ジョジョ・ラビットのレビュー・感想・評価
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ピュアゆえに
子供は、与えられた教育や思想を全てと信じる。
ユダヤ人をまるで悪魔か動物のように。
同じ人間では無いと。
日本も戦時中、鬼畜米兵、赤鬼などと揶揄していた。
信じ込むんだよね。
でも、実際に会って話をして触れ合っていくと、情も移るし愛情も芽生えてくる。
現代でも言えることだけど、同じ人間同士、話し合いで何とか出来ないものかと思う。
観察力が鈍くて、吊り下がった女性の足が母親だとすぐに気づかなかった。
ユダヤ人の女の子がこんな事になったらどうしようという思いから、女性の足に抱きつき泣いたのだと思った。
しかし、目の前にいつまでも座り込んで見ている様子から、母親?と気づいた。
泣き所だったのだと思うけど、タイミングがずれて泣けなかった。笑
愛は最強。
予告を観て陽気でおもしろい
ムーンライズキングダムのような
映画かと思ってたけど
ナチスのユダヤ人虐殺も
しっかり現されていて
世界史をよくわかっていなかった私には
歴史を学ぶ良い機会になりました。
純粋にヒトラー万歳と言う10歳の息子に
怒りもせず反ナチ運動をする
勇敢なお母さんの行動に感動したし
自分がそれぞれの立場になったときに
信念をもって行動できる自信はない..
ひ弱で臆病なジョジョだけど
心の奥にはまっすぐで暖かい信がある。
きっとキャプテンKもそんなジョジョだから
守ってくれたのだと思う。
ヨーキーも愛おしくて
2人のハグには涙がでました。
これはBlu-rayでたら即買い!!
生きにくい時代
こちらで評判がよかったので見に行きました。実は先日、やはり評判のいい「フォードvsフェラーリ」を見ましたが、車にさほど興味が無いためか、あまり響きませんでした。
なので、期待はさほどせずに見たのですが、いい意味で期待以上でした。
どちらかというとファンタジーです。みんなこぎれいだし、家も服もオシャレ。音楽もイケてる。
確かにドイツが舞台なのに英語で会話が進む違和感はありましたし、最後にアメリカ兵が登場したら、ますますそこは混乱しますが、「ハイルヒトラー」を連呼させることによって一応押さえていたかなと。
まずスカヨハ母がとても良いです。美しく強い。愛情深い。ナチスに傾倒する息子をおおらかに見守っているが、密かにレジスタンス活動に関わっているらしい。
ユダヤ人の少女は、賢く美しく、ウィットに富んでいる。
ジョジョの友人ヨーキーもかわいらしいし、その他の人物もキャラがユニーク。
妄想のアドルフは実はこの映画の監督だそうで。
それと、特に誰も指摘していないようなので、以降は私の勘違いかもしれないけど‥
キャプテンKは、最初は頭のイカレたトンデモ野郎に見えましたが、途中、シェパードのエピソードのところで、部下を叱りつけ、その後密かに「ごめんな」と言って彼と見つめ合うシーンがありました。短い間でしたが、二人が愛し合っていることがわかります。ナチスはゲイを厳しく弾圧したので、思いを成就させることは難しい。おそらくエルサを見逃したのも、ナチスがユダヤ人を始めマイノリティを許さない世の中を、キャプテンKは実は嫌っていたからではないか、と思いました。最後の戦闘シーンでも彼らはアイメークしてましたよね。
とにかく、ポップでオシャレで笑えて、でもドカンと衝撃もあって、よく出来た映画だと思いました。
一言で言うと、お洒落な映画
堅く言うと、妄想のヒトラー(本作監督が演じてた!)が常に側にいるナチに心酔した子供が、戦時の苦難を乗り越え、ユダヤ人女性に恋愛しつつ成長する映画て事になる。一言で言うと、お洒落な映画だったなあ。
結局、お決まりの反ナチ&愚かナチ映画なんだろうが、ナチ側を全て悪としない所が好感。脇のサムロックウェルが実に良い奴だしオイシイ役どころ。
残酷残忍シーンは画面にはズバリ出さず、周りの表情や言動で効果的に出してた。ラスト近くの市街地戦のスロー映像はグッとくるね。
全体的に適度な緊迫感が常にありながらも、クス笑いと愛でいシーンで包み込み素敵だった。
妄想ヒトラーはウザい場面もあるwだが、要らないようで要る。こいつがいる事で、結果お洒落な映画の効果になった。
女性やカップルにお勧めな映画。
違和感
この映画、ドイツでも上映されたのでしょうか?
