Redのレビュー・感想・評価
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レッドカード
夏帆はブルーアワーにぶっ飛ばす以来でした。うってかわって、危ういオンナを演じていました。その危うさは、演技も良かったのですが、多分に彼女の顔や雰囲気が醸し出すものと思われます。これからもいろいろな映画でいろいろな役をやるんだと思いますので、彼女のバリエーションが楽しみです。パーティ会場で、妻夫木を追いかけていくシーンも良かったです。
鞍田(妻夫木)カッコいいな~
でも、足の指舐めてましたね。足の指舐めた後で、キスしないでって思いました(女目線)。
柄本佑はだんだん垢抜けてきた。セリフ(内容)が沁みた。
国立の豪邸羨ましかったですね~
子供いるのに、国立から天王洲アイルにはちょっと通えないでしょう。幼稚園の始まりは遅いし、お迎えは早いし。浜松町の屋形船は天王洲アイルからは近いけど、そのあと柄本佑とバッティングセンター行って、自転車二人乗りして遊んでから国立に帰ったら、午前様ですよね。
羽田の現場から横横道路、東名、小田原厚木道路から伊豆半島の白浜海水浴場に勤務中に行ったら、帰ってこれないでしょう。
撮影は良かったから、無駄に場所が分かる看板とか出さないで欲しい。気が散るのよ。
この映画は女性監督で、女性の視点で恋愛を描きたかったのかもしれないけど、「あんた、本気で男に惚れたことないでしょ。嘘ついてまでして幸せなの⁉️」
なんて言う台詞を余貴美子様に言わせないで欲しかった。余さんじゃなくてもいいんじゃないの。
左薬指の指輪はもうちょい高そうなほうが良かった。
冒頭の電話ボックスのシーンと最後の通話の会話の入ったシーンの対はすごく良かった。原作にあるのかないのかは知らない。
ただ、その後の火葬場で娘と旦那が出てくるシーンや塔子が運転して朝日に向かって走るエンディングが超つまらない。
電話ボックスのシーンでぷっつり終わらせたら、カッコいいって思いましたよ。
帰れないのは、子供のセリフでわかってしまっているし。でもね~、幼稚園の子供が「ママきっと帰って来るよね」って、玄関先で普通言わないでしょ。
火葬場のシーンも子役の子供もなんか気持ち入ってなかった。ちと、無理やりだった。子役に大いに同情してしまった。
鞍田は再発して、鼻血が止まらなくなるくらい血小板が減っていたんだから、あとは見に来た観客に任せて欲しかった。
雪を削る音
吹雪の中。ワイパーが雪を削る音が心地よかったです。
大人の愛の逃避行。
まぁ、ありがちと言えばありがちなストーリーでした。
塔子は資産家の男性と結婚して子供を産みデザインの仕事を辞め専業主婦に。
何もかも手に入れたはずなのに満たされない日々。
そこに昔の忘れられない男が現れるって訳です。
塔子を演じた夏帆が素敵でした!
