「偽ななこは良いけど、終盤の流れはちょっと……」映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者 nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
偽ななこは良いけど、終盤の流れはちょっと……
「クレヨンしんちゃん」は、直近の映画7作品と「オトナ帝国の逆襲」をテレビなどで観たことがあります。
ストーリーは、空に浮かぶ城に王に姫に勇者と、ファンタジーテイストが濃いものでした。
カラフルでシュールなラクガキングダムの幹部たちは、ビジュアルは面白かったですが、特に見せ場がなかったのは残念な気がしました。
後々戦ったりなどするのかと期待していたのですが。
防衛大臣役の山田裕貴は、声の演技も良くはまっていたと思います。
キャラクターでは、ぶりぶりざえもんと偽ななこお姉さんが好印象でした。
ギャグ要員と思いきや、やる気がないと思いきや、ラクガキの微妙な顔と思いきや、といったギャップで魅せてくれます。
特に、偽ななこの意外なカッコよさが良いです。
しんのすけのラクガキから生み出されたキャラクターで、無条件にしんのすけを助けますが、もともと自分の意志があるのかないのか分からないと考えると、微妙に悲しい存在のような気もしますが。
しかし、ユウマは、ストーリーを繋げるための都合の良いキャラクターのような印象でしたが。
春日部に帰る交通手段を得るとか、ぶりぶりざえもんとの絡みとか、理不尽に大衆の怒りの矛先になるとか、逃げだした大衆を説得するとか。
クレヨンの減り方も、あれだけ描きまくってて、そこでなくなるのかとか。
終盤の大衆の愚鈍ぶりは、あまりにも極端で唐突過ぎるような気もしましたが。
身勝手な大衆が善良な者を糾弾する流れは、腹立たしくも善良な方を応援したくなるシチュエーションですが、個人的には、唐突で極端すぎるので、悲劇の勇者感アピールの演出のように感じてしまいました。
あれだけ身勝手な愚鈍ぶりをさらしていた大衆が、あの説得で変わるか?と思いますし。
パニックで主人公の仲間たちが協力を求めるのを無視して逃げ出すが、説得で思い直す、くらいの流れなら納得できますが。
あそこまで子供たちを身勝手に責め立ててから無視して逃げる、からの流れだと、嘘くさく感じてしまいました。
バタバタとテンポの良い笑いやアクションは、やはり楽しめました。