劇場公開日 2019年11月9日

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「一人称ドキュメンタリーの天才、復活!」虚空門 GATE NobuNagaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0一人称ドキュメンタリーの天才、復活!

2020年3月13日
iPhoneアプリから投稿

天、空、神、宇宙、UFO、心。
全てが虚なまま完結する。

信じる人、信じない人、信じたい人、信じたくない人。
人が心の拠り所にするものは十人十色。

監督 小路谷秀樹の視点は常にクールで、
UFOという神秘に埋没することなく、1組の男女のラブストーリーと二人を取り巻く人々の人生や葛藤を浮き彫りにする良質なドキュメンタリーだった。

インサートされる風景やアイテムの美しさが芸術性を高めていたが、メインは人の心模様を暴くこと。
人間にまとわりつく神秘主義、精神疾患、薬物依存など社会的な歪みへの問答のようにも感じた。

ラストのネタバラシの残酷さが痛快で、この作品のクライマックスと言えるだろう。

35年ほど前に小路谷氏が宇宙企画で手掛けていた女性の性を暴いていくシリーズでの尋問スタイルと声のトーンと虚々実々の混在させ方が相変わらずで、とても懐かしくゾクゾクした。

そして、あれからここまでの小路谷秀樹の軌跡を掘ってみたくなった。

あの頃、憧れた
一人称ドキュメンタリーの天才の今を知りたい。

NobuNaga