もし、上映されているのならドイツの方の感想を
聞いてみたいものです。
内容は良かったです。
ただ、上映されたとたんに・・・えっ?・・と
何故、英語?
もちろん、ドイツ制作ではないし、今までも、現地の言葉ではなく全編英語の映画もあったように思います。
でも、この映画に関してはすごく違和感を感じてしまい、前半は集中できなかった。
よく、いかにも中国って人がカタコトの日本語を喋り日本人の役をやってるような・・・
いや?それよりも
もし、大戦中の日本の話しを映画化したときに、登場する日本人が全編英語で話してたら?
あっ?
もしかして、この映画のドイツ版はドイツ語のアフレコかもしれない。
独りで納得。
戦争や差別のないことを願う
寓話のようなストーリー仕立てでも戦争は悲劇だ。
無垢な子供の心も、その残酷さや、優しさの狭間で揺れ動く。
大切な味方である母親、
しかし、反戦の咎で絞首台に。
母親に匿われるユダヤ人エルサ、
人として何ら自分と異なるところなどない。
日々の交流のなかで、次第にジョジョの気持ちもエルサに惹かれ、
そして、エルサも、クレツェンドルフの機転を得て、ジョジョを助ける。
ドイツは負けた。
しかし、ジョジョは負けたわけではない。
ウサギを殺める必要はもうない。
ゲシュタポは捕らえられた。
家族や知人、友人の死は悲しい。
ジョジョとエルサに、どんな未来が待っているのかは分からない。
しかし、子供らしく、人間らしく生きていけることは間違いない。
差別などもうない。
エンディングで流れる、デビッド・ボウイの曲は、ヒーローのドイツ語バージョン「Helden」だ。
冒頭の歌詞は、
僕がキング、
そして、君はクィーン。
きっとジョジョは勝ったのだ。
戦争や差別などない世界であることを願う。
戦争映画に寛容になれない
情報統制された世界の無邪気な子供であるジョジョが見ていて微笑ましくもあり、悲しくもある。
ドイツが敗戦する事は当然知っているので、どんどん環境が悪化するんだろうなぁ、と思いつつ観続けるので常に不安がのし掛かってくるように感じた。
最終的にジョジョはハッピーエンドなのかなぁ?
あの後、幸せになるビジョンが、どうしても思い浮かばない。
【愛は最強!…洗脳も固定観念も自己防衛本能すら超える!】
自分のゆでガエル状態を何とかしたくて
足元に迫っている災害や戦争の被害から
子供を守る危機感を養いたくて、
ピンとくる映画を観ています。
今回も「ナチス」「ユダヤ人」の
キーワードで、ピンと来たので
観てまいりました。
<キーワード>
・コントロール(支配、誰かを制御)
・ヒトラー、ナチスによる洗脳。この映画ではヒトラーの姿で、常に思考に影響を与える
…時に足りない、劣っていると感じる自分を補い、奮い立たせる様に励まされ、
…時に「~べき、しなければならない」とコントロールされる
ある意味、私達にもある、自分の中の声の存在。
・支配 強き物が正義という価値観
・庶民がビートルズを熱烈に支持したように、
熱烈にヒトラーをナチを支持していた事実。
…第二次戦争時の日本も大多数の国民が戦争を支持
していたの同じだったことの再確認。
・主人公が臆病、負傷の”おかげ”で、
”普通””当たり前の世界”からの脱線で経験できた物語。
・エルサとの出会い…
…ナチスの価値観では排除する対象で否定すべき存在。
…洗脳情報と、リアルでの経験の差の葛藤。
…フィアンセの件では、相手を傷つけながら、
…しかし、主人公の純粋ゆえに間違いに気づき、
変なプライドも無く元気つけさせようと改心する。
…お腹の中の蝶々が舞う事で気づけた事は、
