グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇のレビュー・感想・評価
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猿芝居
太宰にしては明るめの作品ですが、そもそも根暗でうじうじした性格なのでケラさんが面白おかしく膨らませたのでしょう、劇中で心中を持ちかけるところは太宰の臭い・・。
文士ばかりがもてるなんて太宰の錯覚、生きる為に進駐軍に体を売った女までいた時代、夫や恋人を戦争で失い、闇市がらみの俄か成金でもヒヒ爺いでも日本人の愛人の方がましだったというのが女たちの本音でしょう。わざわざ当時の実写フィルムを入れてカバーしているが何より戦後を知らない世代ばかりで作っているので時代と暮らしぶりが浮きまくっている。
そもそも舞台演出を映画に持ち込むと極めて不自然、オーバーアクションが喜劇だと言うのはいただけません。笑いのツボは人それぞれだし、好みの問題かもしれませんが私には酷い猿芝居にしか映りませんでした。大泉洋さんと小池栄子さんは地のままでもコメディセンスがある方々なのに妙な過剰演出でぶち壊し、ただラストシーンは秀逸、はじけて見えました。
ご両人は今度のNHKの大河でも夫婦役ですね、三谷演出でどう料理するのか楽しみです。
え!?死んでなかったの
大泉洋が出てるので見た。
小池栄子の声が変で不自然すぎる。ずっと違和感でみた。カラスの声かしらないけど小池栄子は普通に演じて良いに同意です。
とびきりの美人をみつけるのに小池栄子なの?他の愛人のほうがみんな美人のように思うのだが。橋本愛に緒川たまきに水川あさみ。本妻の木村多江だってきれいよ。まあ好みの問題か。
愛人に縁切りしていくという、何かどうでもいいストーリーが全く興味をもてなかった。しかしなぜ主人公はそんなにもてるのだ。時代ものなのに時代感覚があまり感じられない映画だしなあ。
何が面白いのかよくわからず、田島が暴漢に襲われたシーンを見てすぐに寝てしまい、起きたら朝だった。
もう1回途中からみたら、なんだ!?田島が死んだのか。あれで主人公死んじゃった?と驚いた。主人公が死ぬ映画は珍しい。興味を持ち出し、くいついて見た。そしたら小池栄子が墓までたててた。好きだったんだなあ。
そしてなんと、最後にドンデン返し。やっぱり死んでない!(笑)なんだそれ。
記憶喪失に2年なっていて、どこかで労働していた。小池栄子にまた会いにくる。小池栄子との対面シーンが感動的だった。。金を選ばなかった。まあそうだろうな。あれほど好きなら。しかし、田島はなんでそんなもてるの。
しかし浜田岳の金歯あれはやりすぎだろう。いくらなんでも。
ドラえもん?
期待し過ぎたのか、正直コメディとして中途半端というか、あまり笑えるシーンが無かった。金歯の濱田岳の変わりようくらいか。小池栄子の女優魂というのか力の入り過ぎる演技が、どうしても大山のぶ代?にしか聞こえず、誰もが納得する奥さんにも映らなかった。女性にモテる設定の大泉洋もどこが魅力的なのか、良さがわからず、飄々とするならもっと飄々として優男を演じてほしかった。
優柔不断な男を通して女性の強さ美しさが映える。
出てくる女性キャラクターが多彩でとても良い。
優柔不断男・田島周二(大泉洋)とお金にがめつい担ぎ屋・永井キヌ子(小池栄子)の恋愛ものでもある。
舞台は見た事ないのですが小池さんは舞台にも出演されていたようですね。
この映画でのキヌ子の芝居、ちょっとガラ声で芝居していますが舞台ではどうだったのでしょうか。
キャラクター的にそうしたのかもしれませんがやっぱりちょっと違和感があり、自分としてはいらない味付けかなと感じました。
ただ、それ以外の部分であまりある好きな点があるのです。
いいなと感じた点。
・展開がループじゃないのがいい。
愛人が複数人いて別れを切り出すループにはなっておらず飽きない。展開が違うのも女側の思想やスタンスの違いによって引き起こされているのが好き。
・キヌ子の人柄がいい。
親に捨てられ少し(?)常識がなかったりガサツな面はあるけど、ただの金にがめつい女ではなく、ピュアな部分をもちあわせているのが好感もてます。キヌ子を好きになるきっかけに十分なる。
・田島のどうしようもないキャラ(性格)
部下の清川伸彦(濱田岳)に言うセリフ。
「しかし、女はもっと素晴らしい。俺には女の素晴らしいところ以外目に入らないんだよ!」
人間味というか二面性というか、人には隠しておきたい部分をぶちまける田島が好き。
・脇を固めるのはやっぱり松重さん
文豪・漆山連行(松重豊)
田島の妻を横取りしておいて
漆山「許してくれるよな。後腐れないよな」
田島「…」(あるに決まってんじゃん!)
