「キャラ起てがすごい」水上のフライト Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
キャラ起てがすごい
オープニングの競技会シーンでキャラを起てきるんだよね。素っ気ない反応とか、後輩育成に協力せず独りでなんでもやってます感とか。
それでお母さんに「迎えに来て」っていうんだけど来れないっていうネタ振りもしといて、「オリンピック候補うれしい!」って走り出すと激突っていうショッキングな始まり。
あとは、主人公が再生していくのを観るだけなんだけど、キャラが起ってるから、ストーリーが自然に進むね。
この話、「交通事故で走り高跳びをやれなくなった主人公が、カヌーでパラリンピックを目指す」っていうだけの話なんだよね。10分で終わりそうな話だけど、100分超の尺で観せてくる手腕がすごいの。
なんだかんだあって、近くに装具を作る人がいて、その人の事情を聞いてると主人公も「がんばらなきゃ」って気になるところは御都合主義的なんだけど、主人公は真っ直ぐで素直な人だから、そうなるかもなあって納得感がある。
それで選考会に向けてトレーニング頑張るところは「このままトントン拍子にはいかないから、どこかで逆風くるんだけど、どこだろ、嫌だなあ」と思ってみてたら、陸上エピソード入れて、主人公の成長を観せて終わりで良かった。このシーンの高月彩良もとても良かった。
ラストはまあこんな感じだよね。
ただ勝負の途中で「みんなでゴールするんだ」って言って、一瞬、勝ち負けより、とにかくみんなでやってきたことをやり切るんだってところに集中するの良かった。
そしてこの作品での中条あやみは綺麗だね。こんな綺麗な中条あやみは観たことない。少女漫画原作作品から抜けて少し大人になった感じがしたよ。
脚本は《超高速参勤交代》の土橋さんで、キャラ起てるところや、その後の展開や、解りやすくうまいの。さすがだと思ったよ。