洗脳による自分の価値観への疑と、
相手を想う心は、はそれらの価値観よりも
そして自己防衛本能すらも超えるということ。
・ナチスに洗脳されている主人公を受け入れつつ、
別の価値観の存在を示した、反ナチスの活動家の母が
殺害され 主人公は家族を、自分を支える全てを失い、
絶望の悲しみを体験する。
…それでも愛する人に、「靴紐を結ぶ」という
自分の出来る最大限の事を試みる。
・価値観の中で”絶対”の国が負ける。
周りの人々が殺される、破壊される恐怖。
…自分の思考の基準、”普通”が崩れる経験。
・寂しさせて一人になりたく無いゆえの、
自己防衛本能による「嘘」。
かくまっていたユダヤ人エルサをコントロール
しようとする。
…しかし良心が 愛が自己防衛を超える
…「しなければならない、べき」という洗脳が
解かれれば、心は開放され、気ままに踊り出す。
自由を、未来を楽しめるということ。
<感じたメッセージ>
洗脳されて、「~しなければいけない」「~べき」
という価値観で生き、かつ、報われず、
事情や状況、気持ちまで察して欲しいと期待
ばかりしている私たちへのメッセージは、
ノアの方舟の時の、備えもせずノアを嘲笑う
大衆が災害に遭うという教訓に似ているように
感じました。
この映画は、面白いかどうかでは無く、
観た私達が役立てるか、活かせるかが
問われている映画。
純粋だった、主人公と同じ頃の自分に
戻ってみてと。
…家々の窓の象徴する”目”のように、
出来事を感情に流されることなく、
…俯瞰する、客観視することも
求められているように感じました。
<その他>
・主人公の絵が、子供らしくない(?)
・乞食、食べ物を漁る…。
戦争の怖さ。子供すら戦わせられる、
自爆を強制させられるという狂気。
・不足感からくる期待が冷静な判断を狂わす。
「ライフ イズ ビューティフル」を
再び観たいと感じました。
トーマシンマッケンジーを観る価値
ヒトラーユーゲントにハマりまくっている少年のムーンライズキングダムみたいな映画かと思ったら、それにアメリとライフイズビューティフルみたいな雰囲気を併せ持つ、考えてみればめちゃくちゃいいミックスの映画だった。
いちばん計算違いだったのは小部屋に隠れていたユダヤの女の子という設定。トーマシン・マッケンジーが素晴らしい。そういう話か、と。それはいい、と。
ただ期待ほど傑作!と言い切れないのは、とはいえ、やっぱり少年がコミカルすぎというかバカっぽ過ぎるからか。まあ、全体のトーンなのだから仕方ないけど。好みの問題。
優勝
この映画優勝!!
映画開始直後はタランティーノ監督のような奇作感を
感じつつ観ていて、ギャグもなかなか寒いし正直不安だった笑
だけど、エルサ登場から一気に映画に立体感がでて
面白くなった。
ライフイズビューティフルの様な、
子供目線の戦争の話。
正直くどくど戦争の悲惨さを描くよりも、
この振り切り方はまた大きな含みを持って
グッと胸に突き刺さった。
とりあえずキャラの立ち方もナイスで
主要キャラみんな好き。
エルサ可愛いし、
キャプテンKクソかっこいいし
ヨーキーも味がいい
母の死は無念だったけど、
大丈夫!ちゃんとジョジョは靴紐も結べる様になったよ!
笑いながら泣く、泣きながら笑う
ふわっとしてるようで重い。でも重くなりすぎないように軽やか。「はい、今から泣いてくださーい」みたいのではなく、突然来る!みたいな。 例の靴のシーン、館内が「おーっ⁈」って声が上がっていました。こ、心の準備が…
もちろん、サム・ロックウェルはもう、ハズレなし!
私の中ではアカデミーカメレオンで賞はサム・ロックウェル!