漆山「そう言って貰えるとありがたいよ。よしっ、来週でもあたり飲もう」
で、最後の笑顔。もう最高です。
・田島とキヌ子が近づくシーン
キヌ子が乱闘騒ぎを起こし、田島が署に迎えにいく。そことそのあとの飯屋のシーン。
などなど。
※以下はかなりなネタバレなので本当にネタバレOKな人だけ読んでください。
田島が死んだってなった時に、あぁこれは夢オチじゃ無ければいいのにな、と思ったのですが(夢オチは裏切られた気持ちになるので好きじゃない)、
田島を偲ぶ会あたりで、あ、これは死んでないなと安心。
実は絹子と一緒になってるのかな?とも思ったのですが、そうではなく、強盗に殴られ一時的な記憶喪失になっており、死んだと思わせるミスリードがあるだけで、嘘ではない実際の時間の流れがそこにある。こういう作りは好きです。
ありきたりな展開でもあるのですが私はベタ好きなのでとても好きな展開でした。
グッドバイから始まるアイラヴユー
原作は太宰治の未完の遺稿。
それを基にしたケラリーノ・サンドロヴィッチの舞台劇。
それを成島出監督が映画化。
成島作品でこの魅力的な主演2人にも拘わらず、何故か劇場公開時はさほど興味惹かれなかったが、見たらそんなのとは“グッドバイ”。
笑えて、意外や感動も。ほっこり面白かった。
終戦後のある男と女の物語…。
文芸誌編集長の田島は疎開させた妻子と再び暮らす為、幾人もの愛人との関係を精算。が、どうしたらいいか…。
昵懇の作家先生から美人に偽の妻を演じて貰って別れを告げるよう提案されるが、そんなちょうど良く居るものか。
居た! 街で見掛けた美人。
何とその女性は、田島と知り合いのキヌ子。普段は顔中汚れて仕事し、ダミ声で、大飯食らい。が、磨けば見とれる美人に!
金にがめついキヌ子に頼み込み、偽装夫婦で愛人を一人ずつ訪ね始めるのだが…。
何と言っても一番の魅力は言わずもながな。
大泉洋と小池栄子。
この2人の掛け合いは見る前から面白そう。いや、面白いに決まっている!
だらしなく、優柔不断。なのに、愛人を多く囲み、その関係はズルズルと。
情けなく、ダメダメなんだけど、憎めない。
それをさすがの巧演とコメディセンスで。
大泉洋のハマり役!
あ、いや、別に、大泉洋自身がそんな人って訳じゃなくて役柄が…ね、分かるでしょう??
大泉洋もいいが、その言わば“あげまん”の小池栄子。
彼女の魅力あってこその本作!
舞台版からの登板で、大泉洋以上にハマり役!
男勝りな姿と、美しく着飾った姿。どちらも素の小池栄子を見ているよう。
成島監督とは3度目のタッグなので、見事彼女の魅力を抑えている。
言うまでもなく、こちらも抜群の巧演とコメディセンス。
男勝りな小池栄子とレディな小池栄子。どちらもいいが、敢えて言うなら、前者かな。
だって、分かるでしょう??
この2人の掛け合いが最高!
まさしく、夫婦漫才!絶品芸!名舞台を見ているかのよう。
何度も共演しているように思えるが、これが本格初共演なのが驚き!
演技の巧さや相性の良さだね。
周りも演技巧者たち。
作家先生役の松重豊、田島の部下の濱田岳もなかなかクセ者だが、やはり百花繚乱の女優たち。
メンタル不安定の緒川たまき、怖~い兄がいる挿絵画家の橋本愛、クールな女医の水川あさみ、そして肝が座っている本妻の木村多江…もうタジタジ!
