ラフィキ ふたりの夢

劇場公開日:2019年11月9日

解説・あらすじ

2018年・第71回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品され、ケニア映画として初めてカンヌ国際映画祭に出品された一作。強くひかれ合う2人の少女が、古いしきたりや偏見、同性婚を禁じる法律など社会の壁にぶつかりながらも本当の自分であろうとする姿を、音楽やダンス、ファッション、アートなど現代のアフリカンカルチャーにのせて描いた。看護師を目指す少女ケナは、母親とふたり、ケニアの首都ナイロビで暮らしてた。母と離婚した父親とは離れて暮らしているが、国会議員に立候補して父をケナは応援している。そんなある時、父の対立候補の娘で自由奔放な少女ジキと出会う。ケナとジキは互いにひかれ合い、その思いは次第に友情から恋心へと変化していくが……。

2018年製作/82分/G/ケニア・南アフリカ・フランス・レバノン・ノルウェー・オランダ・ドイツ合作
原題または英題:Rafiki
配給:サンリス
劇場公開日:2019年11月9日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11

(C)Big World Cinema.

映画レビュー

3.0 恋ではなく作品にもどかしさを感じる

2025年6月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

カンヌ国際映画祭出品作品でありながらケニア本国では上映禁止という女性同士の恋愛青春映画。

南アフリカ以外のアフリカ映画を観る機会は非常に少ない。作品がほとんどないので。下に見ているわけではないが映像の美しさとクオリティの高さにまず驚いた。
原色系の鮮やかな前半。一転して色の抜けたような後半。美術方面はかなり頑張ったのだろう。
そういう意味では映像表現に重きを置いているカンヌにふさわしい作品だったかなと思う。

しかし観ていると、恐らくケニアでの上映を目指してか掘り下げが明らかに足りない部分があると感じた。あと一歩踏み込まないもどかしさが常にある。
それでも結局ケニアでは上映されなかったわけで、観れば納得なんだけど、同性愛が違法の国には表現がストレートすぎた。

製作者にはケニアの法を変えさせたいという思いがあると思う。カンヌで賞をとって話題になり外側から攻めたいのであれば表現不足、踏み込み不足だし、ケニアで上映を目指すのならばやり過ぎで、どっち付かずの中途半端だった。

ケニアでどんな感じなのか想像もつかないが相当危ない橋を渡ったのだろうことは理解できるものの、仮にこれがフランス映画だとしたら特に持ち上げられることもなかっただろう。

二人の両親が選挙の対立候補なのだが、これに絡めて同性愛に理解のあるケニア人、理解のないケニア人の対比にもっていくのかなと思ったけれど、そういったものは全くなく、ただロミオとジュリエットの禁じられた恋のための舞台装置で意味なかった。
そもそも同性なので禁じられているわけだしね。

批判的なレビューになってしまったけれど、ざっくりと良い映画だったとは思う。
しかしケニア映画だからという理由だけでこの作品を評価してしまったら同種のもっと踏み込んだ作品に失礼だし、なによりケニアを馬鹿にしているようになってしまう。
そういうわけで星3つ。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
つとみ

3.5 それは悪魔ではない

2024年11月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

変異を認めてそれを取り除いてほしい・治してほしいと思うことは、悪魔を払ってほしいというのと本質的には変わらないのだなあと思った。人間が個人の意志と欲望を持つこと自体が悪魔憑きと見做される時代と文化があるし、科学的とされる医療行為も、ベン図では悪魔祓いと重なるところがある。あと、ソーシャルなもの・法的なものとの関数も。しかし、性的指向や性自認などはそもそも「治療」の対象として変容を求めるようなものではないのだが、科学的にも法的にも宗教的にも、「取り除く」べきものと見做されてきた歴史がある。変化し治療されるべきなのは、社会であるのに。そんな人間の歴史を凝縮したようなストーリー。/ジキもケナもファッションがかわいい。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ouosou

3.5 みずみずしく同性愛を描いたケニア映画

2022年8月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

2018年作。
ケニア映画として初めてカンヌ国際映画祭に出品された映画です。
ケニア=アフリカの国
まったく知らない国と人々です。
いかにもアフリカと私たちが思い描いているカラフルな色彩。
澄み切った空にアパートに掛けられた洗濯物。
スケボー。路上のダンス。
室内は想像以上に色彩に溢れている。

主人公の2人の若い女性。
ケナとジキ。
ボーイッシュで贅肉0%のスリムなジキ。
ジキとは対照的にむっちりしてるし、顔も派手なケナ。
スティービー・ワンダーみたいなケナの編み髪は、レインボーカラーなのだ。
そんな2人は一眼見た瞬間から恋に落ちる。

ケナの瞳と唇。
ジキの瞳と唇。
2人ともクッキリした大きな目と、たらこ唇を持っている。
ケニアでは同性愛は違法、禁固刑もあり得る。
重たいテーマなのだ。

しかし映像は明るいし、スタイリッシュで可愛らしい。
乙女チックです。
そして、なんと2人の父親は国会議員候補で、対立しているのだ。
2人の恋愛は家族も政治も巻き込んでしまう。
映画は、ケナとジキが暴行を受けるシーンもある。
でもそんなに深刻に殺人が起こったり、警察に収監されたり・・・そんな展開はして行かない。
どこまでも、明るく可愛らしい映画だ。

しかし現実には、ケニアで一般上映は許可されず、市民は観る事も叶わない映画なのだった。
それだけケニアは同性愛への拒否感は根強いのだ。

女性監督のワヌリ・カヒウ監督が脚本も書きました。
「ラフィキ」製作の実現には資金調達を含めて準備期間が6年近く掛かったと聞きます。
ケニア映画としてはじめてカンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品され、
本国ケニアでもたった1週間の上映がやっと実現しました。
そんな困難を感じさせないほど、映画は瑞々しく美しい。
「ラフィキ ふたりの夢」
その明るさに、ケニア映画の希望と可能性を強く感じる。
そして遠いアフリカのケニアの若い女性たちは日本の女の子たちと、
少しも違わないのだ。
(その事に驚く自分にも驚いた。)

コメントする (0件)
共感した! 0件)
琥珀糖

3.0 アメリカ見たい

2022年1月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

ケニア、ナイロビの中産階級のお話。
アメリカの地方都市の様で、まさか、ナイロビ(?)には見えない。ヨーロッパの映画の様で、あまり新鮮さがない。
シェークスピア見たくなるのかと思ったら、そうでもなかったので、折角の設定がもったいないなあと思った。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
マサシ