アンネの日記と蝶々と靴紐
いきなりビートルズとヒトラーの観客の熱狂ぶりを皮肉たっぷりに描いたOP。いやはや、これで心をいきなり掴まれました。しかも映画では聴くことも難しいドイツ語バージョンの「抱きしめたい」なのだ。さらにヒトラーユーゲントに入ったジョジョたちの滑稽ともとれる訓練など、ぐいぐい引き込まれる。あぁ、それでもって手榴弾のせいで顔に傷が・・・
このコミカルな演出満載の序盤をずっと続けてくれたら満点評価になったかもしれない。しかし、傷ついたジョジョが家で静かに暮らすようになってからは子供目線の真面目な作り。時折空想の友達アドルフ(監督本人)が登場する部分だけくすくす笑える程度。匿った17歳のユダヤ人少女エルサとの奇妙な共同生活が始まり、徐々に成長していく物語でした。
多分、タイカ・ワイティティ監督の選曲センスは好みに合うのですが、ビートルズのインパクトがあまりにも大きくて、だんだん尻すぼみ。途中、「タブー」という曲が流れるのですが、ちょび髭の加藤茶を思い出してしまいました。どこかでボズ・スキャッグスの「JOJO」なんかを流してくれると最高だったかも♪
反戦、反ナチの母親スカーレット・ヨハンソンの愛情。さすがに10歳の子供にはその意思が伝わらない。ジョジョが成長して母を思い出すようになってから、その愛情の深さが伝わってくるのだろう。彼女の美しさも蝶々のように振舞っていたからこそ、母の愛がしみじみ伝ってきた。ジョジョが靴のひもをうまく結べない伏線回収も見事でした。
何と言っても美味しいところを持って行ったサム・ロックウェル。ユーゲントの指導者として、そしてジョジョを温かく見守る姿。ナチ親衛隊の闖入によってユダヤ少女エルサがピンチになったときも救ってくれたし、終盤のジョジョをユダヤ人として突き放すところも見事。『リチャード・ジュエル』に続き、惚れてしまいそうになる(ゲイ的なものじゃなく)。
「ブリキの太鼓」ファンタジー版
ナチ少年の眼を通して描く第二次世界大戦時下のドイツ。なるほどこういう手が有ったかという感じ。同じ枢軸国側だったけれど日本では作れないでしょうね、こういう映画。最初はややモタモタするし、こんなこと描いて良いの?笑って良いの?という感じだったけれど(結局笑いましたが)、スカーレット・ヨハンソンが出てくる辺りから調子が乗ってくる。映画の最初では自分の靴紐さえ結べなかったジョジョが、エルサの靴紐を結べるまでになった心震えるラストまで、やや戯画化された悲喜劇を通して、そしてモンスターである筈のユダヤ人少女への初恋を通して描かれる10歳のジョジョ少年の成長物語。ちゃんとした映画になっているのが嬉しい。
可愛い
ジョジョ君が可愛いです。
ヨーキーも可愛い。生きてて良かったよヨーキー
もう、この子達が可愛いくてしょうがなかった、悲惨な戦争、状況なのに曲がポップで戦時下という事を感じさせないような作りで、少年の精神的成長を描いたほんと可愛いお話し。
最後の告白シーンのジョジョ君は一皮剥けてたね、カッコよかった。
ビートルズで皮肉り、ボウイのコスプレで締め(ヒーローズの歌詞は復習推奨します)
ジョジョがシャツの襟をドバッと広げて、金髪をかきあげて。何かいきなり雰囲気変わった事無い?これがデビッド・ボウイのコスプレだってのに気付くのは、ヒーローズのイントロが流れ出した瞬間。レッツ・ダンスでも良かったよね。
トロントの観客賞なのでオスカー獲る感じでも無く、ちょっぴりだけフランス的な戯曲感を漂わせる脚本が好きなのと、監督であるタイカ・ワイティティを含む、メイン・キャストのハッキリしてて象徴的なキャラの立て方が良かった。
反ナチの母は、子供を巻き込まないために、息子を親ナチスとして育てながら、人として正しく育てる為に、何が大切なことかは教え様としていました。が、ここはも少しバシっと描写して欲しかったかなぁ。
自由になったら、まず、踊る。思想・内心・行動の自由。なんて許さないのがナチズム。なんだけど。なんでこれ、こんなに大騒ぎで宣伝してるんですか?そこがディズニー?