それから、戸田恵子の言う事は守りましょう。
初のコメディ映画で、主演2人の魅力を存分に活かし、成島監督の演出は軽快。
昭和テイストもノスタルジック。
偽装夫婦に成り済まし、訪れた愛人先で珍騒動。
実際、そうだった…中盤までは。
ある人物からまさかの裏切りに遭い、あっという間に妻から離縁。
人生どん底。そんな時想う君は…
彼女の元へ急ぐ。
が、思わぬ悲劇が…。
太宰治の原作は映画中盤の愛人巡りまで。
確かにコミカルな前半から突然のトーン変わりの後半。
でも不自然ではなく、そこは名脚本家・奥寺佐渡子の巧みな語り口。
ダメ男とガサツ女のドタバタ艶笑劇と思っていたのが、映画オリジナルの思わぬ感動の結末へ。
グッドバイからアイラヴユー。
嘘から始まった人生讃歌であった。
いとをかし
総体的には喜劇なのだけど、不思議なうねりを感じる作品だった。
女房の他に十数人の愛人を抱える田島という男が主人公なんだけど、こいつがどこか憎めない。そういうキャラを演じるに大泉氏は抜群のキャスティングで他にいないだろうなと思える。それと対になる絹子を演じる小池さん…全く見劣りしなかった。
作品のカラーもあるかもしれない。
お芝居の質もどこか誇張されてる部分もあって、最初は鼻につくものの世界観が助けてくれる感じ。どこか自分達とは違う空気感がそこはかとなく漂う。
戦後という時代背景や、言葉使いがそう感じさせてくれたのかも。
太宰治がそうさせるのか、ケラリーノ氏の脚色がそうさせるのか…不思議なうねりを感じてた。
喜劇なのだけれど、相当に悲劇でもあるのだ。その悲劇を悲劇として描いてはおらず、誰もそれを悲劇だと受け止めてないような。
そこに出てくる占い師。
俺は感じた事はないのだが、宇宙の意志がそこに作用でもしてるかのような錯覚。
そんな登場人物がいるせいかなんなのか、妙な浮遊感を作品が帯びていて、なぜだか物語を俯瞰してしまえるように思う。
なんちゅうか、人の世を達観してしまえるような…自分自身ですら、どこを根拠にそんな事を考えたのかはよく分からない。
まぁそれでも、鑑賞中は楽しかったし、捨て犬のような目をする大泉氏に「似合うなぁ」とクスリとせずにはいられなかった。
「悲劇は喜劇」とかなんかそんな標語も思い出しはするのだが…悲劇も喜劇も、その人次第だなぁとも思う。
おかしいな、なんか哲学的な感想になっちゃった。太宰のせいかもな。
ポスターの大泉は欽ちゃんに似ている
2020年映画館鑑賞21作品目
元になった舞台は観たことはない
ケラさんの作品
脚本がとにかく素晴らしい
太宰治の作品をヒントにしたようだが
舞台は好評のようで小池栄子が受賞したというのはこれか
なかなか東京の方には行けないが近くでもやるならこれは舞台でも一度は観てみようと思う
間抜けづらで野暮天の大泉洋がモテまくるという設定に無理があると瞬時に感じた
だが斜視の大杉栄だってモテまくるんだから女を惹きつける男の魅力はそういうことじゃないかもな
腐女子向けのゲームに大泉洋のようなおっさんは見たことないけど
話としては意外な展開
「主人公死んだのかよ」「まだ30分くらいあるのにどうすんだよ」「生きてたのかよ」
そして感動の再会
そしてハッピーエンド
舞台を知らない人にとっては読めない展開でパラサイトと違い後味が悪くないから恋人同士や家族で観てもそこそこ面白いんじゃないか
女優陣の演技力と役作りが凄い
小池栄子の声というか喋り方がなぜか汚い
初代オバQの声やヘドリアン女王などを演じた曽我町子を彷彿とさせた
絵描きの橋本愛も妻の木村多江も医師の水川あさみも易者の戸田恵子もよく仕上げてきたが花屋の緒川たまきが特にすごい
バーのママが犬山イヌコだと気づかなかった
役者の名前は知らないが作家のお手伝いさんも良い味出していた
ポスターのデザインがいいですね
予告編もほとんど観た記憶が無いし内容はほとんど調べなかったけどポスターを観ただけで観たくなりなりました
