HOKUSAIのレビュー・感想・評価
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北斎じゃなくてHOKUSAI
実在の人物だけに、フィクション部分に違和感を持つ人は多いかもしれない。自分も少しそんな感じだったので、序盤のうちに頭を切り替えて、北斎をモデルにしたHOKUSAIという人物の話だと思うようにした。 浮世絵関連に詳しい人は、知識をリセットしたほうが楽しめますよ。
描きてえと思ったもんを描いただけだ。
なんか、うすい。いろんなエピソードがしっかりと伝わってこない。役者の熱意に脚本がついてきてない。要するに、つまらない。蔦重が「この絵はすごい」って言っても、少しも画面から凄さは感じないし、むしろ、妓楼のセットや衣装のほうが凄えって見入っちゃう。奢侈禁止令の摘発にあった耕書堂も、その後何事もなかった様子にみえて、どうも手ぬるい。不勉強ながら柳亭種彦って誰?と戸惑ったが、北斎を描くのに脱線したように思えた。死の真相も、独自解釈までならいいが、どうやら60歳まで生きてるじゃないか、ってガックリした。それならむしろ、蔦重の苦労を描けよと思った。晩年の小布施行きも物足りない。高井鴻山が何者であるかの描写も足りない。単に豪商でかつての弟子扱い。結構、裏の顔(活動家との交際とか)があるはずなんだが。小布施での業績も「怒涛図」もいいが、その絵が描かれた祭り屋台の豪華さ、そしておそらくその祭りの賑やかさも描かないことには、その情熱の根源が見えない。それにできれば天井絵「八方睨み鳳凰図」を取り上げもらいたかった。だいたい、北斎の狂人ぶりはただの絵キ●ガイとしか描かれていないのが不満で、なんで数十回も引っ越しを繰り返したのか、老齢になってからの小布施旅(史実では4回も)をしたのか、そもそも鴻山が呼んだのではなく(表向きは)プラっと立ち寄ったはずで。どうも、そこじゃねえんだよ、って気分に支配されたままだった。 まあようするに、個人的に期待した北斎像ではなかったわけだ。 製作者側が描きたいものを描いて、こちらが観たいものとは違ってただけだった。 ちなみに緒形拳主演の「北斎漫画」を予習していた。こちらは馬琴との友情が濃厚に描かれていたが、この時代の映画のせいか、どうも進行がダラけていて退屈だった。若き田中裕子と樋口可南子の裸体が拝めただけだった。
足るを知り、足らぬを知る
撮影も美術も役者も良かった。 折角の4章構成もメリハリがなく、それがラストのまったりに繋がってしまった感が否めない。奇しくも自らの手で「見た目は良いが魂が見えない」と、劇中の台詞同様の体をなしてしまったのは残念でならない。結構テイストは好きだったので。 任せず出たがり染めたがる日本のエンタメ界を代表する様な作品。 畑は変わるが、馬琴と北斎ならば山田風太郎の「八犬伝」が大好き。あれは見事だったなぁ。
IMAHITOTSU
絵画や美術が好きなのでこの映画の公開をとても楽しみにしていました。 どこまでが事実と同じかはよくわかりませんが、葛飾北斎が何を考えどのように生きていたのかを少し触れることができて良かったです(ついでに喜多川歌麿や東洲斎写楽も登場して萌えました)。 ただその割に評価がそこまで高くはないのは、脚本がいまひとつだったことと、絵師を描いた映画の割に映像に芸術性を感じられなかったことです(過去に観たゴッホやフェルメールの映画は映像も芸術的で美しかったので)。 葛飾北斎という題材だったので、ちょっと期待値を下まわってしまいました。
君は田中泯の怪演を観たか?