不幸そうなオーラを身に纏ってました。
鞍田は口数少なくちょっとミステリアスな感じす。
妻夫木聡は声がいいですね!あのボソッと話す感じが鞍田の人となりを表してました。
塔子の旦那さんが可哀想でした。
典型的なマザコンのボンボンですけど、塔子のことも子供のことも大切にしてたのに愛する奥さんにその想いは届かず😢
最後なんかもう悲惨でした。
真っ白な夜の路を車が駆けてゆく。
夜の闇に雪、鞍田の無機質な部屋。
その一方でポツンと明かりの灯る食堂、自分の理想とする窓の大きな家。
映像が全体的に幻想的で良かったです。
あらゆるものが充実しているが脚本、、
夏帆も妻夫木聡も柄本佑も他のキャスティングも贅沢なほどで撮影も照明も衣装もみんな素晴らしいのに脚本が弱い、この監督いつも脚本が弱いのはなんでだ、と思う。もったいない。たぶんロマンチストなんだろう。
道行的フラッシュフォワードみたいな構成の中描き出される何不自由ない若い主婦とその家族。昔バイトしていた会社の上司との運命的な再会によってしまい込んでいた生きること(人を好きになるとはどういうことか)への欲求に目覚めてく、みたいな話、たったその話なのに割と通俗的な描写と会話で、そしてなぜにこの男でなくてはいけないのか、の魅力に乏しい。こんな役をしれっとできるのは妻夫木聡の力量だろうけど、さすがに男からみて「有り得えん」と思ってしまうほどの「理想の過去の男」でしかなく、ドラマとして平面的過ぎる。けど劇場では女性のすすり泣きは聞こえた。
圧巻
原作未読
説明セリフを使うことなく、仕草や言動で気持ちや状況を伝えてくるやり方に巧さを感じる
映画全体が、説明するより感じ取らせるように進んでいく
夏帆の表情が素晴らしい
妻夫木と間宮は対照的。間宮は束縛しようとしているのではなく、夏帆の気持ちに一切気づいていないのだと思う。間宮なりに愛していたのだと思う。間宮サイドの視点から、夏帆の気持ちに気づいたあとも含めて観てみたい。間宮にとっては、結婚がゴールだったのだろう。
娘は、パパと呼んでいた印象が無い。きっと娘もパパやママを恨んで幸せにならなそう
人物の背景が全て語られ無い事、場面の現在と別時間の区別が分かりにくく少々消化不良だが、とても満足感のある作品だった
背景を知るために原作も読みたくなる
どれだけ惚れて、死んでいけるか
本音で生きるには
どういう覚悟がいるのか
という話。
あの時どう言えば良かったのか。
場面やタイミングに関わらず
皆一度は経験する場面。
浮気してる人に
結婚について聞かれて
もし、
その人にそばにいてほしいなら、
回答がアホすぎる。
「生涯でただ一人、
好きになった女性と一緒になったこと」
って、
浮気している人からすれば、
私は違う。その資格がない。
と悟って
別れを決意するのが普通。
シチュエーションが違えば
正解の場面もある言葉なのかも
しれないけども。
こういう作品をみると
考える。
相手の心情を素早く理解できる人は
強い。勝ち組。
恋愛でも仕事でも。
無邪気に、ステレオタイプの人は
心の底で、
ないがしろにされて
踏みにじられる。
けど、
安定感とか安らぎで
つながる人も
あると思う。
そういうの無しで
価値観や恋愛観で
求めあうなら、
周りとの関係性がさめるのは
しょうがない。
子供でさえ、
他人という位置付けに
なってしまう。
でも、
そこまでやりきれる人は
少ないと思う。
人間はズルいから
普段は、
本音を隠してユルい集団に身を置き
寂しさをまぎらわす。
そして、
理性が抑えきれない時に
本作のような背景を想像して
一時を経験したり、
考えたりするんじゃないでしょうか。
だから、
母親の言葉のように、
個人の生き方として
途中までは、共感しても
最後までやりたくないと
いうのが、
多数のように思えます。
葬儀場で子供の手を離す場面は
最後までやりきる覚悟が
ありますかという
問いかけに思えました。
あのシーンがないと
不倫謳歌の作品に傾くので
後付けなのかなと
感じたりします。
個人的には、不倫肯定の作品に
なっても
車中での理想の家の窓の描写で
終わるストーリーがよかったなと。
恋愛はつまるところ、
親、子供、周囲は
見えなくなるものだから。
それを良しとするか悪いと
するかは別の話。
夏帆さんの演技に圧倒!
彼女のファンになったかも(笑)
序盤は彼女が演じる村主塔子が直球な不倫行為で最低な女と思いながら観賞。
ところが途中から最低なの間宮祥太郎さん演じる旦那やその母の方だと思うようになりました。
ラストの結末は塔子の母親や雪降る公衆電話での旦那との会話がそうさせた印象。
新潟の雪降る夜を車で走るシーンも雰囲気が良かった。
とにかく夏帆さんの演技が素晴らしい!
過去に彼女の演技にこれほど圧倒された作品は無いかもしれません。
正に体を張った演技も凄かった!
普段のシーンは可愛い感じなんだけど、ベッドシーンでな何故か綺麗な女性に見えてしまうのが不思議(笑)
不倫相手役の妻夫木聡さんも暗めの雰囲気の演技が良かった!