アカデミー賞もカンヌもベネチアも獲得できないかもしれないがこれはなんの文句もなく傑作
こういう作品は舞台を観たことがない人の大多数が舞台の方も観たくなり実際に観にいけば大成功
舞台のファンも当然映画の方も観にくるという計算が成り立つ
舞台の方が面白いという感想ならそれはそれでいいわけで
これは舞台の方がぜったい面白いよなぁ(たぶん)
戦後しばらくしてからの日本。
そこかしこに闇市が立ち並んでいる。
文芸誌編集長の田島周二(大泉洋)は優柔不断な男だけれど、なぜだか女に滅法モテる。
青森に女房と娘を疎開させているが、愛人の数は十数人。
けれど、疎開先から届いた娘からの「会いたい」と書かれた拙い手紙を読んで一念発起、愛人たちと別れる決意をした。
入れ知恵したのは作家の漆山(松重豊)、「偽の女房と連れ立って愛人のもとを訪れて、やんわり別れを切り出せば・・・」と。
早速、担ぎ屋の大飯食らいのキヌ子(小池栄子)を偽の女房に仕立てて愛人のもとを巡っていくことにしたが・・・
といったところからはじまる物語で、サブタイトルにあるような悲喜こもごもの人生喜劇。
設定的には、戦前のフランス映画『舞踏会の手帖』『輪舞』のようなハナシかしらん、と思ってニヤついて観ていたけれども、途中で疎開先から女房が帰ってきてしまい、輪舞形式は尻切れトンボ。
あれまぁ、十数人の愛人がいたのではないかしらん? と思うわけでして。
で、その後はなんと、件の田島が死んじゃったあ! となってドタバタ度合いが強くなって、泥臭くなってしまい残念。
主役ふたりの顔合わせには満足だけれど、これは舞台の方がぜったい面白いよなぁ、と思っちゃいました。
演劇っぽい
ドタバタ感、セリフまわし、演出など良くも悪くも演劇っぽい。
舞台版からこの役を演じ続けているという小池栄子さんはさすがですねー!
ダミ声の男っぽいキャラも、上品で洗練された奥さんも見事に演じわけていて、説得力がありました。
あとこの時代の雰囲気やファッションはとても素敵です!
いかにも太宰っぽい
どんな話か前情報知らずにいきなり見たが、
ダメ人間具合がまんま太宰はんやなあって印象。
それなりに面白かったが最後の方は納得できないな。
絹子がどうして惚れたのか謎。
ダメ人間に魅入られたか?それにしても心境の変化が分からん。
そうなるだろうと言う予感はあったが絹子が惚れた描写がなくいきなり墓だもんね。
愛に生きたシュウジ クリエイティブを生むKERA
この映画にはふたつのフィルターがあると思いました。
~ ひとつめのフィルター ~
【太宰 治 = 津島修治 を感じられるか?】
太宰は自分の身の上を落とし込んだ“私小説”のような
作品を数多く残しました。
父親との確立、自己の嫌悪と顕示欲…
妻子がいながら愛人と付き合っていたり
ついには女性と入水心中を遂げてしまったり…
実生活の、こと女性関係も題材に
取り入れていました。妻も、愛人も、同様に…
身を滅ぼした“破滅型作家”なんて言われてしまうも
そんな自分に嘘をつけない、不器用で人間臭い。
女性の厄介事を全部背負い込んでしまう…
そんな太宰の人間性をも含めて、
皆さんに親しまれている理由なのでしょう。
本作の原案『グッドバイ』も未完の遺稿ながら
太宰の私生活にまつわるような短編小説…
もはや短編だったのか長編だったのかも
分かりませんが、ひとつ言えることは
田島周二 = 津島修治 であったのだろう…
(※当初、映画用のお話を依頼されていたものを
新聞で連載予定していたとか。
でもどうなっていたのかは誰にも分かりません…)
~ ふたつめのフィルター ~
【 ケラリーノ・サンドロヴィッチ を感じられるか?】
鬼才ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以後KERAさん)が
未完なことをいいことに(笑)大胆なアレンジと解釈で
換骨奪胎を試みた意欲的な舞台演劇が本作の屋台骨!
