「守護天使が陥(おち)る時」エンド・オブ・ステイツ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
守護天使が陥(おち)る時
ジェラルド・バトラー演じるタフなシークレット・サービスがテロと戦う! 『エンド・オブ・ホワイトハウス』『エンド・オブ・キングダム』に続く、第3弾。
さて今回、アッシャー大統領から前作で副大統領だったトランブル新大統領に交代。
『~ホワイトハウス』から6年。アッシャー前大統領が支持率高かったとは言え、確かに任期満了して大統領交代あって当然。荒唐無稽なアクションだけど、ここだけはリアル。
余談だが、モーガン・フリーマンは以前『ディープ・インパクト』でも大統領を演じており、いずれ大統領役を最も多く演じた黒人アクターになりそう。
二度大統領の危機を救い、英雄となったマイク。
トランブルからの信頼も厚く、時期シークレット・サービス長官にも任命しようとしていた。
が、当のマイクは…。
度重なる任務と戦いで、心身共に限界。悲鳴を上げていた。
そんな時、三度起きた…。
釣りに出掛けた大統領を狙ったドローンによる暗殺襲撃。
警護チームは全滅。
辛うじて大統領とマイクは命助かるも、大統領は重傷で昏睡状態。マイクも意識を失う。
目を覚ますと…
手錠を掛けられ、FBIから執拗な尋問。
現場近くにあった襲撃に使われたと思われる車やドローン発射装置からマイクの頭髪や指紋が。
マイクの口座に多額の入金。
…そう、マイクは“容疑者”。
かつて大統領を救った英雄が一転して、暗殺未遂の容疑者に。
無論濡れ衣で、何者かにハメられ、仕立て上げられたのだ。
護送中、何者かの襲撃に遭い、その隙を付いて逃亡。
FBIらの追っ手を振り切り、無実を晴らす為、たった一人で真相と真犯人を追う…。
今回の新機軸は、マイクの逃亡劇になっている事。
これまでの大統領を護っての対テロの単純な展開とは少々変わり、スリリングさや面白味が増した。
また、孤立無援のマイクが助けを求めたのは、初登場の父クレイ。
ベトナム戦争で心身を病み、母と幼い自分を捨て、長らく疎遠。林の中で独りで生活。
この息子にこの父親あり。ゲリラ戦で強さを発揮。パパ、助かったけどやり過ぎです…。
マイクと父の和解のドラマも。でも、本当に疎遠だったの?…と思うくらいあっさり。
もうちょっと深く描いてくれたらなぁ…。
何故だか二人のやり取りはユーモラスな時もあり、エンディングのオマケ映像はお見逃しなく!
パパ役、ニック・ノルティのさすがの存在感。
徐々に明らかになっていく真相と真犯人…と言うか、実行犯は何となく予想付く。
軍人時代の友人のウェイド。
今は民間軍人会社を経営し、戦争で甘い汁を吸う民間軍人会社の縮小する大統領の存在が邪魔だったのだ。
政府内に内通者が。これも何となく予想付く。
某北の国が侵攻してきた『~ホワイトハウス』、ロンドン全土が戦いの場の『~キングダム』。
前2作に比べるとインパクトやスケールはダウン。
また、相変わらずのツッコミ所多々。
あんだけの警護の中、あっさりとドローン襲撃。誰もあの車両、気付かなかったの…??
FBIも実行犯も何だか詰めが甘いと言うか、お間抜け。マイクはその隙を悠々と掻い潜る。
終盤大統領が意識を取り戻しマイクの濡れ衣が晴れ一安心だが、その後の展開はいつも通り。
…などなどなど。
とは言え、やはりアクションは見応えあり。
大統領を狙ったドローン襲撃。
逃亡のカーチェイス。
パパの爆弾反撃。
大頭領が搬入された病院の爆破。
そして大統領暗殺を諦めないウェイドらとマイクらの激しい銃撃戦。
クライマックス、遂に対するマイクとウェイド。結果は分かり切っているが、元友人同士だった男二人の最後が哀しい。
シリーズ全て見たが、面白かった順は『~ホワイトハウス』『~ステイツ』『~キングダム』かな。どれもどんぐりの背比べだけど。
ラスト、再びシークレット・サービス長官を打診されるマイク。
マイクの返答は…。
一応の最終作。
でも、彼はまた還ってくるだろう。
ハラハラドキドキ痛快単純に楽しめるアクション・エンタメだし、それに、
彼は凄腕シークレット・サービス、マイク・バニング!
次の敵テロは…?
次の舞台は…? ホワイトハウス、ロンドン、合衆国と来て、『エンド・オブ・ワールド』級か…!?