2021年映画館鑑賞48作品目 6月7日(月)フォーラム仙台 柳楽くんや玉木くんには申し訳ないが青年期は前フリに過ぎない いなせな蔦屋役の阿部寛は良かったけど 本番は老年期になってから 田中泯の怪演が壮絶 特に強風が吹いた場面のあの顔 そして雨降るなか青の絵の具を自分の顔にかけるときのあの顔 凄いぜ田中泯 よく仕上げてきた まるで麿赤兒みたいな顔つきになっていたけど声はやっぱり田中泯だ 名画が完成したときは感動して鳥肌が立った
役者さんの演技力 ハンパなくすごかった 演技力のみで成り立っている...
役者さんの演技力 ハンパなくすごかった 演技力のみで成り立っているような ただ ワタクシハ北斎さんをよく知らないので なるほどーと楽しめました けどなんか 阿部寛さんと玉木宏さんは テイストが何か違うなー でした
1章と4章は面白い
予告編から気になっていたので、見に行きました。 正直、北斎や、他の登場人物も、この人のこの絵は知っている程度だったのですが、 映画を見終えてから、インターネットでいろいろ調べるきっかけになりました。 俳優陣の演技もとても良いです。物語は4章編成で、1章と4章はとも見入ってしまいました。しかし逆に、2章と3章は少し退屈。それでも俳優さんの演技もすごく良いし、最後のシーンも印象深く終わりも良かったので、星4です。あと、せっかくだからエンドロールで作品とか紹介したらよかったのになと思いました。 印象深いのは田中泯さんの終盤の旅のところでの笑い顔でしょうか。役者さんはすごいなと思いました。
画家老いて、見目は変われど、精神は不変
普段、画家の伝記映画は手当たり次第に鑑賞しているので、 その流れで本作も鑑賞。 思えば、日本の画家に関しては、TVでドラマ特番が組まれるぐらいで、伝記映画って珍しい気がする。 北斎がその目で捉えたものを表現するというブレない軸。 これが映画全体の演出にも北斎のキャラクターにも反映されていた。 以前、Twitterで「ようやくカメラの性能が北斎の目に追いついた」 として 富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」の波とカメラで撮影された波の 比較画像がバズってた。 (写真は北斎の画にそっくりでたしかに驚かされた。) この北斎の目でしか捉えられなかった光景を 巧みに演出で表現しようとしているところがすごい。 ただ、演出は一部過剰なところもあったかなという印象。 風のシーンは良かったけど、ベロ藍、通称北斎ブルーのシーンは そんなことするわけないでしょ!と思ってしまった。 (北斎ブルーって高価なのでは?と鑑賞中は勘違いしていたけど、 どうやら中国で量産が成功して価格が下がってきたあたりで北斎が使いだしたらしい。) 映画をきっかけに北斎の師弟関係やベロ藍の歴史とかを調べるきっかけにもなったので、研究心くすぐられ鑑賞後もたくさん楽しめる作品;) 余談 北斎の弟子として登場していた人物のうち何人かは名前など 明かされていなくて、誰なの?と気になって調べたけど、 明確な記録が残ってないみたいで、映画でもそこらへんは 「もしかしたら北斎に師事していたかもね」というスタンスで表現したのかな。 歌っていた男の子のモデルは誰なんだろうか…。 妖怪画を描いていたのは、北斎季親かな? 制作陣の皆さんに答え聞きたい!!
