「「戦後に生まれて良かった…」」NO SMOKING いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
「戦後に生まれて良かった…」
細野晴臣御大のドキュメンタリー映画。確かに現在72歳、人生100年時代の現代に於いてまだまだ動けなくなる歳ではないだろうが、こうして記録を残すということの重要性をきちんと理解している方なのだとつくづく感じる。一時代を作った人なのだから“伝記”は後世の為ににこしらえるべきだし、今現在、その恩恵に預かった全てのファンとミュージシャンにとってもとても有難いものなのだ。
自分は、時代的には“YMO”の細野さんに音楽的に大変影響を受けた。小学校5年の時に始めてこの未来でSFチックな楽曲、しかも歌が入っていないいわゆるインストルメンタルのジャンルというものに、それまでの歌謡曲やジャパニーズポップ等にはない圧倒的な“宇宙感”にセンセーショナルを受けたのだ。劇中でも御大が語っていたように、野球帽を被った小学生が後から付いてきていたというエピソードは、強く合点がいく。それだけあの頃の小学生、しかも思春期を迎え始めた年代に於いて、それ程あの3人はヒーローだったのである。人民服、テクノカット、怪しい風貌、どれをとっても今までには存在しないスタイルやファッションがそこにはあった。そしてそれをプロデュースしていたのが御大という訳である。確かに、“教授”は楽曲、ユキヒロはライブやボーカル、さて、果たして御大は何をしていたのか、シンセベースだけだったようなイメージだったが、総合的に世界観を形成していたということとなれば、その天才的クリエイター振りに今作で振り返って、改めて敬意を表したい。
そして、その前身は日本で始めて日本語でロックを作り上げた“はっぴぃえんど”。これも又、とんでも無い神々なメンバー達との中でその個性同士を上手く融合した手腕なのである。こうして、日本の音楽シーンのシフトチェンジには御大が噛んでいる事実は正に驚愕であろう。
とはいえ、至って本人の“のほほん”“お茶目”振りの人格そのものが、この人の最大の武器なのかもしれない。世に言う“人たらし”の類なのでは思うばかりである。今作に随所に現れる緩めのおふざけシーンにそれが如実に出ていて、垣間見る多幸感を否応なしに感じるのである。
そして、今作に於けるベストシーンは、どこかのツアーでのゲストに、ユキヒロ・小山田圭吾が登場し、演奏途中で背後から急に教授が参加してきた場面。演奏曲はYMOの曲だったと思うのだが、曲名を失念してしまい未だに思い出せずにいる。大好きな楽曲の一つだったのだが、どなたか、今作を鑑賞した人がいるなら是非、ご教示下さい。お願いします。
あの頃に一気に飛ばされるノスタルジーと、御大の功績をしみじみ感じさせる、ファンにとっての垂涎の内容であった。
mighty77様
今作品の貴殿のレビューがないようなので失礼ではございますが、此方にお礼のお返事をさせて貰います。
大変、ありがとうございました。早速確認してみたところ、まさしくご指摘の曲でございました。本当に感謝致します。
私の拙いお願いをお聞き届け頂き、天にも昇る気持です。
又、貴殿の貴重のお時間を頂戴し、お手数をお掛けしたこと、お詫び申し上げます。
この曲はYMOではそれ程メジャーではありませんが、しかし当時それまであまり馴染みのない沖縄民謡、又はアジアのどこかの国を思わせる異国情緒たっぷりの、良い意味でのチープ感と軽快なリズム感に絆されておりました。コミカルだけどどこかメランコリック、そしてシンセの音色にSF感とノスタルジーが融合したようなイメージを抱いたものです。
私は居住地周辺で上映されている映画館がない事
かといって、遠方の映画館に行く余裕がない事から
鑑賞していませんが
レビューから当該曲が何か?察せました。
absolute ego danceではないでしょうか?
という事で、以下の動画を視聴してみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=2QtNpj_n82o
ご指摘のシーンもありますし、
多分コレで合っていると思うのですが・・・