「原作から抜け出てきたかのような完成度!」シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
原作から抜け出てきたかのような完成度!
上映時間が合わなくて今頃になってしまいましたが、やっと鑑賞してきました。そして、予想以上の再現度とおもしろさに大満足!まるで原作から抜け出てきたかのような完成度のリョウとカオリとファルコンに感無量です!よく見れば原作のリョウやカオリとは顔立ちは全然違うのに、それでもリョウとカオリにしか見えないのがすごいです。ビジュアルを寄せただけでなく、キャラ付けがしっかりしていて、俳優もそれをよくわかって演技しているからでしょう。場面に合わせて、シリアスとギャグを大きな振り幅で演じ分けていたこともすばらしかったです。吹替版で見たのですが、山寺宏一さんと沢城みゆきさんの演技も完璧でした。主演が神谷明さんと伊倉一恵さんでないのは残念でしたが、お二人は別の役でキャスティングされていて、これはこれでファンにはうれしいサービスでした。
そして肝心のストーリーですが、受けた依頼を遂行するもドタバタと寄り道し、やがて隠された陰謀に気づき、最後はクールにかたをつける、これぞシティハンターという展開でした。そこに、これでもかというほどのギャグを仕込み、ばらまきまくった伏線もきちんと回収し、なおかつ互いを誰よりも大切に思うリョウとカオリの関係もきっちり描いた脚本は完璧です。
映像としては、笑いをふんだんに取り入れたアクションシーンもよかったし、アニメでよく見た、銃弾の軌道を追うような映像もカッコよくてよかったです。でも、なんといっても終盤のリョウとカオリの共闘シーンが素敵でした。そして、とどめはエンディングテーマのGet Wild!流れた瞬間に目頭が熱くなりました。ああ、もっとずっとリョウとカオリを見ていたかったです。
ほぼ完璧な本作ですが、不満があるとすれば二つだけ。一つは、もう一人のヒロインであり、大好きなサエコのビジュアルが、イマイチ寄せ切れてなかったこと。そしてもう一つは、こんなすばらしい作品を日本が作れなかったこと。もうこれは本当に残念です。でも、こんなに原作愛にあふれた映画を作ってくれたフランスには感謝しかないです。Merci beaucoup!