間宮祥太郎さんのメイクが歌舞伎役者みたいな感じで気になって仕方ありませんでした( ´∀`)
キャストはいいが
今週は観たいものがないのでキャストに惹かれて鑑賞
決算忠臣蔵でも渋みを活かしていた妻夫木聡
アルキメデスの大戦で気に入った柄本佑など
夏帆は不倫に揺れる若妻と言う役をどうこなすのかも
興味ありました
物語は大雪の中二人で電話をかけ終わった女と
その後車中にいる男女のシーンから始まります
優しいが仕事中心で気の回らないの商社マンの旦那と姑と
就学前の一人娘のいる上流家庭で専業主婦を務める村主塔子(夏帆)
ひょんなパーティーで10年前交際のあった鞍田秋彦(妻夫木聡)と偶然遭遇
その場で激しく燃え上がり冷え切っていた劣情が蘇ります
塔子は鞍田の手引きで鞍田の務める設計事務所に誘われ
当初は反対した旦那の了承も得て仕事復帰しますが
そこで心情をすぐ見透かしてしまう小鷹淳(柄本佑)も
出会い塔子は女性としての充実を取り戻していきます
塔子はおしとやかな主婦という感じではなく
割と肉食系というかズケズケ食い込むタイプで
小鷹からは「お前案外エロいな」と言われてしまいます
小鷹は本当にこの映画のキーポイントを明確に口にしていきます
鞍田は小鷹と塔子が打ち解けていくのもそう意に介さず
仕事に打ち込んでいますがその様子が気になる塔子は
ある日仕事で同行したときに鞍田の自宅で激しく抱き合います
このベッドシーンが妙に長回し…なのですが原作でも
だいぶ割かれているそうです
普段はボケッとした表情で幸薄そうな感じでいますが
この抱かれているときの夏帆のイイ女に豹変する感じが
女優の底力を感じさせます
そのピロートークで鞍田が重い病を持っていることを聞かされます
もう治ったのかという問いにもハッキリとは答えません
その後塔子は優秀なので正社員になりますが仕事が面白く
なってきたところで迎えに遅れた所を娘がその間に
高所から転落しケガを負い塔子は仕事に復帰したことを
旦那に叱責されます
ここで気になったのは姑がいびり倒すと思いきや
どちらかというと塔子庇ってしまうところがちょっと「?」でした
これでは塔子が結婚家庭を放り出して不倫に走る動機が
強くならない気がしました
結局塔子が求めていたのは燃え上がる劣情といった
刺激以外の何物でも無かったのでしょうか
この辺から塔子への共感もそんなに出来なくなってしまいます
まあもうしてない人もいるでしょうけど
そして正月
無神経な事ばかり天然で聞く旦那の父親に
ウンザリしながら母子家庭の塔子はイヤイヤ娘の顔を見に来た母親に
「父親が蒸発したのもウソついてまでこんな家庭にいて楽しいのか」
とハッキリ言われてしまいます
そして仕事場に行くと鞍田が入院しており同行する予定だった
新潟へは小鷹と行くことになりますが大雪で帰れなくなり
それでも帰れと行ってくる旦那にムキになり無理矢理帰ろうと
外に飛び出したところに鞍田が現れ
冒頭の大雪に車中で二人でいるシーンに繋がってきます
正直こういう回想と今の繋ぎ
あんまりうまくなくどっちのシーンかわかりづらかったです
冒頭だけなら良いのですがたびたび挟み込むので
過去話で車中で二人でいるシーンとダブります
作り手は雪が降っているかそうでないかで区別できると
思ったのでしょうがベースノイズとか絵の角度とか
一緒なんで思いのほか分かりづらい気がしました
鞍田が回想で病気を打ち明けた後すぐ今喀血したり
ブツブツ切るので今の状態がわかりづらい感じがしました
塔子はそこで電話で(そもそもなんで公衆電話だった?)