ラブコメを基調としながらも、随所にはっとさせられる
巧みな仕掛けをほどこす手腕にうなってしまう!
とは言え、それは舞台演出込みでの印象。
わたしはKERAさんが手掛けた作品は、生の舞台をひとつ、
映像化になっているものをひとつだけしか観ていませんが
どれもエモーショナルでクリエイティビティあふれる
センスの塊のような舞台だと思いました。
本作の映画はやはり「舞台らしい」場面が
いくつかありました。
ふたりの言い合いだったり、
限られた空間での複数人のやり取りだったり、
誇張気味の表情や演技だったり、です。
これぞ!KERA作品!と言うべき場面展開はありましたが
観客に直に接して、感じてさせて
感性に訴えかけたり、想像で補完させたりといったものは
やはり舞台上で機能していたものなので
映画では多少インパクトが薄くなってしまっている感は
否めないのですが、それでも、
観劇初心者のわたしなんかでも
KERAさんらしさは感じられました。
そんなフィルターにかけなくても
十分に楽しめる映画だと思いますが
でも楽しんだもん勝ちっしょ!
モボとモガのドタバタ喜劇でなんか惜しいんです。
邦画のレトロかつクラシックな雰囲気の作品は結構好きで、そこに大泉洋さんと小池栄子さんが出演しているとなるとハズレ無しな感じで、気になって鑑賞しました。
で、感想はと言うと、惜しい。
面白いんだけど、なんかいろいろ惜しいです。
作品のレトロ感は良いんですよね。
大泉さん演じる田島は小説雑誌の編集長で優男で恋多きモボ(モダンボーイ)。
大泉さんが田島をシャレオツかつ悩み多く純粋に演じられていて良い♪
降り幅の広い大泉さんはキャラを過剰に演じられる(演出される)事も多いので、控え目で女好きが面白い。
丸眼鏡が似合ってます♪
小池栄子さん演じるキヌ子が男勝りでパワフルかつたくましく戦後の動乱の時代を一人で生き抜いている。普段は化粧っ気も無いが、素はとっても美人さん。でも一人の時はお洒落に勤しむモガ(モダンガール)。雑に見えるけど、裏表が無く、純粋。
小池栄子さんの美しさと降り幅の広さが良い感じなんですよね。力持ちなのも素敵♪
松重豊さんが良い感じ。大正、昭和と駆けた文豪っぽくてシニカル。小粋な初老感が良いんですよね。
大泉さんと松重さんの掛け合いは楽しい♪
緒川たまきさん演じる未亡人の青木さんが二階から飛び降りてきたのにはビックリ。
橋本愛さん演じる画家の水原は綺麗。橋本愛さん、可愛くて綺麗です♪
テンポも良いし、雰囲気も良い。ケラリーノ・サンドロヴィッチさんの原作だけあって演劇的な感じも良い。
そこに奥寺佐渡子さんが脚本を担当されて、ライト感覚の喜劇になってる。
楽しく映画を観れる要素は十分。
大泉洋さんよりも、小池栄子さんの活躍が嬉しい。
なんですが、やっぱりいろいろと惜しくてツッコミ所も結構ありますw
・素が美人さんのキヌ子が終始ダミ声で声を変えているのは何故?
動乱時代を逞しく生きる為にあえて声を変えてるにしてもちょっとやり過ぎで、どこまで続いて、いつ元の美しい話し方に戻るのか期待してたぐらいにマイナス点でキヌ子のダミ声が合わない。
ラストでは普通の話し方になってたけど、もっと早くから戻した方が良かったかなと思います。
また、愛人達との交渉時にちょこちょこニセ嫁と言うのがバレ過ぎの白状し過ぎw
ここを上手く騙くらかして、偽りの夫婦から、互いを意識しあって昇華するのが良いのでは無いかと。
・田島と濱田岳さん演じる清川を占い、恐ろしいまでに的中する易者が唐突過ぎる。
最初はなんかの仕込みか?と思ったけど、そうでもなく、だいたいどころか無茶苦茶ズバズバと当ててるw
それまでの伏線も何も無いままの登場で呆気に取られたと言うか、勿体無い。
これが演劇なら問題無いかも知れないけど、映画なら唐突過ぎます。
また、あれだけ嫁と娘に固執していたのに、占われてから一気にキヌ子押しになったしw
・田島が付き合ってた他の7~10名の女性は?