コメディ要素も、皮肉要素も、振り切り具合に多少の不満ありでした、俺的には。
サム・ロックウェルがリチャードジュエルの弁護士役に続いて、カッコいい所を持って行きました。カッコ良すぎひんかね?
良かった。けど、割と普通で物足りなさもありました。
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1/22 追記
"Maybe we're lying, then you better not stay."
デビッド・ボウイのHeroesの歌詞の締め部分は2人のその後を示唆してると思われ。戦争で家族を喪った2人は、一日だけKing&Queenとなった後、それぞれの道を歩みだす。そんなデビッド・ボウイの歌声を響かせながら、映画はおっ終い!になります。
Beatlesに熱狂するファンの姿と、ヒトラーに心酔する民衆の姿を被らせて始まる映画は、締めにも音楽を使ってます。こう言うところは好きです。
居場所を強制されてはいけない
タイカワイティティが自ら演じるヒトラーを空想の友達として持つ少年の話、と聞いて 一体どんな話なんだろう… 全く想像がつかん笑 と思いながらも評判の高さに期待を膨らませて鑑賞。
ヒトラーが出てくる以上、歴史のダークサイドの香りを排除した話を語るわけには行かない、だからこそタイカワイティティという監督の資質の中にこの話がどう落とし込まれているのか というのが大変興味深いポイントだったが、これまた非常に独特なバランスのお話だった。
この話のテーマの個人的な解釈としては
自分の居場所というものは、周囲の環境に多大な影響を受けてしまう。 が、それでも人は最後は自分の居場所を見つけることができるのだ。
といった内容だろうか。
(めちゃくちゃ乱暴だが…)
巨大な空気が国全体を覆っていたであろう、当時のドイツ帝国の中において、その空気の中に自分の居場所を必死で見つけようとしていた少年ジョジョが最後に見つける自分の居場所は… 好きな子と踊る!
と書くとえらいお気楽な印象、というか実際発生する事態に対して話のトーンは過剰に重たくならないのがこの映画の美学なのだが、演出と役者陣の技量によってお話の 切実さ は全く損なわれないのがこの映画の魅力の大きな部分だろう。
タイカワイティティの資質が存分に生かされた作品であるのは間違いない。
役者陣はみんな最高にこの話にマッチした素晴らしい演技を披露しているが、やはり何と言ってもスカーレットヨハンソン!
この魅力はなんなんだ!
素敵なお母さん像として完璧に近い、そしてだからこそ映画の途中に待ち受けるショッキングな展開がお話を強烈に押し進めていく。素晴らしかった。
あとはタイカワイティティ自ら演じるヒトラー。
ノリノリでやってるのが見てて伝わってくる奇怪な雰囲気が映画の雰囲気を壊さないながらも大暴れしてて印象的。
不満点 というとあれかもだけど個人的には、ジョジョの顔面の怪我の度合いが 思いの外軽傷じゃない…? という印象はあった。ジョジョが自分の居場所について考える一因となる顔の怪我だけど、正直そこまで酷い怪我ではない気がしてしまったのは若干ノイズとなった。
とにかく、他の映画ではまずあり得ない独自の切り口を、ここまで見易くまとめらるタイカワイティティの手腕はとても凄い。トロントでの観客賞受賞もうなずける一本だった。
10歳の眼が見た終わりと始まり
予告で何度も見て興味を持ったので観賞
あのおちゃらけヒトラーの正体は気になるよね
あれがメガホンも取ってるって!?