旦那に「あなたにとって結婚とは何か」と聞くと
「人生で唯一愛した女性と共にいること」と旦那は答え
塔子はその電話ボックスに指輪を置いて鞍田との逃避行を決めます
ここがね
塔子は旦那ともう一緒にいる資格は自分にはないと言う意味で
指輪を置いたんでしょうけどどうでしょう
観てる側には全部投げ出したようにしか見えないからもう
この女ひどいなーとしかみえないんですよね
このシーンの前に旦那と大雪の中帰るの無理だの喧嘩してる塔子に
小鷹が「なんで結婚したの」と聞きますがまさにそうです
塔子は「小鷹さんにはわからない」と答えますが
小鷹さんならわかりますよ
で結局鞍田は病状が悪化しますがそのゴチャゴチャのせいで
いつ抱き合ってるのか分からないベッドシーン
葬儀
旦那と子供との決別
鞍田の車を運転する塔子にもたれ掛かる鞍田
正直いつエンドロールになってもおかしくないシーンが
パッパと暗転して終わっていきます
終わり方もしまりがなかった
塔子に共感させないのは作り手の意図だったのか
あるいは逆に共感させようとしてこうなのか
よくわかりませんが自分は前者にしか受け取れなかったので
じゃあ女性の自立心のために結婚否定なのって
思ってしまいます
別にどっちでもいいですがテーマ的には独善的すぎて
あまり得られるものはなかった印象です
どこを重視してみるかに依りますが
キャストは十分良かったですからちゃんと観れると思いますが
それだけにもう少し構成を頑張って
しっかり演技させてあげて欲しかったと思います
電話ボックスシーンが印象的だけど理解不能
原作は読んでいません。
夏帆と妻夫木聡の演技や雰囲気は凄い。
濡場はそんなに激しくない。
最後の方に、なぜ?が残ったので、ネタバレサイトで原作のネタバレもチェック。
原作とはかなりストーリーが違うので、あまり参考にならず。
映画自体は、役者の演技はもちろん、映像と無音とピアノのバランスが良くて、これぞ映画!テレビでは表現出来ない、良い映画でした。
全体とても、女性が結婚したり母親になったり仕事したりひどい扱い受ける話で、男性の私から見ても何度も地雷を踏まれています。
主人公に同情したり理解したり共感出来ますし、妻夫木がめちゃくちゃカッコイイ。そりゃ、、、そうなるよね、と。
(オープニングシーンでもあるのでネタバレでは無いと思いますが、)
オープニングと最後の方での電話ボックスのシーン。夫はなんと答えるのが正解なのか、なぜそうなるのか、が理解できないので、モヤモヤ。
女性が観ると違うのかな?知りたい。
恐らく、このストーリーは、男性と女性、既婚と未婚者、年代によってとらえかたが大きく変わってきそう。例えば、今は20代で未婚の女性でも、10年後に観るとぜんぜんちがうのだろうなぁ。
でも、こういう、観る人によって取り方が変わるような映画は大好き。
原作と違う展開は、好き嫌いが分かれそう。個人的には、小説のストーリーの方が、奥が深く、それぞれのキャラがたって良い話のような気がします。18禁になることを避けてストーリーが変わったのかな、、だとしたら残念です。
いつの時代も。
雄も雌もいつの時代もサカッテ止まない性よ。芸能仲良し夫婦さん達、気をつけないとマスコミに映画監督に目をつけられて他の彼氏、彼女をあてがわれて夫婦別れさせられますよー、危ない危ない。しかし嫁さん側の浮気は実にオモロイ。
無理だよね。離れるなんて。。
ネタバレです。
今どき、あんな家族形態があるのか?と思いながらも、愛する形が違う夫と昔の男。
一見、従順な女の本能が、別の男とのバッティングセンターでの男のあしらいかたに現れる。
こんな女に出会ってしまったら男は填まってしまうよね。
昔の男との、濡れ場が美しい。
本当に愛し合っている二人にしか、みえない景色がある。
血を分けた子供よりも男を選ぶ、自堕落に生きる罪深い母親の、未来には後悔しかないことを切に願う。
原作とはべつもの・・☆
島本理生は好きな作家で、その分 期待しすぎたかなぁ・・
あれだけ長めの話しをどうやってまとめるのか・・とは思っていたが、
正直 全くべつの話しになっていた。
塔子の心の動きはもっと複雑であり、鞍田も違う。
それは仕方ないとしても、小鷹があまりに良い人でオイオイ!!という
感じでした。
島本理生の作品は、エピローグに結構 深みがありそれが味わいになっている
のだが、「ナラタージュ」を見ても 時間の限られた上映時間で求めるのは
無理かもしれない。
ただの不倫の話しではないのに・・
残念でした。
散文だけど
40本目。
夏帆って何かそんな役多いなと。
監督の妄想が、半分以上占めてるんじゃないかと。
でもなあ、国立から海の近くの会社通うかな?