たぶんこうだったんじゃないか劇場
チコちゃんに叱られるを観ておられる方はご存知かとおもいますが、たぶんこうだったんじゃないか劇場を思い出しました。 ハッキリとわからない部分をどのように想像で埋めるかで、歴史物は随分変わりますね。 諸説あるでしょうけど、たぶんこうだったんじゃないかというひとつの説ですね。 前半のキャストが豪華すぎて、柳楽優弥も玉木宏も阿部寛も、もっと長く観ていたかった。 他の画家の末路も追いかけて、赤ん坊が育つ過程も含めて前後編の2作品にして欲しいなと思って観ていたかったのですが、ラストシーンを観てわかりました。 前後編にするとダメな理由が。 あれが監督の描きたかった絵なんだなと。 それがこの映画の全てで鮮烈なシーンでした。 顔に墨で落書きの柳楽優弥の北斎と、顔に青の顔料をかぶる田中泯の北斎のシーンの対比も前ふりだったのかと。 永山瑛太の顔の赤と田中泯の顔の青の対比も。 ナレーションや主人公の独白がなかったのは良かったです。 そうすると、ウォン・カーワイのイップ・マンみたいになりそうで比較してしまうかな。 言葉でグダグダ語らず、あくまでも映像と色の絵で魅せる作品でした。
こんな日だから絵を描く
絵師・北斎の人生を柳楽優弥と田中泯が演じた映画。全4章構成で、前半2章を柳楽が、後半2章を田中泯が演じている。 第一章では歌麿・写楽・北斎の三者三様が、第二章では馬琴との才能の才能のぶつかり合いが、第四章では戯作者柳亭種彦の死に絡んで老境に至った北斎の魂の有り様が、それぞれ描かれているが、第三章の、特にいわゆる北斎ブルーとも呼ばれる藍との出会いのシーンなど、もはや顔芸かと言っても過言ではない強烈な表情をいくつも重ね、いかにその出会いが画期的であったかを描いていて、流石に代表作と目される「富嶽三十六景」誕生のシーンだけに、画も演技も熱が籠もっていた。 ただ、たしかに良くできた映画だとは思うのだが、相手が北斎というメジャークラスな人物であるだけに、色々工夫はあってもやや通り一遍なストーリー展開と描写に留まったきらいはある。北斎の奇天烈さに負けないくらい奇想天外破天荒なストーリーが見たかったというのは贅沢にすぎるだろうか。 ただ、作中で2度語られる「こんな日だから絵を描くのだ」という北斎の台詞は、心に留めておきたい良い言葉だった。なんとなくではあるが、北斎ならたしかにそんなことを言いそうではある。
精神性を強調し過ぎで、脇役が目立つ
若い頃見た「北斎漫画」は、あのタコの絵にインスパイアされたクセのある映画だったが、こちらは逆に北斎の精神性を余りに強調しすぎているような気がした。「北斎漫画」だってフィクションだろうけど、これは買い被りすぎというか、こんなに求道のストーリーにしていいのかと。だから後半の田中泯はインパクトがあるのだが、前半の柳楽優弥は手練れの脇役たちに食われている気がした。それは柳楽優弥のせいではなく、脚本からそうなるのだと思う。あの波の絵にまで無理につなげている環境映画みたいになってしまっている。絵自体はキレイで、お代の価値はあると思う。 この映画のメッセージは、御禁制もなく自由に絵を描きたいということのはずで、だったら、もっと破茶滅茶でもよかったのではないかと思う。
波‥☆
前評価がそれほどではなかったので、あまり期待せずに行ったがなかなか面白かった。 やはり、役者が揃っていて なかでも期待通り田中泯。 青年期のエピソードは創作が多く場面がくるくると変わりわかりにくさもあるが、それでも 蔦屋や歌麿、写楽等の関わりが描かれ、後半になると北斎と種彦を中心にして一気に 加速していく。 他のレビューにもあるように、やはり北斎への知識があると数倍は楽しめるのではないかと 思う。 北斎が病後、放浪の末 富嶽三十六景を描き始めるが 北斎好きの知人はもっと 彼が描いた肉筆画が見たかったと言っていた。 しかし、波と富士があまりに有名なためこの選択は仕方がないかも・・。 場面の色彩も豊かで、吉原のシーン(天井や襖絵など)も豪華で見応えがあった。 ラストシーンの波、小布施に行ってみたい。
描きたい絵を思いのままに
