「穏やかな再生を想起」みをつくし料理帖 bluewaveskyさんの映画レビュー(感想・評価)
穏やかな再生を想起
主役が『下がり眉』なので、事前情報もなくあまり期待せずに視た。エンタメ性のある時代劇をみるのは、「居眠り磐音」以来かな。中盤まで浅野温子や藤井隆らに笑わされていたが、『雲外蒼天』のくだり以降、涙が止まらなくなった。
澪は下がり眉だけに可弱さ一辺倒かと思いきや、出るべき処は気丈で力強さが感じられた。松本穂香は雲外蒼天に象徴される耐え忍ぶ一昔前の主役といった感じで、イマドキの連ドラには不向きだが、時代劇にはぴったり。それにしても最近のエンタメ時代劇は吉原の出現率が異様に高いと感じるのは私だけか。
石坂浩二はじめ脇をかためるキャスト陣は、かつて世間を騒がせたような印象があり(私だけか?)、再生を想起させる『とろとろ茶碗蒸し』のような優しい穏やかさに繋がっていて、同じく復活をはかる角川監督の意匠が感じられた。
P.S. 松本穂香さんのインタビューによると、本人は普段は下がり眉ではないそうです、失礼しました。
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