「理想的な逝き方はある!と教えられた映画」痛くない死に方 星月夜さんの映画レビュー(感想・評価)
理想的な逝き方はある!と教えられた映画
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第一派に乗り遅れてやっと鑑賞できた。評判が良い理由がよく分かった。観られて本当に良かった。
若過ぎて知識も経験もなく、悩みながら不治の病にかかった家族の命と向き合った辛い記憶がある。
坂井真紀さん演じる智美が自分の姿に見えて胸が苦しかった。
もっと早く本作に出会えたら…こんなに何年も後悔しなかったかもしれない。
大切な人を看取ることは本当に難しい。人生に何回あるかは人それぞれだけど、人の命に向き合うことは正解のない課題だと思う。
私は親に痛くない逝き方をさせてあげられなかった。今でも後悔に苛まれている。
在宅医が執筆した小説がどんどん出版されて映画が公開される昨今。私は心のどこかで小説みたいにはいかないよ、とやや否定的に観ていた。
でも本作は具体的な在宅医療での看取り方がレクチャーされていて、それが観た人の看取りのスキルになる。それと同時に逝き方のスキルにもなるわけで…
ひとことで言うなら、死を穏やかに迎えるためのスキルを学べる映画!
在宅医の先輩後輩を演じた奥田瑛二さんと柄本佑さんの義理親子共演がとても良かった。演技の背後に2人の関係性が見える。
宇崎竜童さん演じる末期癌の本多さんの逝き方と大谷直子さん演じる奥さん看取り方が素晴らしくて、ああ私もこんな美しい逝き方をしたいという目標になった。
本多さん、完璧です!
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