冒頭で愛人が十数名と言ってたのに、出てきたのが3名はちとはしょり過ぎでは。
奥方がそれぞれに手紙を書いたにしても、無かった事の様になってる。それなら“十数名いる愛人の中でも別れたくない程愛している女性は3名”と言う件りを付けた方が良かったのではないかな。
登場が3名では田島の恋多きプレイボーイっぷりが活かしきれてないと思います。
・田島を狙ったのは結局誰?
金をバラまきまくった事で強盗に教われたのは分かるとしても最初、犯人は清川かと思ったw
ちょっとこの辺りも唐突過ぎ。
・田島が売られた採石場からの展開が急過ぎ。
記憶を取り戻したのは良いとしても、記憶が戻って、売られて来たのにそんなに簡単に採石場を抜けられるの?
また、死んだとされ、田島の死体と思われた他人もサクッとスルーだったし。
・キヌ子が田島に向けて全財産をはたいて建てたでっかいお墓は田島への愛の証かと思われますが、キヌ子の田島への愛の変換の描写も殆ど無いし分かり難い。
キヌ子が田島をいつの間にか愛していたと言うのはフラグであっても、それが殆ど無い。
田島がキヌ子を愛している件りはあるのに。
それなら、あの戸田恵子さん演じる易者にキヌ子も占ってもらった描写を入れても良かったのではないでしょうか。
と、まぁいろいろと好き勝手書いてみましたw
でも、とても良い部分が多いので、気になる所は気になってしまうのですが、脚本を担当された奥寺佐渡子さんは「サマー・ウォーズ」「八日目の蝉」を担当された好きな脚本家さんですが、監督の成島出さんも「八日目の蝉」の監督さんで、最近では「ちょっと今から仕事やめてくる」を担当されていて、あの作品を観た時の同じ様な違和感と言うかむず痒さを感じられたのは偶然かな。
どちらにしてもなんか惜しい。
楽しめる要素はいっぱいあるのに、いろんな食材をふんだんに使ってるけど、仕込みと下処理が甘い様な感じ。
前半が割りと丁寧なのに、後半が急いでいて失速感が感じられる。ドタバタでまとめきった感じともっとドタバタしても良かったのではないかと思います。
…やっぱり惜しいなぁ。
あくまでも個人的な感想の1つですので、一意見として捉えて頂ければ幸いです。
集中力がグッドバイ
メンズデーに何かという事で鑑賞
人間失格と共に連載中に入水自殺し未完に終わった
原作は太宰治…「人間失格HUMANLOST」は
コテンパンなレビューしましたけど
さて今度のはどうか
感想としては
説明不足の世界観
ストーリーに集中できない程の演出の不快さも相まって
清々しくつまらなかったです
原作は戦後の日本で雑誌編集長をやりながら闇市で金儲けも働き
愛人も抱える惚れっぽいが気も優しい田島周二(大泉洋)
そんな自分に嫌気が差し遠方の妻子とよりを戻すべく愛人に別れを
告げるべく作戦を練る中でかつぎ屋(地方から闇市に物を運んで売る人)
をしながら遊ぶときは一転おすまし美女に変身する永井キヌ子(小池栄子)に
代理妻を頼み愛人に別れを告げていく中で色々起こるストーリー
田島周二は優男風の俳優が合いそうなのでマジメっぽい大泉が
やるなら相当キャラを変えるのかと思いきやそのまんまでした
正直大泉では田島のヒモよりダメ男な感じが出ておらず
こう言っては何ですが安田顕のほうが合っている気がします
永井キヌコの小池栄子はこれが意味がわからない
力持ちの大食らいというキャラだからかあからさまにガサツな
ダミ声で演じさせているのですがこれがまぁ滑ってまして
元々小池栄子は声が太いのにそんなの必要ないし
場面によっては素に戻ってます
じゃあやるなよと
あと全体的に役者の演じ方が舞台のようで
ありえないテンションで大声でがなりちらす・叫ぶ
これがまあイライラしてきます
だんだん映画を作っているつもりがそもそも
あるのかどうか疑問に思えてくるほど
また原作は未完で結末を製作が足したことになって
いますが…なんか泉アツノみたいな占い師が
金運がどう女難がどういかにも登場人物の運命を
