「結局何のために落書きするの?」映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者 Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
結局何のために落書きするの?
クレしん映画は毎年観てるわけではありませんが観賞
声優の交替など色々興味深い部分もありました
感想としては
テーマもまあわかるし面白かったのですが
ちょっとクレしん映画に期待していたものが
そんなになかったかなという感じでした
子供の落書きからパワーをもらって成立している
ラクガキングダムが最近落書きを子供がしなくなり
崩壊の危機にある現状で防衛大臣が
春日部に無理矢理乗り込んで強制的に落書きを
書かせようとする所で
クレヨンを使える勇者のしんちゃんに救ってもらおう
という展開
序盤から結構引っ掛かったのが
タブレットやVRで落書きはしているんです
でもラクガキングダムは手描きじゃないとどうも
有効ではないかのように展開します
にもかかわらず子供が落書きをしなくなった
という前提で話が進んでいくところに
結構違和感ありました
しんちゃんは王国を救ってくれとクレヨンを受け取りますが
いきなり頼まれてもあまりにアテが無い気がしました
クレヨンを渡す宮廷画家が捕まるのがちょっと
早過ぎる気がしました
その代わりに仲間になるパンツはキングダムの
侵略軍と戦う方法ばかり言うので全然かみ合いません
春日部まで山道を歩いて戻る途中で春日部に
母親が行ったきり帰らないユウマという少年と会い
みさえ達を助ける目的に切り替わります
しんちゃん達は春日部に戻りクレヨンを使って
壁に貼り付けられた大人たちや無理矢理落書きを
させられている子供を助けますが結局クレヨンを
使い切ってしまいラクガキングダムは崩壊し
春日部上空に落下してきます
すると掌返しに大人たちはしんちゃんを責め始めます
この作品基本的に出てくる人達がまるで
かみ合ってないから話が掴みづらい
確かにしんちゃんがいつものおとぼけで
ふざけるけどそれが功を奏すみたいな
お決まりの展開はありますがそれにしてもバラバラ
後から都合良くああしろこうしろ言ってくるので
今誰がなんの目的で行動してるかが通念的でなく
バラバラで行き当たりばったり
それでクレヨンしんちゃんのレギュラーキャラの
個性が全然見えてこないのが残念でした
結局最後は落書きをみんなでしてラクガキングダムを
救って春日部も救おうという敵と味方の目的が一致するのですが
結局何かのために無理矢理落書きするという図式が全く変わっておらず
結局なんのために子供が落書きするかといった部分は
あんまりどうでもいいんだなと感じました
だから終盤のみんなで落書きし始めるシーンは
なかなか異様な光景に感じました
そしてエピローグでラクガキングダムの姫が
ユウマにタブレットで描かれた世界中の落書きを見せ
落書きは無くなっていないと気が付き喜ぶシーンがあるのですが
ちょっと待って
じゃあそのタブレットの落書きはキングダムの力にならないの?
あると気が付いたらパワーになるの?そんないい加減な
もんなの?と思いました
まぁそこまで突っ込まなくてもいいんですけど…
デジタル社会で子供が絵を描かなくなったみたいな
のをテーマにしたかったのでしょうが
あんまり消化し切れてない感じもしました
自分がたいてい低評価する
「掲げたテーマを表現し切れてない」映画です
交替した声優さん達の演技は相変わらず見事だし
ゲスト声優さん達も上手かったと思いますが
もう少しクレしん映画らしさを感じたかったかな