジで惚れます。
そして、そんなラモーナが姉妹として手を差し伸べる女達は、ストリッパー仲間の間でも立ち回りが不器用で後がない、崖っぷちの女達。
ストリップ小屋においてダンサー達は、言わば完全出来高制の個人事業主。
収入源はチップのみ。
店から給料が出るわけではなく、むしろ稼いだチップから上前をはねられ、時には店にペナルティを払う事もある。
自分で自分の商品価値を上げていかないと食い物にされてしまう職場では、同僚はライバルでしかないと思うところを、ラモーナは素人感丸出しのディスティニーにストリッパーとしてのイロハを教え、一人前に育て上げる。
タッグを組んでガッツリ稼ぐ事が目的だったとしても、面倒見が良すぎでしょ?
どうしてそこまで…
ラモーナ自身の過去はあまり明かされませんが、ラストにかけての展開で、ディスティニーとは心に傷を持つ女同士、魂の部分で繋がっていたのだなぁと思えます。
愛情を受けられなかった者、力の無い者や持たざる者の痛みを知っているからこその優しさ。
ラモーナの愛情の深さに号泣でした。(T ^ T)
そして、シーンを印象深く盛り上げる音楽がまた良い!!
ラップばかりかと思ったら、フォー・シーズンズやクラッシックも!
自分でも嫌になる程【スローモーション+音楽】のシーンにめっぽう弱いので、何度も痺れました。(≧∀≦)
それに、エンドロールまで音楽の演出が行き届いていて素晴らしかった。
映画の世界観をぶった切るようなタイアップ曲を流すエンドロールには怒りすら感じますが、ここまで映画の余韻を楽しめるエンドロールは、なかなか無い気がします。
ユーモアの効いたラップナンバーからの美しい旋律に次から次へと涙が溢れ…
“余韻”を通り越して、自分の中の感動が更に膨らんでいくのを感じました。
いろんな年代の女性にオススメです!