感想としては
今まで見たことのないものを観た
希少な体験ができ感動しました
大戦末期のドイツ…戦況は悪化…
と言うそぶりもまるで感じない能天気なビジュアルで始まる今作
ナチスの少年兵ヒトラーユーゲントの訓練キャンプから始まります
主人公ジョジョの視点から作品は描かれていることから
服装やシーンが時勢と違って見えるため非常に斬新な
ビジュアルとなっていました
思いきったビートルズなどの楽曲の選定も手伝って
予告で出て来たひょうきんなヒトラーの意味もそこに
あったわけですね
兵士になるには優しすぎるジョジョの回りには
強い母ロージー
良き理解者の親友ヨーキー
頼もしい教官クレンツェンドルフ
そして理想化された「アドルフ」がいます
決して登場人物は多くありませんが
ドイツ大戦末期という時期この映画のキモで
あの厳格な統制が揺らぎ始める時期
ジョジョが憧れた強いナチスドイツが陥落していく中で
母が匿っていたユダヤ人の少女エルサと遭遇したジョジョの
運命も大きく変わっていきます
面白いのはあくまでジョジョの視点から見る母は
当時としてはありえないほどおしゃれな服装になっているのに
対しエルサの服装はいかにみずぼらしいのも
ジョジョが持ってしまっている偏見からくるものが
如実に表れていたのが印象的でした
こうした演出が母が当時のドイツでいかに危険なことを
しているかという事実から知らず知らず遠ざけていくのは
巧みだと思いました
これはクレンツェンドルフ大尉にも同様に
戦闘で負傷し一線を退き指導に回された失意もあるでしょうが
同性愛と言う要素もナチスへの忠誠はすでにほぼ無くなって
いる事を示唆していたと思います(ナチスは同性愛を認めていなかったはず)
そしてエルサとの交流の中でジョジョの中で恋心が生まれ
理想化されたナチスドイツへの忠誠
10歳で考えたファンタジックなユダヤ人への偏見
もどんどん揺らいでいき混乱を迎えます
重なるように突然悲劇を迎えるシーンは非常に心痛しながら
ジョジョの迎える運命を気がつけば必死に追いかけていました
ナチス陥落を経て
それでも生きなければならない
それでも希望を見つけて前へ進まなければならないという
覚悟において最後のハードルとしてすでに自殺して頭に穴が開いたアドルフが
出て来たのはこの映画の監督の意向が行き届いた映画である事を
証明していると思いました
前日に観たリチャードジュエルでも出てたサム・ロックウェル
スカーレット・ヨハンソンの美しく強い女性の演技
ジョジョ役のローマン・グリフィン・デイヴィス
完成度の高い脚本で俳優の演技も存分に引き出されていたと思います
個人的にはこの世界の片隅にを観たときに近い印象を受けました
新年からなかなかすごいの来たと思います
クレンツェンドルフ大尉、私はあなたについて行きますよ。
嬉しいなあ、ここにもいました。
誰がって?
サム・ロックウェル演じるクレンツェンドルフ大尉のことです。
思いっきり体制側の人間なのに、その体制を権威付けているもののいかがわしさや嘘くささを一番分かっている人。
そのくせ、媚びてるわけではないけれど、体制が必要としている仕事はそこそここなして、部下からの人望や信頼も意外に厚い人。
『風の谷のナウシカ』にもいましたね、そういえば。
クシャナの部下のクロトワ。
やれやれ、女っぽくなっちまって。
くせー、溶けてやがる、俺も逃げなきゃ。
みたいな感じ、私は好きです。
原作漫画でも、ナウシカのことを本気で心配したりして、クシャナにからかわれているのです。
体制側からはみ出すほどの気概やエネルギーは無いけれど、いざ、これからの世界に必要な若者、少年、少女がピンチという時には黙って見過ごしたりしないで、自分が犠牲になっても助けてしまう。
色々と困難なことの多い世の中ですが、こういう大人が100人に1人くらいいてくれるなら、まだまだ捨てたもんじゃないと思います。
(この前は、寅さんみたいなおじさんが欲しいとか言ってたのですが)
ジョジョの前で、スカーレット・ヨハンソンがひとり二役を演じてたシーン。
他にも名シーンが多いのですが、なぜか観賞後に、ふと思い出しては泣きそうな気持ちになるのはここでした。
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