「愛狂しい世界」映画大好きポンポさん ONAKAMAさんの映画レビュー(感想・評価)
愛狂しい世界
いや〜本当面白かったです!
今作を制作しているCLAPというアニメーション会社を私は知らなかったのですが、手拍子しながら会社ロゴを紹介する冒頭でグッと心を掴まれました。
可愛らしい絵のタッチからは想像できない超本格的な映画作りを一貫して描いています。過去のアカデミー賞ではCM中に発表されていた編集にもフォーカスを当てていて、編集シーンが常にカッコいいです。
キャラクターたちも魅力的で、すごく活き活きしています。全員表情豊かで、動きもグワングワンしていて、観ていて目に栄養が補充されました。ポンポさんが子供みたいな見た目ですが、映画に対する考えが超真面目かつぶっ飛んでいて、そのギャップにもついニヤけてしまいました。ジーンも単純なネガティブキャラではなく、自分自身のエゴや尋常じゃない映画愛も持ち合わせており、内に秘める情熱キャラに仕上がっていました。ナタリーは非常に愛らしいキャラです。可愛くもあり、お茶目でもあり、それでいて仲間思いでありと良い子属性詰め合わせの良い子です。
ポンポさんが劇中で発していた言葉が後々の伏線に上手いこと繋がり、映画を作る上での楽しさ・苦しさ、誰に届けたいか、という作り手にとってとても大切なテーマを観客に問いかけてきます。私自身ここ数年で映画を見る本数が増え、制作の方にも目を向けて映画を観る機会が増えるようになりました。最低な作品にも出会いましたし、最高の作品にも出会いました。そんな中で自分を投影しつつも観てもらいたい人に観てもらうという理想的な映画を今作は90分という尺で作り上げました。正直90分とは思えない満足感です。
最高に映画愛に狂った作品です。制作陣の皆様お疲れ様でした!
鑑賞日 6/4
鑑賞時間 15:30〜17:10
座席 L-5