葛飾北斎の生涯を、ストーリーを4部構成に分けて1.2章の青年期から、3.4章の晩年期までを描いている。その青年期を柳楽優弥が、そして、晩年期を田中泯の2人が、W主演で演じている。 北斎に関しては、遅咲きの絵師と言われ、当時の浮世絵で名を成していた、喜多川歌麿や東洲斎写楽に遅れをとり、『富岳三十六景』が、世に出るまでの史実は、あまり残されてないと聞いている。そのため、若い頃の北斎は、謎に包まれてた絵師とも言われている。その分、本作では、蔦屋を介して、歌麿や写楽と共に、時代を歩んだ絵師として、都合よく自由には脚色もできたと思う。 1.2章では、名も無く、貧しい若い絵師・勝川春朗(後の葛飾北斎)の破天荒な生活から、絵師として開眼していく、サクセス・ストーリーが描かれている。その成功に導くのが、版元の蔦屋重三郎役の阿部寛。春朗の型にはまった絵師から、心の思いのままに描く本物の絵師へと、厳しさの中に温かみを持って導いていく。但し、阿部寛の顔がアップになる度に、浮世絵のそのもの絵の様に見えてきて笑った。(笑) 3.4章からの晩年は、弟子もたくさん抱える中、江戸の町人文化の一役を担う存在まで登り詰め、年老いても尚且つ、ギラギラした目で創作する意欲は劣ることなく、浮世絵に立ち向かう老翁の姿が描かれている。特に最後の『生首』と『波』を描くシーンは、田中泯にしかできない、ほとばしる情熱と絵師としての深みを観る者に訴えてくる。 自分も絵画は好きで、美術展にも出かけるが、その大半は印象派を中心とする西洋絵画が多い。改めて、本作を通して、浮世絵の繊細さ、一発勝負の筆入れ、明瞭な色彩、版画による増版等を目の当たりにし、ゴッホやモネの巨匠達も強く影響され、魅了された理由が、少し紐解けたように思った。 ストーリー展開という点では、やや盛り上がりに欠け、時間的にも長すぎたかな。俳優さんも中心人物以外の配役陣に、物足りに無さは感じた。
柳楽優弥と阿部寛の掛け合いに泣いた
なにも予備知識を入れず、葛飾北斎の伝記かぁ 柳楽優弥さんなら観たいな、 くらいの軽い気持ちで観ました。 素晴らしかったです! 特に前半の画商阿部寛さんと柳楽優弥さんの 掛け合いがゾクゾクしました。 特に波を描いた絵を渡すシーンは 何故か泣けました。。 後半の田中泯さんのシーンも 圧巻です。 大器晩成の権化、北斎に 勇気をもらえました。 そして、彼が描いた本物の絵をみにいこうと いう気持ちになりました。 あと、河原れんさんというマルチな才能も 気になりました。 あ、、、富士山の見える海はどこか気になりました。 マリンコーディネーターという職業があるんですね。 公式パンフレットもとても 良かったです! アートと熱い志とのひとときを ありがとうございました @品川
期待していたけど
もう少し歌麿、蔦屋、写楽、作家との関わり合いを描かないと何が言いたいのか少しボケてしまったよう。この時代は太平と言いながら、幕府には最初焼き討ちにあるシーンを出して緊張感を出すのは良かったが、その先が単なる北斎の個人的な話になってしまい、残念。妻との話も画一的で薄っぺら。最後もなぜ2人が絵を描いているのかよくわからない。 時代劇は少ないだけに楽しみにしていたが、ちょっと残念。
歴史好きにはたまらない。
観たかった映画。2024年新1,000円札に決まった大波富士。ゴッホ、モネ、ティファニーなど海外から愛されてやまない葛飾北斎の初の物語。同時代に江戸町人を楽しませた喜多川歌麿、東洲斎写楽との切磋琢磨など歴史好きにはたまらない。富嶽三十六景『神奈川沖浪裏』、『生首の図』の誕生秘話など興味深い逸話も満載。
北斎をよく表している
阿部ちゃんも、若い北斎も、英も、はまり役だったが 老年の北斎は、田中泯だからこそ出来た迫力であった。 敗戦時 日本の宝は、ただ同然で戦勝国に買いたたかれ 持って行かれた。 だが、自国の博物館にあるものを自慢したいものだ。 この北斎の海外の評価は、流出したからこその、数少ない利点とも思える。 困難でも、明日を信じて進もう。 そう教えてもらった。
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