「Wings for Life」水上のフライト Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
Wings for Life
予告を何度か見て
貸し切り状態でゆったり観られる平日レイトで観賞
コロナがなければ東京五輪・パラ五輪前に公開される
はずだった不慮の事故で一度は夢破れたアスリートの
再起ストーリー
感想としては
・障害学に準じた主人公の心理変化
・それをきちんとこなす中条あやみの豊かな表現力
・パラスポーツの概要や現実
まあ題材的に文科省やスポーツ省推薦っぽい
想像のつきやすい展開ながら丁寧な仕上がりでした
ただただ勝利に拘り敗者に同情もしない
走り幅跳びの女王に君臨していた藤堂遥
オリンピック代表も確実視されていた彼女が
ある大雨の日に不慮に交通事故によって脊髄損傷
下半身不随になってしまいます
人が障害を受容するまでには
ショック期
(起こった事を認識できずぼうっとする時期)
↓
否認期
(自身の今の状態を認められず治ると思っている時期)
↓
混乱期
(何故こうなったかとやり場のない怒り爆発させる時期)
↓
努力期
(状況は理解しするべき事を目指しはじめる時期)
↓
を経て障害を受容していくと言われています
この過程にかかる期間は個人差で全く異なりますが
やはり若い人ほど早いです
そして他人の協力を得る機会が多くなっていきます
この映画はそのあたりに焦点が充てられていました
遥への周囲の接し方は無神経ではないかと感じる瞬間も
観た人にはあるかも知れませんが健常者と変わらない接し方を
こうした方は求めていたりします
これはノーマライゼーションと言います
つまり健常者も障害に対する理解を正しく持つことで
変わらず接することが出来るわけです
他にもパラスポーツが通常の競技と異なりフィジカルと
装具を使った健常者以上の過酷なトレーニングをこなして
実施されている事やまだまだ公的補助も少ないこと
様々な描写が出てきて理解を深めるきっかけなるよう
出来ていたと思います
リハビリ職を目指す学生さんは是非見てほしいです
まだ不透明な東京五輪の開催是非ですが
やはりこういう映画を観ると人生賭けて開催に向けて
努力している人々の願いが叶って欲しいです