関係者も会社、何より義母がすぐに気付くと思うし。
韓国のお金持ちの家みたいで、でもあのお母さんが作る煮付けは美味しくなさそう。
のっぺ蕎麦は、マジかと思ったけど、合わなくないよな。
映画館で観る程じゃないかな…
割とありがちな話を綺麗な音楽と抑え気味な色調の中に映える色を落とし込んだ綺麗な画でなんとなく叙情的に見せてるという印象でした。
主人公の心の揺れ具合とか、割と女ってこういうとこあるよねという感じはするし、演技も上手い。過去と現在が同時進行するのは最初意味がわかんないけどこのシナリオならこうでもしないと凡庸になりすぎちゃうよねとは思いました。
とにかくシナリオが凡庸だったのでどう頑張っても印象が好転しないかなというのが最終的な感想。
細かい点だと私は新潟県の丁度劇中の舞台からそんな遠くない新潟県内の出身なのですが、方言が気になりました。君の井だから妙高の方ですよね。あんな発音するかなー。
湯沢が通行止め?という放送入れるのも違和感。妙高から東京行くのに関越通ったらめちゃくちゃ遠回りですよ。上信越道が通行止めになってないと。
最後に、夏帆さんの乳首は見えませんのでそれを期待する人は行く必要ないです。
映画の結末の方が好き
映画観た後で、小説を読みました。
映画では、トウコが健気に描かれて、シンが酷い夫という印象でしたが、小説ではエピローグのシンの手紙に心打たれました。
幸せって…結婚て…と思う独身女(私)が、一番シンプルで分かり易い答えを出してくれたシンが私は好きです
「生涯でただ一人好きになった女性と一緒になったこと」
この台詞は、映画ではサラッとしていましたが、小説では本当に心に響きます
でも、結末は映画の方が良いと思う、不思議な作品です
妻夫木推しで3.5
今流行りの不倫ものだけど、子供が可哀想かな。口数少ない不器用さ加減が叙情的な雰囲気の似た者同士でいてエロい。
そこまで愛せるってある意味羨ましい。
妻夫木好きだなぁ。柄本佑イイヤツかい的なw
母性か女性か
「幼な子われらに生まれ」で家族の分裂と再生を描いた三島有紀子監督の今回のテーマは、「母性」と「女の性」の選択だった。その過程は夏帆さん演じる塔子の表情の変化で見事に描かれている。登場人物の個性と感情を、台詞で語られる言葉と俳優の細やかな仕草で表現する三島監督作品は毎回興味深く観ている。
話題になった原作との比較は不必要なほど独自の世界観が創られているが、映像というアドバンテージを手にしたこの作品が最も印象的なのは、やはり表題の「Red」の表現だろう。塔子が10年ぶりにかつての恋人・鞍田と再会した場面では、二人は暗闇に差しこむ微かな赤に包まれる。この瞬間から白や淡い色合いの平板なイメージだった塔子の感情に変化が表れ、彼女の人生は大きく舵を切ることになる。
その後も随所で赤い色が塔子の決断の象徴として描かれているが、特に印象的だったのは、二人の横を通り過ぎたトラックの積み荷に結ばれて風に吹かれていた赤い布が、最期はほどけて道端に落ちるシーンだ。この赤い布はまるで塔子の決断に至るまでの揺れる心であり、布が落ちた場所にあった公衆電話から彼女は夫に決めた思いを伝えている。勝手な見方かもしれないが、見事な演出だと思った。
主役の夏帆さんは作品によって大きく印象が異なる俳優だ。この作品の印象深さの一つは夏帆さんの母と女を見事に表現した演技と、それを引き出した三島監督の手腕だと思う。塔子が柄本佑演ずる小鷹と飲んで遊んでいる場面で、日常の家事から離れて心から楽しんでいる彼女を演じていた夏帆さんの表情はとても綺麗で可愛いかった。
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