言い当て明示していきます
…これは原作にいたのか知りませんがただの説明キャラ
なのですが「これからこうなる」を説明する人を用意する
くらいなら冒頭のキャラクター説明をもっと細かくやるべきです
田島とキヌ子もそれぞれこういう人がいましたと言う説明は
あるものの関係性には触れないのに田島が一目惚れのように
キヌ子に惹かれたように演出しておいて
いきなり知り合いかのように話し始めたり意味がわかりません
ストーリーは全体的に浅いくせに説明不足
なんかもう話の筋は知ってるでしょう的扱いにも見えます
話が進みそうになるとギャーピーギャーピーわめいてイライラしてきます
濱田岳とかこういう演技ばっかであちこちで見るんで本当に嫌いになってきます
うるさい
根本的に
戦後という世界観で愛人との関係性が何か現代と何か違いがあるのかも特になく
なぜ舞台設定する必要があったのか分からないくらい話が浅い
愛人も数人しか出てきません(これは原作が未完だったからでしょうか)
映画で予算が付いたから戦後舞台設定にしたんでしょうか
他に注力すべき事がいくらでもありそうです
とにかくこの作品が言いたいことはよくわかりません
戦後のビジュアル演出は悪くないですが
ハッキリ言って主演の二人はミスキャスト
あんまり飲み込んで演じれていたとは思いません
小池栄子はグラドル出身としては恐ろしいくらい演技派なのは
わかります
大泉洋もはや日本を代表する俳優なのはわかっています
それだけにもっと出演作品を考えた方がいいと思います
個人的に太宰治原作映画に当たり無しです
女は一筋縄ではいかないのです、
少なくとも、ここに登場する女たちは。ただかわいいだけの存在だと思ったら、しっぺ返しを食らうのです!
女優陣は魅力的でした。突拍子もない設定で、ちょっと無理もありましたが、色々なシチュエーションの「グッドバイ」もあって、うん、面白かったし、ラストが良かったです。
小池栄子さんは美人で演技もうまいと思ってましたが、こんなに美しかったんですね。
ただ演出はいくつかうーん、という点が。
キヌ子のだみ声という情報があったので、てっきりマイフェアレディのイライザみたいな女性かと・・・でもそんなに下品な女性ではなかったから、ちょっとやりすぎでしたね。
大泉洋さんは(好きですけど)色男には見えないので、冒頭に、話術で女達をうっとりさせ、部下の清川を心酔させるようなシーンがあっても良かったかも。バーで逆切れ的に大声を出したのはびっくりしました。
戦後間もない設定にしては、愛人たちは綺麗にし過ぎではないでしょうか。
あと、花屋。あんな花器とか、アネモネとか、ピンポンマムとか、赤いユリとかあったんでしょうか。なんか昭和の花屋らしい花が一つも無くて笑えました。
【男に翻弄される女達、女達に翻弄される男の可笑しみ溢れる物語。女優、小池栄子の凄みを再確認した作品でもある。】
最近、昭和レトロスペクティブ感溢れる邦画コメディの秀作、佳作が良くスクリーンにかかり、嬉しい限りである。
今作も、その流れを汲んでいる。
太宰の遺作をケラが舞台化したことは知っていたが、こう来たか!というのが正直な感想。良い。
田島の情けない姿、彼を取り巻く美しき女性達。皆が田島に振り回されたと言うが、何だか嬉しそうである。
田島を演じた大泉洋は安定したコミカル演者振りで良い。
圧巻はキヌ子を演じた小池栄子である。闇市で稼ぐ大食い女からのあの変身振り、あのダミ声・・・。
いやはや、濱田岳の金歯の輝きも色褪せる凄さである・・・。
そして、終盤の健気な姿。
田島を偲ぶ会で、他の女達があっけらかんと"過去の人"を語る姿に対し、途中で言葉に詰まるシーンや、あの可笑しくも、涙するシーン等流石である。
〈大切な人は意外と側にいるという王道パターンだが、それが良い。巨匠、成島監督、コメディ路線もいけるではないか。〉
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